地図を読む/歩く/描く
というタイトルで後期に授業をやることになった。
「創造工学研修」という工学部に入った一年生むけの少人数授業。工学部全体で150くらいのテーマが準備されるので,履修者が好きなのを選ぶ。
で,私のユニット用に考えたのが上記のテーマ。
概要: 複雑で多様な実世界を特定の視点から切り出して記号によって記述したものが地図である。我々は世界についての知識を共有するために地図を描いてきた。メモの略図も,太古の壁画も,スパイ衛星からの信号を解析して得られた映像も,カーナビの画面も,いずれも世界を表象し,その情報を共有しようとする「地図」にほかならない。地図を読み,地図を手に実際にその地を歩き,新しく地図を描きなおすことは,人間と環境の関係性をデザインしようとする建築技術の基本をなしている。この研修では,様々な地図を読み,歩き,描くことを通じて,履修者の環境情報リテラシーを高めることを目標とする。……こういう文章ならスルスル書けるのであるが,具体的な中身はまだない。
迷わない略図をちゃんと描く情報デザイン超初級編とか,異様に長い直線を探して行ってみるとか,いつか来る道ヘビタマ道路探訪とか,コンター塗り分けスリバチ探しとか,戦前と同じ線形を探せvs戦争が終わってこの道は生まれたとか,この馬鹿な坂はなんだ机上プラン批判とか,ローテクで「グラウンディング」をやるような話にしたい。あと,メタ地図論ってのもあるだろう。地図の写生ってのもいいな。
いまだ参加のかなわぬ帝都の「地図ナイト」と遠くシンクロする授業でありたいと夢想する。予算があるならゲストを呼びたいが……。
開講は10月。外回りはあまり寒くならないうちに済ますようにしなくちゃ。