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創造工学研修 アーカイブ

2006年05月21日

地図を読む/歩く/描く

というタイトルで後期に授業をやることになった。

「創造工学研修」という工学部に入った一年生むけの少人数授業。工学部全体で150くらいのテーマが準備されるので,履修者が好きなのを選ぶ。

で,私のユニット用に考えたのが上記のテーマ。

概要: 複雑で多様な実世界を特定の視点から切り出して記号によって記述したものが地図である。我々は世界についての知識を共有するために地図を描いてきた。メモの略図も,太古の壁画も,スパイ衛星からの信号を解析して得られた映像も,カーナビの画面も,いずれも世界を表象し,その情報を共有しようとする「地図」にほかならない。地図を読み,地図を手に実際にその地を歩き,新しく地図を描きなおすことは,人間と環境の関係性をデザインしようとする建築技術の基本をなしている。この研修では,様々な地図を読み,歩き,描くことを通じて,履修者の環境情報リテラシーを高めることを目標とする。
……こういう文章ならスルスル書けるのであるが,具体的な中身はまだない。

迷わない略図をちゃんと描く情報デザイン超初級編とか,異様に長い直線を探して行ってみるとか,いつか来る道ヘビタマ道路探訪とか,コンター塗り分けスリバチ探しとか,戦前と同じ線形を探せvs戦争が終わってこの道は生まれたとか,この馬鹿な坂はなんだ机上プラン批判とか,ローテクで「グラウンディング」をやるような話にしたい。あと,メタ地図論ってのもあるだろう。地図の写生ってのもいいな。

いまだ参加のかなわぬ帝都の「地図ナイト」と遠くシンクロする授業でありたいと夢想する。予算があるならゲストを呼びたいが……。

開講は10月。外回りはあまり寒くならないうちに済ますようにしなくちゃ。

追記:チラシ(情報は増えておらず)
創造工学研修Hp用概要和文

2006年10月12日

創造工学研修, 2006.10.12

なんだこれ?を探す(その1)
Map02

1万分の1の地形図から異様なものを探し,現地を調査してくる課題。今日は地図から異様なものを探した。形や寸法もさることながら,その配列や密度などのパターンに異様さを見いだしてもらえればと思ったが,なかなかそこまでにはいたらず,異形のオブジェクトを見つけるにとどまった感あり。

地図を見慣れた履修者もいて,等高線から地形を想起出来ている様子なのは頼もしい。

次回は現地調査結果の発表。

2006年11月09日

創造工学研修, 2006.11.9

ケヴィン・リンチの『都市のイメージ』に準拠して,仙台のイメージマップを描いてみた。

14枚のイメージマップが手に入ったので,来週はこれらを見ながら,仙台のパブリックイメージについて議論する。

2006年11月16日

創造工学研修, 2006.11.16

仙台イメージマップの分析
Map05

次回は12月14日です。

2006年12月14日

創造工学研修, 2006.12.14

「地図は現実の選択的表示である」
Map06

次回はGISについて。

2006年12月21日

創造工学研修, 2006.12.21

Google Earth に何を載せるか

Map07

宿題があります。上記PDF参照。

2007年01月11日

創造工学研修, 2007.1.11

宿題の「情報と場所の関係」について発表
Map08

2007年10月04日

創造工学研修, 2007.10.4

12名の履修者をえて、今日から始まりました。
昨年に引き続き、「地図を読む/歩く/描く」です。

本日のハンドアウト

2007年10月11日

創造工学研修、2007.10.11

なんだこれ?発表会

みなよく調べてきてくれました。
地形、地名、道路線形、参道や橋、鬼門の東照宮と裏鬼門の愛宕神社、何かを隠したくて地名を変える、鉄塔の足下にはなぜ塚があるのか、古地図と現代地図、など、地図を読むためのリテラシーについて議論した。

「現実の選択的表示」としての地図についてのミニワークショップは、時間切れのため延期。

次回は11月8日 16時20分から。

2階ギャラリーを集合場所としますが、音響がひど過ぎるので場所を変えるかも。

2007年10月22日

地図とダイアグラムについての優れたリンク集

メモ

情報デザイン論2007 資料:地図・ダイアグラム - 三上のブログ

全米赤ちゃんの名前変遷マップがすごい。

2007年11月08日

創造工学研修、2007.11.8

地図は現実の選択的表示である――ジェレミー・ブラック

地図には,その製作者が必要だと考えたものだけが描かれています。

下に示す、1933年にハリー・ベックによって製作されたロンドンの地下鉄路線図はその典型です。正確な方角や距離は無視され,路線の色分け,駅の順序,乗り換え駅など,ごく限られた要素だけで構成されています。地上との関係を示す要素はテムズ川だけです。

参考:Historical London Underground Maps

今日は,様々な都市の地図を見て,その「現実の選択的表示」としての特性について考えます。

サンプルから興味のある地図をふたつ選び,その地図の「選択的表示」について,特徴を探してください。たとえば、あえて表示されているもの,あえて表示されていないもの,特に強調されているもの,その表現などを検討しましょう。少なくとも3つ発見して,それぞれ,その特徴が作者のどんな意図を反映しているのかとあわせて考えてください。

全員で発見を発表して共有し,「現実の選択的表示」としての地図の特性について議論します。

サンプルとした地図:
『地図で見る昭和の動き』帝国書院、2004
『増訂改版新選詳図帝國之部』昭和9年版、帝国書院、2004
『増訂改版新選詳図世界之部』昭和9年版、帝国書院、2004
『中学校社会科地図帳』、昭和25年版、帝国書院、2004
『中学校社会科地図 最新版』昭和48年版、帝国書院、2004
塔文社レトロマップシリーズ2『昭和11年、18年、27年の仙台と現在の仙台』塔文社、2005
最新刊地番入 仙台市地図、昭和11年版、塔文社
仙台市中央部地図、昭和18年版、塔文社
大仙台市地図、昭和27年版、塔文社
仙台市、平成17年版、塔文社
『建築マップ東京』TOTO出版、1994
『建築マップ東京2』TOTO出版、2003
『首都圏ロードサイド郊外店便利ガイド 2000-01年版』、昭文社、2000
『首都圏ロードサイド郊外店便利ガイド 2001-02年版』、昭文社、2001
Montpellier plan de ville, 2006
MTA Subways and Railroads, Plus Bus Connections, New York, USA, 2007
The Where Map Philadelphia, 2007-2008

参考文献
ジェレミー・ブラック『地図の政治学』関口篤訳,青土社,2001
若林幹夫『地図の想像力』講談社選書メチエ,1995

次回:12月6日,『都市のイメージ』マップの制作

2008年01月10日

創造工学研修, 2008.1.10

最終回
履修者に「おもしろい地図」を持ち寄ってもらい,「現実の選択的表示としての地図」のありかたを皆で議論した。オリエンテーリングの専用地図,観光地で配ってる地図,素人が描いた案内図,文庫地図帳の都市比較,建築家が描く敷地案内図などなど,様々な地図が集まった。

何を描き何を省くのか。

「普通の地図」をつくるプロセスで,ほとんど無意識に行われている価値の選択を批判的に再発見する議論だった。

2008年10月12日

「地図展2008in仙台」

石川ハジメさんに教えていただく。こんな催しがあるとは知らなかった。

 

日本で最大の地図のイベントである「地図展」を、10月23日から26日までの4日間、 仙台駅前の仙台市情報産業プラザ ネ!ットU(アエル5・6階)で開催します。

[From 「地図展2008in仙台」]

 

今年の創造工学研修の段取りを再構築中。

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