2016年12月26日から30日まで、北京を訪れていた。
清華大学、浙江大学、中原大学、東北大学の四校の合同で行った「西河村ワークショップ」の最終講評会のためである。本学からも履修者全員ではないが、5名の学生が参加した。
オンラインでの中間講評では、どのグループもやや観念的でまだまだ曖昧なものが多いように感じていたが、各校ともかなり具体的に仕上げてきており、非常に充実した内容になっていた。清華大学は実務経験を経て大学院に戻った学生が少なくないこともあって、多面的な検討を経た密度の高い仕上がりの作品が多くあった。浙江大学のチームは建築の詳細図も提出し、マテリアルも押さえた具体的な空間像が示されていた。中原大学も、トーンが整わないと言うこともできるが、たくさんの造形的なアイデアを盛り込んだ意欲的な作品を出してきた。
乱暴な一般化だが、東北大学の作品は、着眼点や切り口は悪くないが、コンセプト止まりなところがある。もっと具体的なシステムを提示することや、臆せずに手が動かして、空間の造形を進めることが必要だろう。
清華大学の建築学科は,キャンパスの中心近くに大きな建物を占有しており、ホールやギャラリー、工房などの充実した学習環境を持っていた。
日本の大学の建築学科、特に国立大学のそれは、世界の建築学科と比較すると、環境の充実という点ではっきりと見劣りする。それぞれの規模が小さすぎる点が問題かもしれない。 私の普段のミッションでは領域横断的な活動を重視しているから、基本的には小規模で多様なスクールが数多くあることのメリットを推したいのだけれど、こと建築デザインの教育という点だけで見れば、集約的な施設が必要な部分があり、地域ごとに、より大きなデザインスクールに統合していくような形もあるのかもしれない。