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高橋源一郎『13日間で「名文」を書けるようになる方法』

を読む。


"13日間で「名文」を書けるようになる方法" (高橋源一郎)

書くこと、そして表現をすることに関する、ラジカルなやりとり。明治学院大学での「言語表現法講義」の講義録という体裁で、高橋があげる参考文や学生の書いてきた文章を読み上げながらの討議が続く。

高橋のあげる参考の文がいちいち素晴らしい。冒頭のスーザン・ソンタグにまずやられる。高橋悠治、カフカ、日本国憲法前文、斎藤茂吉のラブレター、ル=グィンの演説、オバマの演説などなど。

それらを踏まえて提出される学生の作文もまたよい。高橋が指定する適切な順番で現れるわけだから、編集の妙味はもちろんあるのだが、こんなふうに書けるのかと驚くような文章が次々と出てくる。

添削を重ねて手取り足取り教える「良い文章」の書き方からは遠く隔たって、何かを作り出すことの核心を学びあおうとしているように感じた。学生たちがうらやましいし、まがりなりにも教える仕事をしている私にとって、そうか、こんな風にやるのか、と、うならされるところが随所にある。ひとたび「良い文章」の鋳型に鋳込まれた人(あるいは鋳込まれ損なったと思い込んでいる人)に、再びラジカルであれと迫るには手順が必要だ。適切な課題を適切な順序で課すことの設計が授業なのだと、あらためて考えた。あたりまえだけど、簡単ではない。


コメント (3)

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2010年02月19日 08:41に投稿されたエントリーのページです。

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