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過剰を排して価値を生み出すという構え

日本オフィス学会の第10回大会で、聴いたもののなかでは圧倒的に、知的照明のプロジェクトについての同志社大学の三木光範先生のプレゼンテーションがおもしろかった。

机上750lx(へたる分を見越しておくので最初はもっと明るい)で色温度5000k とか、もっとも明るい状態を好む人にあわせてとにかく過剰に明るい現在のオフィスの照明を、個別に制御できるようにする(知的照明システムで動かす)だけで、誰もが自分好みの照明環境を得られ、しかも電気代は下がるという提案。

この、今すでに過剰になっているものからマイナスすることによって、価値が創造されるという構えが非常に現代的。
誰もが栄養失調よりも肥満を恐れているのだから。

我々のものも含めて、つい何が足らないのか、という構えから入ってしまい、これを足すとよくなります、という結論になってしまいがち。じゃあ、費用対効果はどうなのよ、ということになって、結果、新しいものを足す、ということにはなかなかならないのである。

人間は手段と権限が与えられ、コントロールが容易ならば、環境を最適に自ら調整する。
何が「最適」かは当事者である人間が決める。
人間は、何が最適か、は場合によって異なることを自ら発見することになる。
万人に最適な環境というものもないことも知る。
自らつくった最適環境には責任が生じる。
手段と権限を与えてくれた組織への愛着が生じる。
……という三木先生のストーリーはキレイなんだけど、キレイすぎて、そうでもないんじゃねえかなあ、と思ってしまうところはあるのだが。

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2009年04月18日 22:54に投稿されたエントリーのページです。

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