を読む。中西泰人さんに教えてもらった。
類書はひととおり読んでいるが、現在日本語で出ているGSUの参考書としては、これが決定版だといってよい。
"Google SketchUpスーパーマニュアル" (山梨 知彦)
東北大学でも遅ればせながらはじめたCAD教育で、GSUを使っているのだが、よい自習用の参考書がないために苦労していた。Googleが用意しているチュートリアルもよくできているのだが、いかんせん英語であるし、ひとつひとつのコマンドの説明に分かれているので、学んでいく流れをつかむことが難しかった。
その点、本書は建築設計者の考えていくパターンにそって手順をふみながら、しかしそれぞれのコマンドの内容を遺漏なく伝えている。
著者は現役バリバリの日建設計のエース、山梨知彦である。「「図を描き、図で考えることができるようになる」——これが本書に隠された最大の狙いである。(p.11)」と、隠れもなく冒頭で述べられるのだが、その点で、本書のハイライトとなるのは「4-1. 立体的な図でアイデアを詰める」であろう。
この節では、業務のフローチャートを描いていく。それだけなら普通、何も長円や菱形や矢印に厚みをつけた三次元モデルである必要はない。だが、図から不整合を排し、できるだけ簡明になるように調整をし続けていくうちに、エレメントが同一平面上に並びきらなくなり、立体的に配置をしていくようになる。この業務がもとめる機能配置の平面(ブロッキング)から立体(スタッキング)への展開は、建築のプランニング・プロセスそのものなのである。
この本が出たので、来期からのGSUの授業の進めかたを大幅に見直すことになりそうだ。