大西麻貴が卒業設計日本一展のレポートを、ギャラリー・間のウェブサイトに書いている。
展覧会のオープニングレセプションで、直接出展者と出会って私がとても勇気づけられたのは、一度終わってしまった卒業設計と半年間の間、否がうえにも向き合うことによって、彼ら自身が悩みながらも柔軟に自らの考えを更新させ、今にも次の興味、次の段階へと飛び立とうとするように感じられたことだ。
[From GALLERY・MA/ギャラリー・間 展覧会レポート 卒業設計の先に]
仙台での決定戦から半年後の展覧会であることの意義をもっと打ち出すべきだという指摘には同意だ。作品としていったん定着したものだから不用意に改訂するのはいかがか、という態度もあると思うが、見せ方のフォーマットも違うのだし、その間に新しく考えることも多いのだから、新しいバージョンをつくるつもりでやったらいいのだ。
バージョンアップとは、何を残し何を加え何を捨てるかの判断の結果だから、作家の姿勢は作品そのもの以上にそのプロセスによりよく表れる。新しいバージョンがいいとは限らない。特にバグフィクスにとどまらない、仕様変更を伴う場合には「台無し」になってしまうものも少なくない。経験的には、だぶついて魅力を失うことが多いだろう。