を読む。
"ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683)" (荻上 チキ)
サイバーカスケード現象を解説。いろいろな事件の記録があるのが懐かしく面白い。7割ぐらいの「事件」や「祭り」はリアルタイムで見ていた記憶がある。7割ぐらい、というのが多いのか少ないのか、自分では評価できない。
まとめの結論として、次のように書かれる。トリッキーだが、言いえて妙。
(p.213)
- これまでに起こってきた現象が、これからも形を変えて起こり続ける。
- これまでに起こってきた現象が、これからは形を変えて起こり続ける。
インターネットにおいては「法の完全実行」が可能となる結果、「法の過剰」が起きることが懸念される(p.182)が、さらにその先には「道徳の過剰」も懸念される(p.184)といった指摘や、「動機の語彙」(社会に存在する動機に関する類型的な語彙)と同様の「批判の語彙」(p.192)、その「誤配」など、コミュニケーションに関する社会学の概念を用いて、ネットの危うさをきれいに整理して示してくれている。希望に加担する形で。