« 院試 | メイン | 『ウェブ炎上』 »

「妖怪ぷちぷちの巻」展

を見てきた。 先の記事で紹介したもの。最終日。

yokai ぷちぷち展

インスタレーションの素材は、梱包養生材の、いわゆる「ぷちぷち」。
二枚のぷちぷちをずらして重ねることで生じるモアレ模様を見せる間仕切り、巻いたり積んだりしたベンチやテーブル、USBカメラで撮影した会場の様子をリアルタイムでぷちぷちのパターンに加工するフィルターを通して投影する映像、制作過程を示すモノクロの写真、などで空間が構成されている。

yokai ぷちぷち展

ぷちぷちはフィルターなのだ、とあらためて気付かされた。半透明でむこうが透けて見える光学的なフィルターとしての性格と、本来の機能である衝撃を吸収する力学的なフィルターとしての性格とが、同時に顕現するような使い方があるといいのだろう。

yokai ぷちぷち展
オリジナルTシャツの展示のされかたや、家具にスナップ写真が埋め込まれているところ、あちこちに置かれた花の鉢、透けて見えるバックヤードが片付けられてないままになっているところなど見ると、インスタレーションとして強度のある空間を構成しようというよりは、ぷちぷちを使った様々なアイデアを並べて見せるショールームのような感じを狙っているようだった。いかにも東急サバービアらしい駅前を抜けて少しいったところのマンションの2階、普通の住宅とおだやかに同居するギャラリーに設置されているには、ふさわしい構えなのかもしれない。

東北大学のギャラリートンチクでも展示をしたい、と話していた。
アイデアをしぼりこんで、光や色のコントロールを厳しく行い、人が居合わせることでおきる出来事に注目して再構成すると、面白くなるかもしれない。

yokai ぷちぷち展

ぷちぷちパターンに加工されて投影される映像と、ぷちぷち越しに見えるシルエットが併置されている様子がおもしろかった。ねらってこうなっているわけではなく、たまたまそう見えた、ということだけれども。

コメント (1)

ishinabe:

本江先生、はるばる東急サバービアまで足を運んで頂きありがとうございました。

ご指摘の通り、いくつかの可能性の断片が発見されたまま散在しているような展示ではあったと思います。
そのためにそれぞれのアイデアを細かく説明しないと、飲み込みづらかった、というのが最大の反省点であります。
空間だけでものを言わないとインスタレーションとは言えませんね。
とは言え実践してみたことでの収穫は多くありました。何より継続が大切だと感じております。今後ともよろしくお願いします。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2008年08月30日 09:42に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「院試」です。

次の投稿は「『ウェブ炎上』」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。