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日建設計マネジメントソリューションズのシンポジウム

に出てきた。会場はANAインターコンチネンタルホテル東京。日建設計マネジメントソリューションズのグループ内での位置づけが変更されて、新しい仕組みになったことを記念しての会合であった。

まず、15000坪、4200人という、巨大な本店集約移転プロジェクトを実行された大和証券グループの阪上光さんの、なにより大切なのは体制作りと基本設計という非常に実践的なお話。刀狩りならぬ文房具狩りを行って、フロアに文房具を集中して供給するコーナーを設置し、ペンや紙を求めてくるワーカーどうしの出会いの場を形成したという(全体でみればコネタだけれど)エピソードがおもしろかった。カフェや郵便物というのは良く聞くけれど、文房具もそうなのだな。

ついで、私は「オフィスという大雑把な言葉では複雑で多様な情報生産の現場の諸相をとらえきれないのだとすれば?」という、長々としたバロック時代のような演題で30分ほど話す。

おおむね、以前建築雑誌2007年2月号に書いた記事「オフィスからワークプレイスへ」のプロット。オフィスの語源、ファクトリーに対するものとしてのオフィス、その弁別の強化のありようをチャップリンの『モダン・タイムス』に確かめた後、オフィスをさらに細分化する概念としてのワークプレイスについて。しかし、その細分化精緻化の方向性は決して唯一のものではないはず。フーコーの『言葉と物』に引かれたことで知られる「シナの動物の分類」を引用しつつ、オルタナティブなオフィス再分類の可能性があるのではないか。演題の問いに解答はないが、解答へ至る方法はラジカルに考えることより他にはない、というような話をする。そこそこ喜んでいただけたようでよかった。

日建設計といえば日本を代表する組織的な建築設計事務所であり、掲題の会社もそのグループ企業なのであるが、その日建設計にあっても、ハードな建築設計に限らず、このようなオフィスのマネジメント部門が成長・強化されつつあるのだそうで、これらが建築教育の再編成にとっても重要な視点になってきていることをあらためて感じた。

コメント (1)

s:

しかし、昔のようにいい話しは全く聞きません。
施主の依頼によって作られるのであまりいい物件がないと思われます。
だからアトリエの方が人気ではないのでしょうか?

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2008年08月22日 20:07に投稿されたエントリーのページです。

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