を読む。
SFの古典。冒頭の一章がクラークによって改稿されているものの新訳。
『2001年宇宙の旅』とも通底する、人類の次のステージへのビジョン。
高校生の時、おそらくはハヤカワ文庫で読んだ。その時は、オーバーロード統治下の怠惰な平和の時代の描写に魅かれ、またラストでも、新生する子供たちに共感していたように思う。
今になって読み返してみると今度は、置いていかれる最後の親たちの諦念と、決してもう進化することのない「助産婦」たちの悲哀に、共感するのであった。
古典を読み返すことにはこのような我を写す鏡としての妙味があるのだが、こういう枯れ方は我ながらちょっとまずいのではないかと反省したりもした。