を読む。
ドナルド ショーン『専門家の知恵―反省的実践家は行為しながら考える』
邦訳題が軽薄な感じで自己啓発本のような響きですらあるが、副題に入っている「反省的実践家」="Reflective Practitioner" が原題である。
技術的合理性にもとづいて知識を行使する技術的熟達者(technical expert)から、行為の中の省察(reflection in action)にもとづく反省的実践家(reflective practitioner)へと、専門家(professionals)像をシフトしようという構想。
研究室でやる読書会のネタ探しをしていて、おもわず読みふけってしまい、ついでに書架の奥からテリー ウィノグラード『ソフトウェアの達人たち―認知科学からのアプローチ』を発掘して、ドナルド・ショーンのインタビューまで読んでしまい、さらに参考文献数冊を注文した。こういう、ひとり盛り上がりは久しぶり。とても幸福である。そんな暇があったら早く仕事しろ、という声が聞こえてくるような気もするが、これも仕事ですから。
この本については、二年ぐらい前にも書いた。
邦題が気にくわないと、この時も書いている。進歩のない話だ。きっちりまとめて講義で話す、という約束は、来年度のITコミュニケーションデザイン論で果たされるはずですので、ご期待ください。