と一般化されてしまうことになるのか。
これで日本のストレージサービスは全滅!、みたいな乱暴な一般化をしてもいけないのだろうが、嫌な感じの判決が出た。
訴訟で同社は「実質的にデータ複製や送信をするのはユーザー自身。不特定多数への送信はしておらず、著作権は侵害しない」と主張したが、判決は「システムの中枢になるサーバーは同社が所有、管理しており、同社にとってユーザーは不特定の者。複製と公衆(不特定多数)への送信の行為主体は同社だ」と判断。協会の許諾を受けない限り、著作権を侵害すると認定した。
音楽保存サービス:ストレージ利用は著作権侵害 東京地裁−今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
何度読んでも判決の意味がわからなかったのだが、「ナガブロ: ストレージの利用がなぜ著作権侵害なのか」に詳しい記載がある。
30条1項1号は、公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製する場合には、私的複製にあたらないとしています。
自動複製機器とは複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいいます。本サービスを提供しているサーバ及び関連ソフトウェアもこれにあたりますので、本サービスを利用して音楽を複製するユーザーにも複製権侵害が成立することになります。
ナガブロ: ストレージの利用がなぜ著作権侵害なのか
つまり、MYUTAのサーバはこの「公衆用自動複製機器」にあたるとされたわけだ。「benli: 「法制問題小委員会報告書(案)に対する意見」 on Sep. 2006」で示されていた、危惧が現実化したということだろう。
公衆(=多数人)が用いることが予定されている複製機器=公衆用自動機器としてオンラインストレージサーバを捉える場合、このオンラインストレージサービスを利用して電子メールのバックアップをしたり、私的にリッピングして作成したmp3ファイル等のバックアップをしたりすることが禁止されてしまうし、そのような用途にも使用されていることを知りつつオンラインストレージサービスを提供し続ける事業者は刑事罰による制裁を受けることにも論理的にはなりかねない。
benli: 「法制問題小委員会報告書(案)に対する意見」 on Sep. 2006
JASRACや裁判官を叩いてみてもしかたがない。機関としての仕事をしたということにすぎないのだろう。問題は古色蒼然とした著作権法そのものであって、デジタル・ネットワーク・サービスを前提とした形で、著作権法が修正されないとどうにもならないってことだ。
追記:
判決が公開され、「MYUTAストレイジサービス著作権侵害判決 | bewaad institute@kasumigaseki」など、より踏み込んだ解説も出てき始めた。
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