« 『ナガオカケンメイの考え』 | メイン | Fotowoosh »

UCLA

そもそもロサンゼルスに初めて来た。

成田でずいぶん待つ。待ちながら鷲田 清一の『「待つ」ということ』を読んでいた。「年を取ると記憶は一枚の画に近づく」という忘れ難い一節に出会って満足する。

機体はB777。映画は見ず、ただただ寝る。

ロスは好天。水の手に入る砂漠。

LAXからホテルまではシェアシャトルバンで$22。ちょっとぼられた気がする。宿はUCLA近くのHilgard house Hotel。予約が私でなく友人の名前になっておりチェックインで往生した。広くてよい部屋。オープンなWiFi。気楽に使うならこれで十分。ベイウィンドウにマット敷かれていて、窓辺は腰掛ける場所としてデザインされている。窓の外には教会の塔が見えている。

1時間半ほど仮眠。眠りこんでしまわないように、15分ごとに鳴るアラームをかけながら。

UCLAキャンパス内を散歩。
広い。日比谷公園の17倍だそうだ。
外に大勢いる。気持ちいい天候だもんな。

クルマは"Parking Structure"と呼ぶ立体駐車場数ヶ所に集約している。建物近くに止められるのは身障者だけ。それで、歩き回るキャンパスを実現している。歩いているから、人と話す。クルマではすれ違いざまに声をかけることはできない。バイクは多い。モーターバイクもけっこういる。学生は駐車場から校舎までスケボーやスケートで移動したりもしているようだ。

立体駐車場は、表通りから引き込んだところにあって、実は案外各建物に近い。だから、敷地のはじっこから延々歩かされるという感じにはならないようになっている。駐車場から見た建物のクラスターと、歩行者空間からみたクラスターとが、異なるグルーピングで重なり合っているわけだ。この配置は地形とも対応していて、大ざっぱに言って、尾根筋にオープンスペース、谷筋にパーキングとしていて、立体駐車場のボリュームが目立たないようになっているようだ。

建築の建物はPerloff Hall。低層の二階建て。中庭を囲むコの字型プラン。二階にぐるっとつながった大きな製図室。見慣れた風景だが、樹脂製のラピッドプロトタイピングの模型がゴロゴロしているのが東北大学と違う。中庭に面したギャラリーでの新チェアマンを紹介する展示の準備は道具が揃わないのと人手が少ないのとで難航しているようだった。がんばれ。

北の奥にあるMurphy Sculputure Garden。彫刻の庭も素晴らしい。彫刻の置き方は雑然としているようにも思えたが、電動車椅子の人や、孫連れの老夫婦などが絵に描いたように彫刻を楽しんでいる様子はよかった。

夕方になるにつれて、屋外ではスポーツやダンスの練習など課外活動の比重が高まってきていた。こういう風に、いたるところで、大学の人たちが話をしている空間をこそキャンパスと呼ぶのじゃないか。人と話をするためにわざわざ集まってきているのだから。

ロスは暖かくて雨が少ないという屋外の利用には絶好の気候だから、仙台にそのままは適用できないだろう。もっと寒い土地ではどんな工夫をしているのか見てみなければなるまい。

アメリカの大学では、建物や広場のステージや噴水など、いたるところに人名が冠されている。それを寄付した人の名前が着くのだ。寄贈者を讃えるレリーフが埋め込まれていたり、像が置かれていたりもする。日本にも安田講堂などの例があるが多くはない。税制などの違いもあるし、自分の名前の建物など気恥ずかしいという気質の問題もあろう。スポーツニュースで毎日流れるスタジアムの名前のようにはマスコミへの露出があるわけではないからネーミングライツを売るというのは無理だとしても、大学の施設整備に公共予算をつぎ込み続けることはできなくなっているから、こうした資金調達の方法はもっと研究されないといけない。

コメント (1)

こち:

マイヤーのGetty Centerから、眼下のハイウェイを見ると、
ロスに来たんだなーという実感が湧きます。
UCLAは車で通過しただけでしたが、起伏を生かしたキャンパスでしたので、
青葉山のモデルにもなるんでしょうね。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年04月12日 08:12に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「『ナガオカケンメイの考え』」です。

次の投稿は「Fotowoosh」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。