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2007年08月 アーカイブ

2007年08月03日

博士課程後期集中講義, 22007.8.3

ブラウンフィールドに介入するデザイン

成長時代の近代日本の建築は,更地=グリーンフィールドへの新築というイメージを前提としてきた。しかし,人口減少期をむかえて既存住戸数が総世帯数をはるかに上回る都市化がすすんだ今日にあっては,すべての建築行為は,すでにそこにある建造環境=ブラウンフィールドへの介入としてイメージされなおさなくてはならない。この講義では,ラジカルな建築用途転用の事例等を通じて,ブラウンフィールドへ介入するデザインのありかたについて検討する。
ブラウンフィールドの転用は,人々に世界の変容を告げる。
既存の文脈を利用/逆利用して,場所の新たな価値をつくりだす。

ハンドアウト

2007年08月04日

将棋をする脳

プロ棋士の小脳を研究して情報システムに活用 − @IT 理化学研究所と富士通、富士通研究所は8月3日、研究プロジェクト「将棋における脳内活動の探索研究」を共同で開始したと発表した。日本将棋連盟の協力を得て、将棋の課題を思考する過程でのプロ棋士の脳の活動を研究する。特に、直感思考では大脳よりも小脳が主要な役割を担うとする「小脳仮説」を検証するために、fMRI(MRIを用いて脳の活動を画像化する手法)などを用いて大脳と小脳の連携を調べる。

ある機能を極端に発達させた事例を研究して、汎通的な方法を抽出して応用できるようにしたい、と。

棋士を調べるってのは、確かにおもしろそうだ。




保坂 和志『羽生―「最善手」を見つけ出す思考法』


のおもしろさが、定量的にできるといいですな。

ザ・コン館閉店

ラオックス、ザ・コン館を9月30日に閉店

1階がまるごとコンピュータ専門書店だった。通ったなあ。
裏口を出るとマハポーシャがビラを配ってた。
MacTCPが別売りだった。
Zen and the Art of Internet を読みつつ、Gopherを試してた。
Mosaic ってのがかなり凄いらしいぞ、とか。
遠い目(- -)

2007年08月08日

iWork08とiLife08

さっそくアップルストアで入手。以下、ランダムにメモ。


  • インストールは結構時間がかかる。
  • iPhoto
    • いきなりソフトウェアアップデートがかかってv.7.0.1に。
    • フィルムロールはイベントってものになった。分割したり結合したり写真を移動したりがフィルムロールよりはずいぶんやりやすくなってる。
    • 写真の読み込みも、いったんサムネールが読み込まれるので、出来事としてのまとまりごとに選択して読み込んで「イベント」にできる。
    • お散歩写真のように、特定のイベントのまとまりをなしていない写真については、適当な名前のイベントをつくっておいて、読み込んだあとで動かすようなことになるか。
    • 左下でできたカレンダーでの選択表示がない。全体がカレンダー的になって、イベントという概念ができたともいえる。
      従来型のカレンダーの検索は、ウィンドウ下部の検索窓の中にあった! RYFM


    • DashoboardのChronicle Albumは落ちる。アップデートを待つ。(追記 2007.12.2:Leopardにしてから試してみると問題なく動作する。私の環境の問題だったのかも。)
    • アイコンが今風のシンプルなカメラ。Panasonicのみたい。

  • Keynote

    • テーマが増えた。
    • 操作関係には大きな変更はないようだ。
    • PostItのように画面にコメントを貼り込める。発表者ノート同様、発表者には見えるが、観衆には見えない。
    • ライトテーブルのサムネイルのサイズが大中小から選べる。

  • Numbers

    • デフォルトの字が小さいなあ。
    • グラフの見栄えがいい。これまでグラフを描くためだけにKeynoteを使ったりしてたけど。
    • ヒストグラムを作るとか、ちょっと込み入ったことはできない。
    • マクロもないみたいだし、Excelとははっきり違う方向性。結局Excelは手放せないようだ。
    • ワープロがわりに何でもExcelでつくる人には、Numbersはむかない。
    • 山田祥平のRe:config.sysにNumbersの記事が出た。
      過去の表計算ソフトは、セル数の多寡はメモリ空間やプロセッサの処理能力に左右されながらも、あくまでも実用上無限大の数表を用意するだけだった。

       ところが、Numbersは、その概念を根本から塗り替えた。Numbersが用意するのは、無限大の数表ではなく、無限大のシートなのだ。その電子のシート上に、オブジェクトの1つとして、数表を配置する。シート上には、数表に限らず、文字、図形、グラフなど、さまざまな種類のオブジェクトを置くことができる。最初に用意されるのは、あくまでもシートなので、そこに置かれるオブジェクトが、特定の数表のセル幅や行の高さに影響を受けることはない。異なるレイアウトの数表を上下左右自由にレイアウトして配置できるのだ。
      (中略)
      Numbersにとって、数表は、シート上に配置できるオブジェクトの1つにすぎない。そういう意味では、ソフトウェアの名前はSheetsとするべきだったかもしれない。ページに区切られることのない新たなスタイルのコンテナだ。
      山田祥平のRe:config.sys「Excelはいつも仲間はずれ」


      「Pages」に対して「Sheets」という名前にすべき、なんでも入れられるコンテナなのだ、という指摘は目からウロコ。しかし、最初からSheetsだったら何のソフトかわからないかも。ダイナミックなピンナップボードというイメージなら共有できるかもしれない。無限に大きな壁で、なんでも貼れる。でも、そういうのはネットワークアプリとして提供されるべきだろうし、やっぱり画面はもっともっと大きくして、空間化させないと仕事にならないよなあ。

      ところで、印刷する紙の単位すなわちページの概念で全体をしばるPages と 無限大の一枚のシートからなる Sheets=Numbers という対比にそって考えると、iWorkにはもうひとつ、Keynoteがある。これは、スライドの概念で全体をしばっていることになる。

      ゆくゆくはこれらのアプリはもっとシームレスに統合されて、まずSheets=Numbersにデータやオブジェクトをならべて意味の構造をつくっておいて、人に見せるために切り取る単位としてページやスライドを使って、Pages や Keynote に出力する、という使い方になるのかもしれない。

      しかし、自分で言って見たものの、ページやスライドの枠組みなしで、意味の構造を作ることができるのかどうかはあやしいのだけど。

      この問題は、3D CADでつくるBIM (Building Information Model) と、平面図や断面図の関係と通じるところがある。3D CADでは、まずBIMを電子的に構築しておけば、任意の位置で切ればたちどころに平面図でも断面図でも作ることができるのです!という。しかし、「まずBIM」というのが、思考の順序として可能なものなのか。

  • Pages
    • 起動が遅いのは相変わらず。

2007年08月10日

逆打ち解体


ロンドンのオフィスビル、「かっこいい!」と思ったら… : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)より

ロンドンで解体中のビル。
センターコアから最上階で天秤状に梁を張り出して、外周の床を吊る構造なので、下から床を外していく解体手順になるんだそうだ。

しかし、バランスよく床を外していかないと、偏芯して天秤がひっくり返ってしまうよね?
外していく床を支持する仮設構造は必要ないのかな。

トリッキーな構造はバラシも大変そうだな、というお話。

元記事は、 The tower that's coming down bottom first | the Daily Mail

木陰に点々と



2007年08月14日

『社員をサーフィンに行かせよう』

を読む。


イヴォン・シュイナード『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論』

アウトドア用品メーカーのパタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードによる経営論であり企業理念論。パタゴニアは株式公開をしないことにしており、シュイナードは創業者にしてオーナーである。MBA(Management By Absence 不在による経営)を標榜し、今も自らサーフィンや釣を楽しんで、その現場でおきている出来事を会社に持ち帰るビジョナリーである。

だからこそ、地球環境の異変にもいち早く気付き、企業としてなすべきことをやろうとしてきた。「健全な地球がなければ、株主も顧客も社員も存在しない」からである。彼らは、利益ではなく売上げの1%を環境保全運動に寄付するという「税」を自らに課している。

パタゴニアのミッション・ステートメントにはこうある。

最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する(p.107)

原題は、Let my people go surfing だ。当然、my people は社員にとどまるものではないだろう。それは本書を読めばわかる。しかし、ビジネス書のタイトルにするためには「社員」と訳す必要があったのだろう。そのとき「社員」という言葉を使うしかないほどに、日本語の企業環境はボキャブラリが少ないのだ。「社員」と呼ばれるとき、人は「社員」として振る舞うよりほかない。役割の名前は、社会活動における行為の枠組みである。"my people"の含むところの意味はよく考えないといけないだろう。

企業の原理的な存在理由である「利益を最大化すること」に反して、「地球環境を保全すること」を企業として実行するのは原理的に不可能だ。しかし、パタゴニアは、環境保全に資するという外部的な尺度を企業内に、かなり強引に持ち込むことによって、内部のイノベーションの原動力としているのだということがわかる。イノベーションを絶えず行うカリスマ・ビジョナリーとして、アップルのスティーブ・ジョブズと通じるところがあるのだろうと想像しつつ読んだ。創業者とはそういうものなのかもしれない。

西村 佳哲『自分の仕事をつくる』とあわせて読みたい。

ecto3 alpha

Mac用では定番の、ブログの書き込み編集ソフト ecto が全面的にコードを書き直したv.3のα版が出ている。

infinite-sushi.com - ecto3 alpha プラグインで機能拡張できるようになったらしい。 データの構造が全然違うので、現行の ecto2 との併用も問題ないとのこと。

続きを読む "ecto3 alpha" »

2007年08月19日

MacBookのバッテリがまたしても突然死

2006年10月2007年5月に引き続いてまたしても「使用できるバッテリーがありません」。

三度目だぜ。

追記:さっそくアップルストア仙台一番町にて、症状を診てもらい、その場でのバッテリ交換となる。前回から90日以内ということで、保証期間内。部品番号は J661-4255。

技術への連絡もしてみていただけるとのこと。原因が究明されるといいのだが。

今回の症状は、電源プラグを外し、スリープにしたまま一週間ほど放置したあげくの結果。
過放電が起きてしまっているんじゃないかと思うのだが。

2007年08月20日

ハウスレクチャ 8.31 トコロアサオさん

告知です。
次回ハウスレクチャは、塩釜の菅野美術館で個展開催中のトコロアサオさん。
『オフィス/アーバニズム』をつくるときにご一緒しましたが、非常におもしろいアーティストです。
作品そのものの話だけでなく、その流通のさせ方についての構想などについても聞けるのではないかと楽しみにしています。

詳しくは下記をご覧ください。

今回はアーティストのトコロアサオ(野老朝雄)さんを招いて8月31日(金)夜7時から開催します。

トコロさんは、多様な組み合わせにより無限の二次元文様を生み出す「トコロ唐草」に代表されるグラフィックワークや、阿部仁史アトリエとのコラボレーションによる建築ファサードのデザイン、幾何学的な二次元グラフィックと身体を融合させることで防災をテーマにした衣服/シェルターをデザインするなど二次元/身体/建築を横断する活動を展開しています。また現在、塩釜の菅野美術館で野老朝雄展も開催中です。
トコロさんの作品についてはwww.tokolo.comをご参照ください。
ハウスレクチャの参加費は1000円です。
参加ご希望の方は8/27までにメールにてお申し込みください。
houselecture@a-slash.jp

お待ちしております。

2007年08月21日

ANIMOTO

A N I M O T O: the end of slideshows

兄妹ではない。オンラインのLiFE with PhotoCinema的なものだ。

登録して写真アップして音楽選んで、ムービーのレンダリング。

がしかし、途中でエラーになってしまった。「ふざけんな、もう来ねえよ、写真返せ、ゴラァ」と画面に毒づいたのだったが、「調べてみるからちょっと待ってて」とのメッセージ。

翌日、「ごめん、昨日のやつ、やっとできたよ、これ見て」とのメールが届く。
果たしてムービーはできていた。

あたりまえっちゃそうだけど、エラー処理がちゃんとしてるってことは、よいユーザ体験にとって決定的に大切だってことを思い知る。

2007年08月23日

Google 夜空

Google Earth Blog: Google Earth 4.2 Released - New Night Sky Feature

これまでのGoogleEarthで、起伏のある地表面をどんなに滑り廻っていても感じることはなかった、よるべなさというか、とりつくしまのなさというか、よすがのなさというか、投げ出されてしまったような感じがあって、へそのあたりがソワソワしてしまう。

追記:Mitakaだとそういう感じはあんまりしなかったんだよなあ。なにが違うんだろうか。最初から宇宙なのと、地表から反転するのとの違いか。

卒業設計日本一展 2007


GALLERY・MA 卒業設計日本一展 2007

はじまりました。
ライブラリもいよいよ充実。
来るべき卒業設計のキックオフのために、十分な時間をとってご覧ください。
8/31まで。急げ。

空中写真検索-索引図(全国)

空中写真検索-索引図(全国)

米軍が終戦直後に撮影した写真もある。

イエイリ建設ITラボ 経由、現場主義 (建設現場情報サイト):約60年前(1946年)の空中写真(国土地理院空中写真サービス) - livedoor Blog(ブログ)より

Seam Carving

画像の要約。

画像の不要な部分を自然な形で省略する技術。すげー。
言葉ではわかりにくいが、画面を見ればなんのことかわかる。必見。

デジカメで普及してきた顔認識なんかと組み合わされるんでしょうね。
小さい画面で画像を見るには効果がありそう。

テレビが4:3の番組でも16:9へと勝手にプロポーションを変えようとするのが許せないと思う私だが、これは面白いな。

かくして身体的な空間との乖離がますます進むのではあるが。

via 秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ: Seam Carving - 自然な画像リサイズを動的に行なうソフトウェア

ところで、動画を最後まで見たときに出てくる、関連動画がおかしい。この技術はそれなのか!

追記:TechCrunch Japanese アーカイブ » Adobe、噂の画像リサイズ新手法の共同発明者を採用!
遠からずPhotoshopに載るのでしょう。

2007年08月27日

『シーマン語録』

を読む。




シーマン『シーマン語録 現代人への185の賢言』

世間の常識をシーマンが批判する本なんだけど、ここで批判されている常識が、いまや常識じゃなくなってきてて、それで近ごろオタオタしてんだなあ。発刊は2001年だ。まだ6年しか経ってないよ。

民主の躍進はかつての田中派竹下派へのノスタルジーだって話をどっかで読んだのを思い出した。どこだったか。

ところでシーマン2、もうすぐだ。
(↑リンク先は音が出るぞ)

2007年08月28日

集落の集団移転

限界集落対策。

豪雪地帯の10世帯未満小集落、国交省が集団移転支援へ : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):
豪雪地帯の10世帯未満小集落、国交省が集団移転支援へ国土交通省は27日、豪雪地帯にある10世帯未満の小規模な集落を対象に、集団移転を支援する制度を2008年度に創設する方針を明らかにした。除雪作業中に死亡する高齢者が増えているため、移住を促す。具体的には、集落の全世帯がまとまって近隣の大規模な集落などに移転する際に、地元自治体が宅地や農地を買い取ったり、転居費を助成する制度を作り、その費用の半分を国が補助する。10世帯未満の集落は北海道、東北、北陸圏に約1400ある。国交省は、このうち山間部などにあり、高齢者が住民の半数以上を占める約100集落が移転支援の候補とみている。06年に日本海側を襲った豪雪では、亡くなった152人の3分の2近くが65歳以上だった。その77%は雪下ろしなどの除雪作業中に亡くなっている。
(2007年8月27日18時53分 読売新聞)

2007年08月30日

ダイアグラム・地図作成法

が特集されている。




誠文堂新光社『idea (アイデア) 2007年 09月号』

杉浦康平の時間地図をはじめ、日本で作られた主題地図やダイヤグラムの古典を、小さな挿図ではなく、大きく美しい印刷で紹介。作者の歴史的インタビューも興味深い。ヴィジュアルコミュニケーションの立ち上がりと建築との連携などが語られる。地図ファン必携。

Workplace Architecture

Office Building
Workplace Architecture

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