を読む。
城 繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』光文社新書,No.270,2006
大きな成長が見込めない社会においては,年功序列型の企業システムは持続できない。誰もが「昭和的価値観」に浸っているので,その問題すら認識できていない。
にもかかわらず,中高年層がその既得権を維持しようとすれば,そのツケは若年層に集中するよりほかない。そのツケは未だ生まれてもいない子供たちにも及ぶ。それが少子化の理由であるという。
経済アナリストのなかには,日本に新しい中高年市場が誕生し,新たな市場牽引役となることを期待する向きも強い。実際,すでに郊外の住宅やリゾート物件,中型以上のバイクなど,シニア世代向けのぜいたく品需要は伸びつつある。 だがその裏には,正社員の半分以下の賃金で,派遣や請負,フリーターとして使い捨てられる若者の存在があることを忘れてはならない。 彼らが“人並みの”収入を得て,結婚し子供を作る代わりに,社会はリゾートマンションや大型バイクの売上を選んだわけだ。(p.115)
政治家も企業も労働組合も,それに力を与えるもののために奉仕する。そのように出来ている。
筆者は,若者よ選挙に行けという。
これにはまったく同意である。
コメント (2)
お久しぶりです。
この本読みました。そして就職を控えた学生にも勧めています。若者の考え方や夢と社会構造がズレている現状を理解しておくのに良い本として。
#来年は一度研究室にお邪魔したいものです。
投稿者: ふくだぶろーぐ | 2006年12月18日 23:18
日時: 2006年12月18日 23:18
ごぶさたしています。
これは良い本だと思いますが,悪いのは社会で俺じゃない,と他責的にしか考えないタイプの人には逆効果かもしれません。
#お待ちしております。
投稿者: もとえ | 2006年12月23日 15:18
日時: 2006年12月23日 15:18