を読む。
中西 紹一, 松田 朋春, 紫牟田 伸子, 宮脇 靖典『ワークショップ―偶然をデザインする技術』宣伝会議,2006
ワークショップを扱った本は数々あるが,「単なるノウハウ本ではなく,その意義に真正面から向き合って,その必然性を問うような」本というのはあまりない。定番は,中野 民夫の『ワークショップ―新しい学びと創造の場』だが,本書もその列に並ぶものではないか。
進化論の木村学説における「中立変異」と「拘束状況の緩和」というアイデアが,本書のコアをなすものである。木村学説が進化生物学的にどのような評価を受けている学説であるのかは私は知らないが。新しいアイデアが生み出される状況を説明するモデルとしてはなかなか魅力的なものだと思われた。とりわけ今日の,女時(めどき)において創造はいかに行いうるか,という問いに答えようとしている。
何回かワークショップに参加してみたりして,これってそもそもなにやってんだろう??と,自分が体験してきたワークショップそのものを中立的にとらえなおしてみるにはよいかも。