を読む。
トム ケリー, ジョナサン リットマン『イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材』鈴木主税訳,早川書房
IDEOの新しい本の翻訳。『発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』の続編。
イノベーションに必要な人材を10人のキャラクターとして提示している。
- 人類学者
- 実験者
- 花粉の運び手
- ハードル選手
- コラボレーター
- 監督
- 経験デザイナー
- 舞台装置家
- 介護人
- 語り部
いずれも言い得て妙なネーミング。前著と同様にたくさんの事例,それも自社での身近な経験が紹介されるので,あれこれ感心しつつ読み進めた。
こうした役割はサッカーのポジションのようなものであって,人によって向き不向きこそあれ,固定的なものではない。語り部が介護人になり,時に経験デザイナーとして振る舞うこともある。
「最高の環境を整える人」が「舞台装置家」とされ,「建築家」ではないことが興味深いな。
ダイナミックなチームでのプレイにおいては,チームメンバーの潜在的な能力への期待と寛容の精神が肝要なのだと思われた。忍耐強く寛容でありつつも安きに流れず,卓越を求め続けることは並大抵のことではない。
私は失敗したことがない。一万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ。 −−トーマス・エジソン