東京お茶の水からノーマン・フォスターのセンチュリータワーの前を通って水道橋へ下る道の途中,JR中央線から神田川越しに見える元町公園。これをつぶして体育館を建てる計画があるという。
元町公園(昭和5年開設)は、関東大震災復興事業の一環として、東京市(当時)が設置した52か所の小公園のひとつです。防災と罹災者救護に大きな可能性を示した公園の数を増やし、同時に、近所の子供たちが遊び・学ぶ場所として公園を小学校に隣接させる新しいアイディアを実現させたものです。しかし都心の再開発がすすむ中で、この特別な空間を体験できる場所は、元町公園(と旧元町小学校)ただ一つだけとなってしまいました。本郷台地から神田川へと下る崖線の地形を巧みに活かし見事にデザインされた緑の空間は、カスケードやテラス状の広場、パーゴラなど大正・昭和初期モダニズムの造形美にあふれています。
学生のとき,都市計画の授業でこの公園の存在を知り,その足で見学に出かけたのを覚えている。実に建築的で味わい深い公園である。元町公園には歴史的な価値があり,簡単につぶしていい空間であろうはずがない。open space は empty space ではないのだ。