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川口のメディアセブンは「図書館Pro」になれるか?

東京都に隣接する埼玉南端の川口市。鋳物産業なんかの歴史はいろいろあったわけだが,いまじゃすっかり東京のベッドタウンとなり,工場跡地は続々と超高層マンションになっている。その駅前に「新しいタイプ」の図書館ができるそうだ。川口市立映像・情報メディアセンター「メディアセブン」というのがそれ。

地域の文化、歴史、産業、芸術など様々な分野と連携しながら、情報機器の取扱について総合的に学び、探求する新しいタイプの「学びの場」です。

まあ今時そのくらいのことはどこでも言うわな,と思うのだが,ここにはちょっと面白い仕掛けがあるようだ。公共図書館なのに有料会員制オプションがあるのだ。

基本機能は無料だけど差額を払うと使える機能が増えるソフトウェアってのは前からある。お金を払ったらProバージョンになるというわけだ。QuickTime Player Proなんかがそうだが,してみれば,メディアセブンの有料オプションは「図書館 Pro」ってところか。

ここには有料会員制サービスが用意されている。年会費2,000円を払うと、上質なワークスペース(座席)、PCや無線LAN、カラープリンタ(枚数課金)などが利用できる。座席のインターネット予約、レクチャーやワークショップなどのイベントの先行予約もできる。リアルな空間と会員専用Webサイト「メディアセブンコミュニティ」が人と人とをつなぐサポートをする。

コミュニティの育成にはリアルな空間とWebサイトだけじゃだめで,泥仕事を厭わない世話焼きの「亭主」が不可欠だが,そこらはどうするんだろうか。

引用した三菱総研の記事を書いている森田さんはせんだいメディアテークの立ち上げにも関わった方。森田さんがメディアセブンにかんでいるなら,当然smtの経験は踏まえられているはずだから,この事業がどんな風に成長していくのか,ちょっと期待してみていきたい。

もうすぐオープンだというのにショボショボなオフィシャルサイト:メディアセブン
※今のところ上記サイトにはこの有料オプションの件は掲載されていないようだ。

しかし,この施設が入る駅前再開発ビルの名前が「キュポ・ラ」と聞いたときは腰が砕けそうになった。

コメント (1)

not:

いろいろ情報は聞いていましたが、有料サービスとは思い切ったことを。このコミュニティから何が立ち上がってくるのか(どんな成果をイメージしているのか)聞いてみたいですね。

お金の問題だけではなくて、「良いお客」を生みだし、関係をどのように作っていくか、行政が「公平・平等」の名のもと直接向き合わないできた課題に取り組むことになるのでしょうか。

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2006年06月25日 20:19に投稿されたエントリーのページです。

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