藤森照信さんが今年の4年生の設計課題の非常勤講師で来られることになっていて,今日が出題。レクチャで自作を語られたのを聴く。
孫悟空の似合う建築,米マツ削岩機仕上げ,日本画を土足で見ていいのか,(サヴォア邸のおざなりな屋上庭園をみて)コルビュジェは嘘つき,こんな屋上庭園じゃ建築は植木鉢にすぎない,などなど,キャッチーな言葉が次々と発せられ,教室は笑いが絶えない。さすがのエンターテインメントだった。
個人的には,特別に許可を得て岩をよじ上っていって撮影したという投入堂の内側から山を見渡した写真が印象に残った。雲間に青々と山が連なっている眺めは実に神妙。いや,はじめて見た。
課題は,せんだいメディアテークの隣接地(ただし対面の甘栗屋を壊してはならない)に,緑を取り入れた建築を設計せよというもの。
建築家が理念的な「みどり」に寄りかかってしまう甘さについては,ランドスケープデザイナーの石川初さんが厳しく指摘しておられる。
植物がきわめて「環境」に「依存」してることなんか、専門知識ですらない。ベランダでハーブでもちょっと育ててみれば実感することだ。 どうしてこう、緑色に塗った途端にそれ以上の思考が停止して、何もかも解決するかのように思いこんで恥じないのだろう。
藤森さんも実際に生きた植物とわたりあってこられた方だから,そういう甘さには厳しいであろう。
履修者諸君は心してかかるべし。まずはそれこそベランダにハーブでも植えてみてはいかがか。