ハウスレクチャーに建築ベースではない現代美術のアーティストが来るのははじめてのこと。会場側の機材の操作がもたついて,映像を思うように出せなくても,まるで動じない,さすがの場数。
福井で行われた最近作「夢の種」は,青いLEDを光らせる機構を和紙で餃子のように包み込んでつくった楓の種のような形をした飛翔体を一万個,気球から振らせるプロジェクト。
それぞれの「夢の種」は,小学生が自分の夢を書き込みながら自分たちで作ったもの。高橋さんは町中の小学校をまわってワークショップをくりかえし,一万個の「夢の種」を皆でつくりだした。
「フライト」当日は,3千人の子供たちがグラウンドに集まった。気球から放たれた一万個の「夢の種」はクルクルと青い航跡を残しながら宙を舞い続ける。8分間にわたった飛翔ののち,グラウンドには直径50メートルにわたって青い光が撒き広げられた。
実施直後のレクチャーであったので,まだ動画はご紹介いただけなかったものの,わずかな写真だけからも,その美しさは想像を絶するものであったろうと思われた。