も見てきた。
CIだのBIだの言われるようになるずっと前から,企業思想の中心にデザインを据えた最初のメーカー。
床面と壁面の写真やキャプションの配置,脚もアクリルの展示ケース,三連スクリーンの映像など,展示空間の構成も緊密で,とても印象的だった。
ブラウンは正しいけど地味でいずれ飽きちゃう。その点オリベッティのほうがドキドキできてイイ。でも,ブラウンはあたりまえのものになってしまうことをむしろ望んでいるのではないか……なんてことをAXISギャラリーの内藤さんと話した。(本当はセクハラになりかねないのでここには書けないような用語法で話したのだったが。)
ブラウンのデザインはロゴに見られるようにグリッドシステムによる緊密な構成を持っている。でもそれは杓子定規なものではなくて,フライヤーにあるロゴの幾何学図を見れば,基本単位1の正方形グリッドに対し,BやRの中央横のラインをつくるための寸法として,内側の円弧の半径である 0.25 が導入されていることがわかる。
さらに,Aの内側に,全体のグリッドシステムからすれば非常に唐突に,1.3という数値が導入されている。ここにいかにもブラウンらしい秘めたる官能があるのだ。