を読む。
Passion For The Futureで紹介されていたもの。
パトリック・G. ライリー,『鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ』阪急コミュニケーションズ,2003
企画書を読んで意思決定する人たちは例外なく忙しい。長たらしい企画書は長いというだけで読まれることがない。企画書は密度と精度を高めて,簡潔に,明確に,具体的に,断固1枚にまとめるべし。
書かれるべきは下記の8つ。内容によってバランスが変わることがあっても,順序は変わらない。
1. タイトル
2. サブタイトル
3. 目的
4. サブ目的
5. 理由
6. 予算
7. 現状
8. 要望
十分なリサーチを経て集めた情報を吟味して濃縮し,冗漫な言葉を刈り込み,一枚に圧縮する。
本書にはそうして作った企画書の例がたくさん載っている。「1ページ企画書本」,つまり本書自体の企画書も掲載されているし,クフ王にピラミッド建設を促す企画書なんてのもある。確かに1分で読める。最後の「要望」がグッと来る。
今や忙しいのは経営者や投資家だけではない。原題は"The One-Page Proposal"であるから,「企画書」だとイメージが限定されすぎで,「申し込み」とか「依頼」とか,とにかく誰かに行動を求めるための言葉全般に適応されてよい議論だ。たとえば,メールで頼んだつもりなのに相手がちっとも何もしてくれない時には,相手の怠慢のせいにするばかりでなく,自分のプロポーザルが悪かったのではないかと反省してみるべきだろう。
「どんな用紙と活字を選ぶ?」という章が立てられているのが私には印象的だった。飾りのない白い紙に標準的なフォントを用いて黒一色でレーザープリンタで出力せよ,とある。それを折らずに渡す。送るときは大判の封筒で。川崎和男が『プレゼンテーションの極意』で「服装を慎重に選ぼう」と指摘するのと同様に,形をきちんとすることの大切さが指摘されているのだ。
邦題はカジュアルだし薄くて気楽な感じに見えるが,なかなかにインパクトのある本だ。