下のエントリでも触れている講演会に行ってきた。
ちょっと遅れたら,満員札止めになっていたが,関係者だと言い張って(嘘じゃないし)入れてもらう。席はなく,通路に座る。
「いろんな意味で現代建築はナマコなのだ!」というオーシャンノースのキヴィ・ソマターも,「システムに内在するロジックをデザイン化」しているうちに仰天すべき形態にたどりつくレネ・ファン・ズークも,非常に洗練されたプレゼンテーションで語り,大いに刺激された。
なかでも,ものすごく素敵だと思ったのは,フィンランドからきたソマターが見せた氷のプロジェクトだ。
冬。屋外に,ものすごく大きな「バケツ」を用意する。直径5mで高さ4mぐらい。当然,そんな大きなバケツはないから,コンクリートの型枠でつくる。
水を張る。しばらくすると凍りはじめる。全部凍り切らないうちに型枠を外す。周囲は凍って自立しているが,内部にまだ水が残っている。
横っ腹に小さな穴をあけて,その水を抜く。内部に空洞が残る。入口の穴を広げて中に入れるようにする。
そうしてできた氷の部屋である。わずかな温度のムラ,水の不純物,風,本当に微妙な要素が組合わさって波だった,妙なる姿をもった空間が現出するのである。
つくってみたい。
仙台ではこういう風には凍らない。もっと寒いところの方,一緒につくってみませんか。