自動車強盗団が,盗難防止の指紋認証システムを突破するためにオーナーの指を切り落として持ち去るという事件がマレーシアで起きたとBBCが報じている。
Police in Malaysia are hunting for members of a violent gang who chopped off a car owner's finger to get round the vehicle's hi-tech security system.
指や目玉を奪われるというのは,生体認証のリスクとして,いつも取り上げられることだし,映画でもそんなシーンはあった。が,ついに現実となった。「想定の範囲内」などといってうそぶいていていい話でもないだろう。
They stripped Mr Kumaran naked and left him by the side of the road - but not before cutting off the end of his index finger with a machete.
machete ってのは,「サトウキビ伐採用のなた」だそうだ。それでズダンと。ぐはあ。
セキュリティ専門家の武田圭史さんは次のように述べておられる。
本人に対するバインドが強すぎるために、傷害や誘拐など身体的なリスクも考慮しなければいけないということが現実に示された形となった。 バイオメトリクスを用いた認証メカニズムを導入する場合にはユーザ自身の安全が脅かされる結果にならないかよく考えなければならない。
バイオメトリクスがいつでも全部危ないというわけでもないだろうが,犯罪者が身体を傷つけてもかまわないと思っていたらどうなるのかという想定はしておかなくてはならないだろう。