アーキラボ展
展覧会のはしご。よい天気だったので,恵比寿から六本木まで歩く。
アーキラボ:建築・都市・アートの新たな実験展 1950-2005
これはなんとも腹一杯となる展覧会。まじめに取り組むと1時間や2時間ではすむまい。
もうすぐ終わるので,見てない人は急ぐべき。総花的ではないところもよい。
青春時代にキャーキャーいって見てた模型やドローイングの本物がずらりとあって,ベルリン・シティ・エッジの模型ってこんなにでっかいのかあ,モーフォシスの真似して「さびカラー」の模型もいっぱいつくったなあ,とかとか私的には非常にグッとくるものがあった。槇さんの「ゴルジ体」もあった。
懐かしいものや「これが本物か!」的なもの以外では,クロード・パランとヴィリリオの作品が詳しく紹介されていて私には収穫だった。
それにしてもこれほどの作品を収蔵しているFRACサントルってのは本当に凄い。実際の建物はいろんな理由で案外すぐに失われてしまうものだから,模型や図面をきちんと収蔵して未来に伝える美術館の役割はとても重要だ。建築の模型をコレクションとして収蔵している美術館は日本にどのくらいあるのだろうか。
展覧会の詳細はこちらも。
JDN /JDNリポート / 「アーキラボ:建築・都市・アートの新たな実験展 1950-2005 (1)」
ところで,六本木ヒルズは一大観光スポットなので,この展覧会には修学旅行生や団体旅行客もたくさん来ていた。正直いって,あまり楽しんでいるようには見えなかった。わかりやすい工芸品的な建築模型はあんまりなくて,コンセプチュアルな表現のものが多かったせいもあろう。会場から出て行く途中に,都市の模型の展示もあるんだが,こっちのほうがみんなの顔が断然輝いているのが印象的だった。王の欲望と建築家の欲望はちょっとずれていて,そのズレを精密に組み立てるのが建築家の(やや卑屈な)欲望のありようなのかも。
この模型でみた防衛庁跡地に建設中の三井ビル,六本木ヒルズより太くて高くて四角い。両雄並び立つとかなりの圧迫感だろう。