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2005年06月 アーカイブ

2005年06月01日

ニーチェ『キリスト教は邪教です!』

を読む。

フリードリッヒ・ニーチェ,『キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』』適菜収訳,講談社+α新書,2005

ニーチェが精神錯乱に陥る前に最後に書いた『アンチクリスト』の「超訳」版。
言葉遣いがあざとい所もあるが,こういうニーチェもあるのかあと思い,感心しつつ読む。なにしろスラスラ読めて,何を言ってるかもよくわかる。どんなに学術的に正しくても,読んでもわけがわからないのでは,批判を始めることもできないもんな。

こういう哲学書「超訳」はもっとあってもいい。
ニーチェ初挑戦の方にもおすすめ。

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.6.1

情報の反意語は何か?
Re-Place-ing Space
Aitcd 2005 07

2005年06月02日

livedoor 地図 スクロール地図

livedoor 地図 スクロール地図について

グリグリ動きます。
普通のクリック&リロードとは全然違うと改めて感じますね。

2005年06月03日

工事現場事務所のドールハウス

明子の秘密基地:工事現場事務所

すばらしい。

他にもたくさんつくっておられます。
明子の秘密基地:ドールハウス

現場事務所はある意味キャラの立った空間だから,かえって作りやすいのかもしれない。中学の職員室とか,化学の実験室なんかも近い感じか。

逆に一番ドールハウスになりにくい空間ってどんな空間だろうか。
ホワイトキューブのギャラリーとか?

2005年06月06日

FM1, 2005.6.6

FMの知識:人間,社会,環境
Fm1 2005 07

来週から3回,休講です。次回は7月4日。

WWDC2005 Keynote Special Program

日本時間今夜2時から。
Let's WEBCAST with Mac!:macwebcaster.com

2006年6月にインテルチップ搭載のMacが出て,2007年6月には移行完了と。
ジョブズの基調講演はApple - QuickTime - WWDC 2005で。

てことは,PowerBook G5 は出ないと。
あと一年はG4のままか。それもどうなのよ。

2005年06月08日

『メディア・ビオトープ』

を,中西泰人さんの紹介で読む。

水越 伸,『メディア・ビオトープ―メディアの生態系をデザインする』紀伊国屋書店,2005

生物生態系をメディアの生態系と置き換え,具体的な人工物やそれが組み合わさった景観をメディアとそれを支える技術システムとして考えてみると,メディアイロンの重要な課題とその解決の糸口をよりうまく見出すことができるのではないだろうか。(p.79)

というわけで,メディアとコミュニケーションに関する問題を,「ビオトープ」のアナロジーの体系で網羅的に説明しようという試みである。なるほど高い整合性でアナロジーの体系が構築されている。しかし,これは壮麗な理論構築物の完成を愛でる種類の本ではない。

比喩の体系がいくら整合していても,わかったようなわからないような感じ,なんだかうまく丸め込まれてしまったような感じはどうしても残ってしまうのである。

しかし,たぶん,すっきりしてしまってはいけないのだ。「これからの情報社会のなかでメディアに対して批判的になり,情報は注意深く選択していかなければならないと痛感しました」などというようなステレオタイプの感想には筆者自身も苛立っている(p.108)。本書での議論が,ずっしりと腑に落ち,血肉化されるためには,自らのコミットメントが必要なのだろう。これは読者に行動せよと促す本なのである。

p.97からのメディア・リテラシーの説明はとてもよいと思った。紹介されている「媒体素養」という訳語もいい。

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基礎ゼミ, 2005.6.8

ディベート「ワールドカップは2年に一回の開催とすべきである」を開催。 3対1で肯定側が勝利しました。

審判を努めてくれたゼミ生のみなさん,ありがとうございました。

履修者は次回までにレポートを書くこと。
基礎ゼミ2005執筆要項

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2005.6.8

情報と都市。時間と空間の再編成。
Aitcd 2005 08

FLW!

Google
Frank Lloyd Wright
ふたつのO,何?

黄金分割ディバイダ

 Bunguho Y0760A
コンパッソ(COMPASSO LEONARDO GENIO)

これであちこち測らせてもらいたい。

信頼文具舗にて取り扱い中。

2005年06月09日

林檎をかじる

2005-0609-1051.jpg
キャッチコピーは
Sweeter one.

2005年06月10日

空間術講座「身体」総括編@仙台

ギャラリー間の「阿部仁史展 BODY」に併せて,六本木のAXISギャラリーで行われた空間術講座「身体」全5回の総括編が,各回のナビゲータをそろえて,仙台で行われることになりました。

皆様こぞってご参加ください。

●空間術講座「身体」総括編
  ナビゲーターから各回の報告
  鼎談

パネル=阿部仁史,五十嵐太郎,小野田泰明,槻橋修,南泰裕,本江正茂
日時 =2005年6月10日[金]17:30〜
会場 =阿部仁史アトリエ/house in 卸町

   仙台市若林区卸町三丁目3-16

   車で来場の方は卸町第61駐車場(共同配送センター東)をご利用ください。
お問合せ=022-284-3411(阿部仁史アトリエ/堀口、後藤)

空間術総括編
↑今回の分のチラシ

ギャラリー間の公式サイト:空間術講座「身体」レポート

追記:

空間術講座総括に先立ち、空間術講座のビデオ上映会を行います。
日時:6月7日、8日、9日、いずれも18時から。
場所:東北大学建築学科3F都市デザイン学講座となりのゼミ室。
※第3回、第5回の上映を予定しています。
とのこと。当日会場へ行けなかった方は要チェック!

2005年06月11日

ソニーCSL OpenHouse2005

行ってきました。おもしろかった。

●Social Music
グループのユーザの位置や動きの関係の変化が,音楽のアレンジの変化として表現される。デモにあったように,街のスケールで使ってもいいし,うんとローカルにクラブの中などで使ってもいい。

●インタラクティブなボリューム的CG
モノの中身は詰まっているから,詰まったものとしてCGを作る。詰まっているから,切ると切口が見える。人参のサーフェス・モデルの内側に,人参の中身を定義するデモはおもしろかった。
WISSで発表された時の記事も参照されたし。「【レポート】コンピュータの未来を切り開くインタフェース - WISS2004 (3) キュウリとジャガイモお料理教室 (MYCOM PC WEB)
建築でも詳細断面図では「中身」を描くつもりでいたが,「均質な材料でできた部材の組み合わせ」として記述する。厚さ200mmのコンクリートの壁の,コンクリートの内部組成を問題にするような図面は普通描かない。詳細断面図といえどサーフェスモデルに近いのだな。

●スポットライトネットワーク
無線LANをスポットライトのように限定的に領域づける技術。ビーム2本の交点として空間のうちに位置を定義する。天井から一発でやれば,そのしたに円錐状の空間が無線で満たされる。
原理的には,光と電波は同じものだから,スポットライトのように働かせることも可能なのだな。光や音や熱と同様に,無線LANの電波の分布もデザインできるようになるのだ。

●共通の思い出
複数のカメラのシャッターが同調して切られ,同じ瞬間の写真を様々な方向から撮影することができる。おおがかりにやると映画『マトリクス』のようなシーンを作り出せるらしい。運動会なんかで,いくつも固定カメラを設置しておき,子供のゴールの瞬間にシャッターを切ると連動して一斉にシャッターが切られて,たくさんの写真が集められる,というふうに使えるといいサービスになるのではないかな。

●PreSence
タッチ・圧力センサによるインタラクション。押せるトラックパッド。写真表示のソフトであれば,指を立てて強く押すとズームイン,指の腹をつかって弱く押すとズームアウト,のように使える。アクチュエータが入っていて,手応えがある。指の腹でじわっと押すのは案外難しく慣れが必要。こいつを,スクロール地図と組み合わせるのはいいかも。

●Cursive Contents
写真のうち,人の顔など特徴的な部分を抽出して,その部分を魚眼で拡大してサムネイル画像をつくる。サムネイル一覧がぐっと見やすくなる。
すごいのはこれの動画版。サッカーのゴールシーンなど大事な瞬間だけを実速度で,残りは早送りにする。魚眼なので,ゴールの瞬間だけでなく,その前の攻め上がるシーンもちゃんと見られる。
余分な情報が増えている,大事なところだけ取り出したい。そこにビジネスチャンスが潜んでいるかもしれないですね。(百式風w)

そんなこんなのデモをあれこれ堪能。技術を開発されたご本人が丁寧に解説してくださって,とても勉強になりました。ありがとうございました。

2005年06月12日

笹谷峠

2005-0612-1357.jpg
場所

建築学会東北支部研究報告会「みちのくの風2005山形」で講演をしての帰り。あまりによい天気の日曜日なので,高速を走るばかりではつまらないと思い,はじめてこの峠をのぼる。峠の駐車場はハイカーの車で満車。バスもいる。あれでのぼってくるのは大変だろう。山菜採りか何かなのか,途中に路駐している車も数多くいた。

峠で背伸びをして,すぐに降りはじめる。

午後だったので,日射を受けている山形側と山陰となる宮城側とでは,かなり印象が違う。笹谷インターのところまで降りてきてドライブには満足したので山形道に入る。

ところで,最近ETCをつけたのだが,うれしかったのは最初の数回だけ。もうノンストップが当たり前に感じるようになってしまった。

2005年06月13日

FM1, 2005.6.13

本日6月13日から3回は休講です。
次回は7月4日。あしからず。

2005年06月15日

ETC前払割引サービスのサイト,識別情報検証できず

ピクチャ 1-1

なんとなくいやなので,登録をやめておくことにする。
Firefoxだとエラーにならないが。

デザイン情報概論,2005.6.15

第8回 ビフォー&アフター パーソナル・コンピュータ

1. 20世紀末,世界にパーソナルコンピュータが登場した。(1)パソコン以前から存在していたが,パソコンの登場によって全然違う状態になったもの,(2)パソコンの登場によって初めて得られたもの,(3)パソコンの登場のせいで失われてしまったもの,を挙げよ。(25分)

2. 『未来教室 アラン・ケイ』(NHK,2002)を見る。(45分)

3. パーソナル・コンピュータとは何か,自らの言葉で述べよ。

▼学生の回答
Di 2005 08Reports

追記(2005.6.21):授業で見た番組と同様の,アラン・ケイのワークショップが日本で開催されたようです。うらやましいぞ!

質疑応答では、アラン・ケイ氏は「コンピュータはツールとして考えられていたが、本のように使うこともできるのではないか」と話し、「本を読むだけでは、アイデアは生まれない。1番面白い本の活用の仕方は、本について何人かで話し合うことだ。コンピュータでも同じことができるのではないか」と語った。

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.6.15

速度とスケール
来週,再来週は休講。次回は7月6日です。
Aitcd 2005 09

2005年06月16日

落書きの質

河北新報ニュース 落書き、知力低下反映? 単純な絵などばかり 仙台: 仙台の街を汚す落書きの質が低下してきた。もちろんどんな内容であれ犯罪だが、以前の落書きはメッセージや芸術性を感じさせるものも少なくなかった。それが最近は単色で、排せつ物の単純な絵やわいせつな文言などばかり。仙台で落書き消しのボランティア活動を続ける団体は「知力が落ちたのか、低年齢化が進んだのか」と嘆いている。

落書きへのアンビバレントな心情が吐露されていて,なんとも不思議な記事だ。

ライターに取材しないのはなぜかな?

Beyond The Internet Decade/建築・都市は情報社会の期待にこたえてきたか

という大それたタイトルで,日本建築学会がシンポジウムを開きます。本江も出ます。

(期日が近づいたので age)

Aij Btid Symposium

 インターネットの普及から10年が経過した。この間に,情報社会をめぐる様々なビジョンが描かれてきた。予言が実現したものもあれば,あてがはずれたものもある。我々の暮らしを確かに変えたインターネットの10年に,我々の社会に何が起き,何が起きなかったのか。そして,その変化のただ中にあって,建築・都市はどのような役割を果たしてきたのか。時代の流れを正しく見つめ,これからの建築・都市への期待と,その担うべき責任を議論する場としたい。

基調講演は,技術と建築の関係について発言されることの多い建築家の林昌二さんと,『広告都市・東京』や『広告の誕生』などで都市と情報について論じておられる社会学の北田暁大さん。異色の顔合わせ? すごく楽しみです。

皆様お誘いのうえ,ぜひご来場ください。

日時:2005年6月20日(月) 13:00〜17:00
会場:建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)

詳しくは,建築学会のホームページ:情報ネットワーク/建築学会催し物・募集へ。

この企画のホームページができました。フライヤーやポスターはこちらからダウンロードできます。
http://archigraf.archi.kit.ac.jp/it-sympo/index.html

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『The Way Things Go』

を見る。


『Way Things Go』

「ピタゴラスイッチ」のおどろおどろしい版。燃え上がる炎や液体の化学反応や接着剤のベトベトなど,子供が真似するといけないアイテム満載。床の汚れが,途方もない時間を費やしたであろう試行錯誤を偲ばせる。

音楽もオチもないアンチクライマックスな構成。30分ぐらい延々と続くので正直飽きてくるかも。むしろダラダラとループさせて見るのもいいかもしれません。

ホンダ アコードのCMでも似たようなのがありますね。「COG」とかいうタイトル。
こっちは床が汚れてませんw


リージョンコードの関係?で,Macの純正DVDプレーヤーでは再生できませんでしたが,VLCでなら見られます。

VLCでならいけるだろうと高をくくって買ったリージョン1の「コヤニスカッツィ」と「ポワカッツィ」は再生できず。ショック。変な規制は早くやめてもらいたい。


Godfrey Reggio『Koyaanisqatsi & Powaqqatsi (2pc) / (Dol Dts Btb)』

※引退して出番のないPismoの余生をリージョン1プレイヤーとして過ごさせるというのはどうか。

2005年06月19日

"ROOM 606"

をパラパラと眺め,ところどころ読む。

Michael Sheridan, Arne Jacobsen,『Room 606: The Sas House and the Work of Arne Jacobsen』,PHAIDON, New York, 2003

アルネ・ヤコブセンの作品集。タイトルにあるように,代表作「SASハウス」の,さらにオリジナルの状態のまま保存利用されている「606号室」にとくに焦点をあてている。

ヤコブセンは家具デザイナーとして知られているが,建築に関わるものをなんでもデザインしていた。SASハウスはその集大成ともいえるものだった。本書で紹介されているとおり,SASハウスにおいては,ボリュームスタディから,プランニング,カーテンウォール,室内の造作,照明,テキスタイル,もちろん家具,その他にもカトラリーから食器にいたるまで,終止一貫したテイストを貫きながら,文字通り隅々までデザインしている。

竣工当時の写真,図面,スケッチなどを集成した充実した作品集。フリーハンドの展開図のスタディ図面などは汲めど尽きぬ味がある。きわめてオーソドックスながら端正な造本も美しい。

専門の高度化が細分化を招き,ひとりひとりのデザイナーが手を出せる範囲が狭められている今日においては,このような仕事はほとんど不可能なように思え,縁遠く感じられるかもしれない。しかし,今日がコラボレーションの時代であるからこそ逆に,こうした徹頭徹尾一人称が貫かれた仕事をひとつの参照点として理解しておくことには意味があるのではないか。建物の設計にとどまらず,いろんなものをデザインしてみたいと思うのなら,自分の仕事へのスタンスとヤコブセンのそれとの距離を測ってみておくことには,たくさんの発見があるだろう。

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2005年06月21日

Google Maps 世界対応

Google Mapsでみる宮城大学

地図はまだまだだが衛星写真ならかなり見られる。
画面中央で横に長くキラキラしているのが原広司設計の宮城県図書館。
画面右下の四角は仙台スタジアム。

右にスクロールすると,阿部仁史の宮城スタジアム。
さらに右=東へ行くと松島である。
スクロールは画面のドラッグでできる。

東京なんかはもっと解像度が高いのもある。これだと建築が一つ一つ確認できる。

2005年06月22日

A-CUP2005

Acup2005

★★★A-CUP2005★★★

まもなく!

デザイン情報概論,2005.6.22

建築とコンピュータ
Di 2005 09

今日の講義の元ネタとなった「コンピュータの中の「建築」」も参照してみてください。

なお,来週6/29は休講です。

『現代思想の遭難者たち』

を読む。




いしい ひさいち『現代思想の遭難者たち』講談社,2002

34人の現代思想家をパロディにした漫画。詳細な注付き。

ハイデガーとフッサール,デリダとハーバーマスのかけあいなんかをゲラゲラ笑いながら読む。漫画にしてみると強力なのは断然ヴィトゲンシュタインだな。

こういう建築家の本を作れるといいなあ。

2005年06月24日

空からNew Delhi

エドウィン・ラッチェンス設計のインド大統領官邸(旧インド副王公邸)。北東のでっかいリング状の建築は国会議事堂。ズームアップすると,英国植民地時代のニューデリーのプランが見られる。この都市プラン全体をラッチェンスが監修している。コルビュジェがサボワ邸を作っていたのと同時代の出来事なのだ。

さらに北側には古都オールドデリーがあるのだけれど,「衛星」は政治都市たるニューデリーにしか興味がないらしい。かなりキナ臭いものなのだな,これ。

ニューデリーの仲間たち。
キャンベラ。スプロールさせないでよく管理されている感じ。
ブラジリア三権広場は白すぎて飛んでるw
ワシントン D.C.。イケナイところは濃いめのモザイク処理。
本家ヴェルサイユ

やっぱり首都は詳細データがあるんだな。
チャンディガールは詳細がないようで未だ見つけられず。

都市計画上の性格は異なるが,バルセロナ。復元されたバルセロナ・パビリオン

ところでブラジリア西部のスプロール住宅地。すげーなんだこりゃあ。

世界中で同時多発しているに違いない「Google Mapsで面白いものを探す祭り」
アメリカ以外は地名での検索が効かないみたいなので,地図とクビッぴきで。
ああ仕事にならん。

これは日本だけど,ある意味グロ画像かも。

『人類と建築の歴史』

を読む。

藤森 照信,『人類と建築の歴史』ちくまプリマー新書 No.012,2005

延々と新石器時代の話が続く。これは〈建築〉の誕生の物語だからだ。

藤森は,人類が農耕をはじめたことによって,従来の採集狩猟文化をベースとする地母信仰にくわえて,太陽信仰がはじまったという。

地母信仰が建物の内部というものをもたらしたことはすでに記した。では,太陽信仰は何をもたらしたんだろう。 外観である。大きく高い外観をもたらした。正面の外観のことをファサードというが,ファサードを出現させた。 地母芯が人をやさしく包む母のような内部を,太陽神が人の眼前にそびえる父のような外観をもたらし,ここに内外二つそろって,ついに人類は〈建築〉を手に入れた。(p.63)

木を伐ることのできる磨製石器の登場もまた建築を可能ならしめた。その後,青銅器や鉄器へと技術が整うことによって,建築の構法が確立されていく。

それから,一万年ぐらいの間,世界中で多彩な建築の展開があったのだが,モダニズムで収束してしまったと藤森はいう。

モダニズムの建築は,アールヌーボーを皮切りに30年ほどをかけて世界中で同時多発的におきた,いわば「祭り」であった。それは「科学技術時代の人間の,建築的総意のたまものといってかまわない。(p.158)」

青銅器文明の四大文明にはじまり二千年近くつづいた多彩な建築の歩みは,その歴史と文化を完全に否定されて終わった。 ここにくれぐれも注意してほしいが,バウハウスのデザインをヨーロッパとつないで考えてはならない。(中略)この六歩目の帰着はそれまでの四歩五歩をリードしたヨーロッパ自身にとっても意外なもので,エジプトにはじまりギリシャ,ローマをへてつづいたヨーロッパの建築の歴史を自己否定してしまったのである。バウハウスのデザインの背後にヨーロッパの歴史や文化の陰を見つけることはできない。あるのは幾何学という数学。数学に国籍はない。(p.156)

かくして,人類の建築の歴史は振り出しに戻る。

二十世紀をもって歴史がおわり,二十一世紀初頭現在の,日本をはじめ世界のモダニズムデザインの先端は,そういう漸近線状態にある。より軽く,より透明に,どこまで行きつけるのか。 (中略) 二十一世紀の建築は,より軽くより透明にを目ざす一団が世界の中心にあり,その周りには物としての存在感の回復を夢想する,バラバラでクセの強い少数者が散らばって叫んでいる。そういう光景になるのかもしれない。(p.168)

さて,そうした精緻を極めるマニエリスム指向のレースは,なるほどありえそうな構図だとは思うけど,その怒濤の漸近競争が何をもたらすのか,正直よくわからん。そう感じる時点で,私などは「世界の中心」にはいないってことだろう。しかし,そういう建築の「世界」が,より上位の「世界」とどのような関係にあるのかってことは,別に考えておかねばならないだろうけど。

藤森は「初めての建築の本」としてこれを書いたというが,むしろ大学院の受験勉強なんかで,断片的な建築史の知識だけがバラバラに放り込まれた状態で読むほうが,強引ながらもクリアな見取り図が得られるので効果があるように思う。

もちろん大学院レベルであれば,その「見取り図」を鵜呑みにせず,きちんと疑うことができるかどうかが問われるわけだ。この本のよいところは,なるほどって感じる部分と,そりゃ強引だろと感じる部分とがないまぜになっているところなのだから。

Real Bionic Man

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CBS 2 Chicago WBBM-TV: news, weather, traffic, video: Chicago Doctors Create Real Bionic Man

テレビでよく見ていた「600万ドルの男」やら「バイオニックジェミー」を思い出させる医療技術が公開された。

脳のパルスを拾って,意志にしたがって動作する。
ゆくゆくは義手の方にもセンサーをつけてテクスチャーや温度がわかるようになるという。

マックだとビデオが見られません……orz

2005年06月28日

Sorry

I cannot read japanese emails here in France.
Good luck.

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