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フィッシング詐欺、RFIDの不用意な運用によるリスクなど。
【レポート】情報化社会に忍び寄る危険 - 産総研・高木浩光氏に聞く (1) 国内でも被害の出始めたフィッシング詐欺 (MYCOM PC WEB):
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/01/01/takagi/
フィッシング詐欺対策については、「一言で言うと、メールは一切信用するな、メールにあるリンクは絶対クリックするな、正規のサイトを使いたいときは、必ずメールは無視して、ブックマークから、あるいは正規のURLを手で入力してアクセスしなさい、それが100%安全な方法」と指摘する。インタビュイーも極論としてはいるものの、メールの信頼性はかなり低いものであることを心得ておくべし。
携帯電話のWebブラウザでは画面に常にアドレスバーは表示されないので、携帯電話ユーザーは、アドレスバーを普段は見ない傾向がある。そうしたユーザーがPCでネットサーフィンをする場合にだまされる危険性がある、というわけだ。アドレスバーにあるURLをチェックすることが、まずは「釣られない」ための基本なのだが、携帯電話ではそれができない。「餌」を確認する習慣ができない。
ケータイが生まれて初めてのインターネット体験である人たちも少なくない。パソコンを無意識のうちに前提してコンピュータのサービスを考えると、どこかで大きな間違いをしてしまうことになるだろう。
セキュリティとはずれるが、auがOperaを搭載した機種(W21CA)を出したが、これが「ダブル定額」の枠外になっている。アプリを「PCサイトビューアー」なんて名前にして、ケータイとPCのサイトは別物です、みたいな顔しているけど。要するに、EzWebで細かく課金するビジネスモデルを守りたいからだろうが、そのモデル自体が足かせになりつつあるのではないか。
ケータイからのweb利用はいろんな意味で岐路に立っている。
高木浩光@自宅の日記も要チェック。
仕様書をExcelで書く人 - @ITクラブ Cafe: 思うに、あのセルで区切られたワークシートが「方眼紙」に見えるからではないかと。実際、セルを正方形に整形して、まさに方眼紙として図面描く、無駄に職人芸見せる人もいます(上の某大手PCメーカーの人)。Excelの罫線機能で描かれた図面、私も見たことがあります。それはそれでかまわないんで、無駄とも思いませんが。
あれを見てると、日本人の求めているPCソフトというのは、ワープロでも表計算でもなく、「方眼紙」なんだなぁ、と思ったりします。
たしかに「方眼紙」はいいんでしょうねえ。罫線も引きやすいし、行頭もそろえやすいし。「方眼」の包含するアフォーダンスを検討してみるのは情報デザイン的な課題かもしれません。
ひとつのアプリケーションでなんでもやっちゃうのと、あれこれアプリを使い分けるのと、どっちが効率がいいのかわかりませんけれども、私は明らかに後者だな。なんでも呑み込む巨大な多機能アプリはなんとなく気にいらない。判官贔屓なのでね。
をパラパラみる。文房具のムック。LAMYの特集など。
一番興味を引いたのは、p.76右下のLAMY2000-4BPに関するコラム。
LAMY純正のM21がネットリした太めのものであることはよく知られている。私はこれが好ましいと思うが、かすれやすいのは確かで、嫌がる人も多い。LAMYの製品は独自規格が多いのだが、このレフィルは他社製品と互換性がある。私もあれこれ試してみたいとかねてより思っていたのだったが、同じことをすでに試された先達がおられたのである。
コラム筆者の石川氏は、赤はペリカンマルチペン、青はロットリング、緑はゼブラを推奨しておられる。なるほど。ロットリングが赤でなく、ペリカンが緑でないところに、面白さがあるような。ゼブラは前に試したが、私にはちと細い。ゼブラはともかく他の舶来BPレフィルが仙台で入手できるかどうかも問題である。
を読む。
産業総合技術研究所 サイバーアシスト研究センター,デジタルヒューマン研究ラボ編『デジタル・サイバー・リアル—人間中心の情報技術 』丸善,2002
産総研の一般むけ研究報告シリーズ第一弾。
さて,サイバーアシストというのは,文字通り「人間支援技術」であって,具体的には状況依存のサポートとプライバシーの保護を同時に実現することを目標として,そのために「知的コンテンツ」と「位置に基づく通信」というふたつのアプローチを取っている。でもって,さらに具体の研究課題は目標とアプローチのマトリクスにしめされている。(p.78)
テーマ\アプローチ | 位置に基づく通信 | 知的コンテンツ |
---|---|---|
状況依存支援 | 位置情報 | 意味構造 |
プライバシー | 非ID通信 | 割符方式 |
全体の技術的キーワードは「グラウンディング」。IT化は必ずしも人間の快適性にむすびつかない状況を作ってしまっている。なぜか。「技術的に容易なことを優先し,真に人間にとって必要な,しかし実現困難な技術開発を後回しにしてきたからである。その結果,デジタルな世界と我々の住むリアルな世界を結びつける技術がない,あるいは少ない」からである(p.71)。この「結びつける技術」がグラウンディングだ。グラウンディングは,人工知能研究の分野で「シンボルを実世界にグラウンディングする」という意味で使われてきたものであるそうだが,サイバーアシスト研究センターでは,自動的なグラウンディングはまだまだ難しいので,「人工知能的なアプローチではなく,人間との協調による手法を探りたい」としている。
グラウンディングをさせるための具体的な情報技術の開発研究が上記のマトリクスの中身だ。本書にはその内容がコンパクトに紹介されている。
思うに,環境情報デザインというのは,グラウンディングがなされてデジタル情報が実世界に結びつく,まさにその環境をいかにデザインするのか,という課題に答えようとするものだ,といえそうだ。
もうひとつの「デジタルヒューマン」というのは,コンピュータの中に再現された人間のモデルのことである。機能や構造,形状などを目的にあわせて構築し,エンターテイメントや,医学,人間工学的設計などで使う。もちろん,全面的なデジタル・フランケンシュタインを作ろうというのではなくて,「遺伝子構造から脳内神経活動まで,その仕組みのすべてをコンピュータモデルで再現しようということではない。むしろ「人間の機能」のモデル化をめざす(p.121)」としている。だから,「人間の外郭形態を持たないモデル」もまたデジタル・ヒューマンである。この「人間の外郭形態」という言葉遣いが妙に生々しくて実によいな。
冒頭の年寄りの自慢話大会みたいな鼎談は野暮だと思いましたがね。
Welcome to the HAL Corporation
HAL9000のファンサイト。
スクリーンセーバーやフラッシュ。
よくできている。
システムを入れ直したのだが改善されない。いよいよヤレてきたか。MWSFまではもって欲しいのだが…
PRAMクリア,PMUリセット,OpenFirmwareのリセットはやってみた。
ダメなら修理だけど,今は手放せないぞ。
卒業設計日本一決定戦:
http://prj.smt.city.sendai.jp/~gakuseikaigi/
今年もエントリーの受付開始。
公開審査は3月13日。集まれ!
審査員長 石山修武(早稲田大学教授) [世田谷村日記]
審査員:
青木淳(青木淳建築計画事務所代表)
宮本佳明(大阪芸術大学助教授)
竹内昌義(東北芸術工科大学助教授)
本江正茂(宮城大学講師)
司会:槻橋修(東北工業大学講師)
コメンテータ:阿部仁史(東北大学教授)
小野田泰明(東北大学助教授)
また、パンフレットに広告を載せて御協賛いただける方、企業を募集しております。こちらもよろしくどうぞ。
お問い合わせは、せんだいデザインリーグ2005実行委員会まで。
sdl-office@mail.tains.tohoku.ac.jp
毎日新聞のサイトに、お気楽な記事が出ている。
お年寄りや障害のある人にICタグを配り、あらかじめデータベースにしておく。外出時には胸にICタグを付けてもらい、センサー付きの信号機に近づくと、信号機を制御するコンピューターが、お年寄りや障害のある人であることを感知。青信号に切り替え、道路の向こう側の信号機センサーが渡り終わったことを感知するまでは、青のままにしておくことが可能だ。これで、横断の途中で信号が変わってしまい、事故に巻き込まれるような不幸なケースを減らすことができる。 (強調は引用者)
ありえない話だ。渋谷のハチ公前のような、たくさんの人が横断しつづける大きな交差点は、車からみれば「開かずの信号」になる。小さい交差点でしかやらない、というのでは意味がない。ちょっと具体的に想像してみれば、すぐに無理のあることがわかる。
ズッコケていたら、高木浩光氏がさらにいろいろなケースを想定して問題を指摘していた。いちいちもっともな指摘だ。
高木浩光@自宅の日記 - 夢を適当に語るだけで済む商売は楽でいいね:
RFIDタグをなんとかして「善」(っぽい)用途に使って見せようと必死な人が、 こういう浅はかな発想に溺れがちで、怖い。
新しい技術には夢と希望がいっぱいである。でも同じくらいの悪夢と絶望が潜んでもいる。
追記:
なんとなくすっきりしないので、もうすこし考えた。対象者にRFIDタグを持たせる方式でやろうとすると、「なりすまし」があったり、漏れがあったりして、ダメなんだ。信号の制御をやりたいのなら、信号のほうに能力を持たせるべきだ。信号器自体が車の様子や横断している人たちを見て、お年寄りだったら渡り切るまで待ってやるとか、あの婆ちゃんが横断歩道に来るまではクルマを通しておいて、来たら青にしようとか、判断するようにするのがいいんじゃないかな。
ていうと、「だから、信号に婆ちゃんを認識する能力を持たせるためにRFIDタグを持ってもらうんじゃねえか」という話になるだろうが、それは筋が違う。件の記事はRFIDタグを認識してるだけであって、婆ちゃんを認識してるんじゃない。信号機の認識能力の低さという技術的課題を、すべての婆ちゃんが、そして婆ちゃんだけが、RFIDタグを持っているとする、という状況という、よりコストの高い、社会的に無理のある方法によってクリアしたつもりになっているところが馬鹿げているのだ。信号に婆ちゃんを認識させたいのであれば、ありのままの婆ちゃんを認識させられるようにしなきゃダメだ。婆ちゃんを見よ!
ていうか、件の目的を達成するためには、横断歩道でノロノロしてる人を認識できればいいんだから、婆ちゃんかどうかも問題じゃないんだよな。ホンダのインテリジェント・ナイトビジョンシステムみたいので、なんとかならないのか。
【人間の身体を洗うために使わないでください】
「訴訟を回避したいがために、一般常識を無視して、商品にどういった注意書きが表示されているか」を明らかにするためのコンテスト
2位はキックボード,3位はデジタル体温計。警告されているってことは,それをやるやつがいるってことだw
これはきっと楽しいだろうな。準備ゼロというのもいい。
誰かつきあってくれる人があれば,ぜひやってみたい。何を読むかな。
1月3日からVarelaの"Principles of Biological Autonomy"を3日間連続でひたすら一日中(10時間くらい)読み続けるという勉強会を駒場でやった。エクストリームリーディングでは、事前準備はゼロ。その場で黙々と読み、数節ごとに議論をします。分からないことがあったらその場で互いに聞きます。
なんでこういう方式をとるかというと、
1.こういうエグイ本は、一冊読むのに100時間以上かかるため、強制的な環境をつくらないとなかなかちゃんと読む機会がない
2.本一冊の中で数十箇所ある重要ポイントのうち、一箇所大事なところの理解がはずれると、100時間の読書がまったくの誤解で終わることがあるので、むなしい。読書中に相互にチェックをしてこれを防ぐ。逆に重要でないところを飛ばすことも可能になる
3.短い単位で、節や章の意義をまとめるので、読み流しを防ぎ、論理構造を確認できる。
4.場所を分担してレジュメ発表すると、結局自分で読まないことがあったり、概念を誤解したまま多くのページを読み進めることが発生して無駄が多い。
5.レジュメ発表では見えない、他人の読書や読解の仕方が分かるのですごく勉強になる。すごい人の、思考の結果ではなくて、思考のプロセスが見えるから。
(ペアプログラミングじゃなくてペアリーディングみたいなものだね。さすがに一冊の本を二人で同時にみることはしないけど、もしかしたらお母さんが子供に読み聞かせるのはペアリーディングという最高の教育法なのかもしれない)。ちなみに、最適人数は5人程度だと思います。
を読む。
金出武雄『素人のように考え、玄人として実行する—問題解決のメタ技術 』PHP文庫,2004
これはeXtreme Readingを要しない。さくっと読める。
随所におもしろい挿話があるので楽しめる。p.155からのフォン・ノイマンのエピソード,p.160の論理学者,数学者,物理学者,技術者の笑い話,p.82の厳しい手を打たれた棋士が思わず「いたた」という話,なんかがあたしは好き。
ワワーッとひとりでしゃべって,話し終わると帰ってしまう人っているじゃないですか。頭いいなあとは思うけど。そういう感じ(笑)
↓こちらも参照されたし。
【レポート】アイデアをいかにかたちにするか - FIT2004・CMU金出教授講演 (1) 「Lunaticだ」と言われたアイビジョン (MYCOM PC WEB)
奈良の少女誘拐殺害事件は痛ましく凄まじい事件で,同年代の子どもを持つ親だからというだけでなく,なんともやりきれない思いがする。逮捕された容疑者に同様の前科があることが判明したことから,性犯罪者に関する情報の登録と告知を義務づける法律,いわゆるミーガン法を求める議論が起きている。
私はいまのところミーガン法に反対である。この制度は有効に機能しない,つまりミーガン法では子どもの安全は守れそうもない,と想像している。ミーガン法に反対だというと,性犯罪者の人権が子どもの安全よりも大事なのか,などという反応があるようだが,そのようなヒステリックな反応があること自体が,ミーガン法の有効性を疑わせる。恐怖のあまり,何もしないでいることの不安を解消するために,不用意な方策に手を出すのは,かえって危険ではないか。
下記のサイトに手際よく資料がまとめられているので参照されたい。ここにも書かれているが,ミーガン法が有効であるという資料をまとめたものがあれば,皮肉でもなんでもなく,見ておきたい。
ミーガン法のまとめ @ macska dot org:
http://macska.org/meg/index.html
卸町の組合仙台卸商センターが発行している「仙台卸商団地ニュース」の平成17年1月号(№426)に,表題で寄稿いたしました。ご笑覧ください。
●
卸町のツボを探して
本江正茂
昨秋,学生たちと一緒にオーストラリアのメルボルンを訪れました。メルボルン,フランスのモンペリエ,そして仙台の各都市で建築を学ぶ学生が集まって共同の課題に取り組む国際建築ワークショップのためです。ワークショップそのものもさることながら,現地での建築家や都市デザイナーたちとの意見交換がたいへん貴重な機会になります。堅調な経済に支えられているメルボルンですが,近郊には力を失いつつある町が少なくありません。そうした町へのまちづくりは,メルボルンの人々にとっても,非常に重要な仕事になっています。
ITmediaモバイル:「W21CA」搭載のOperaを「AH-K3001V」と比較する (1/3): 逆に、AH-K3001VでできてW21CAでできないのが、ファイルアップロードだ。MovableTypeなどのブログツールを更新したり、アルバムサイトに写真をアップロードしたりということは、W21CAではできない。
え,そうなの……
定額でフツーにwebが使える,そういうものがあたしは欲しい。
すでにあちこちで紹介されているが,日立ソフトがスマトラ沖地震の津波被害の衛星映像と被害の解析結果を公開している。
HitachiSoft:津波被害の衛星画像と解析結果を公開しています。
http://hitachisoft.jp/News/News295.html
かなり内陸の方まで低地に沿ってズァーッと波が突っ込んできたってことがよくわかる。
根こそぎ,ってのはこういうことか。
被害前の町の画像が,これがどれもなんともいえず美しく楽しい。津波のことはどっかにおいて,これは学校だの,モスクが軸を振ってんのはメッカに向いてるからにちがいないだの,このパティオはよさげだの言って,ひとしきりすっかり見とれてしまった。それから被害後の写真を見る。胸が詰まります。
もちろんまずは人の命。そしたらそれから少しずつ,場所を助けていかなくちゃならない。
幸いにして戦災も震災も知らないから,いきなり場所を失うって経験は私にはない。せいぜい,昔住んでた家のあたりが産業道路になっちゃって,すっかり様子が変わったってことぐらい。それだって行って見てみると,いいようのない切ない思いがする。
できるだけのことはしてやんなきゃしょうがないよ,これは。
下記のニュースリリースによれば,
InfoTrends、世界のカメラ付き携帯電話の消費動向を調査
InfoTrends/CAP Ventures(英文)
ニュースリリース(英文)
学生に,どっちがいいか聞かれる。まずはこの記事を読むべし。
アップル主力のノートマシンの実力を再チェック iBook G4(12inch/14inch)
記事にはないが,最大の違いはモノとしての「質感」である。
両者はカローラとアウディのように違う。
どっちも大人を4人乗せて時速百キロで走ることができるけれど,値段が倍も違う。
それは「質感」の値段である。
値段の違いは10万円ぐらい。3年使うとすると一日100円ぐらいの違いだ。
100円で得られる質的な満足には何があるだろうか。
とはいえ,
値段の違いは10万円ぐらい。豪華なデートが2,3回はできる。
10万円で得られる質的な満足には何があるだろうか。
高木浩光@自宅の日記 - 広島市曰く「警告は出ますがセキュリティ自体には問題ない」, 高知県情報企画課曰く「とくにおかしいと思わない」, 簡単な結論:
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20050111.html
インタビューはおかしいけど,笑えねえな。
広島市の件のサイト,Mac OS XのSafariだとこう。あっさりめ。
ちなみに仙台市の粗大ゴミは電話受付だけでした。で,この電話番号は信じてもいいのか?
Wired News - ゲームに熱中しすぎて現実との区別が曖昧に - : Hotwired:
車でベニス大通りを走っていたときのことだ」と夫のダンさんは振り返る。「突然、妻がハンドルに手を伸ばしてきて、一瞬だがハンドルを右に切ろうとした……。(それから)手を離して、じっと窓の外を見ていたかと思うと、呆然としたような顔で私を見てこう言ったんだ。『ごめんなさい。さっき通り過ぎた郵便受けを拾えたら、と思ったの』
『塊魂』やりすぎ(恐)
マーティンさんは、『Photoshop』(フォトショップ)を使ったプロジェクトに4日間没頭したときも、よく似たことが起こったと話す。 「プロジェクトが仕上がるころには、極度の寝不足でもうろうとしていて、目に見えるものを何でも修正したい、レイヤーをかけて加工したいという気持ちに駆られた」
これはわかる。
わたしは「ひとりごとタイピング」をついやってしまうことがある。ひとりごとをいうようなタイミングで,頭にうかんだフレーズをキーボードで打つ指の動きを,テーブルや膝の上でやってしまうのである。仮名漢字変換をして,確定のために右小指でreturnを叩くところまでやる。親指シフトでもできるぜ(杵柄)
Emecoの新作。デザインはゲーリー。
2.9kg。パイプもアルミ。揺れる。
座ってみたいなあ,これ。
【hhstyle.com】-「Superlight Chair」
孫イームズによるメイキングビデオも公開中。
を読む。地味だ(笑)
ヘンリー・ペトロスキー『本棚の歴史 』池田栄一訳,白水社,2004
本の歴史じゃなくて,本棚の歴史。中世にあっては,本は本棚に鎖でつながれていた,とか。人はモノとしての書物をいかに取り扱ってきたか,という問題。モノに即したナレッジマネジメント論(とかいうと軽薄にすぎるか。)
この人の本で翻訳されているのは大抵読んでいる。題材はどれも非常に興味深く,博覧強記調査綿密で感心しきり。ただ,文章はダルダルで読みにくいことこのうえない。本書は中でも最高に読みにくかった。
筆者は絵画資料などから往時の書斎の様子などを探っていくわけだが,ここで紹介されているデューラーの版画「ライオンを治療する聖ヒエロニムス」(1492)[p.123]と,同じ作家の「小部屋の聖ヒエロニムス」(1511)[p.124]とでは,まったく別人といってよいほど絵が違う。20年の歳月をへた個人的な技量向上はもちろんあろうが,それ以上に透視図法という新しいテクノロジーの威力と見てよいのではないか。
今年度の本江研究室の卒業研究の題目が出揃いました。
中身は鋭意仕上げ中です。乞うご期待。
2月7日,8日に学内での発表会。
2月17日からせんだいメディアテークで展示会を行います。
笠井太雅 | 染色壁——自己生成的な建築形態発生プロセスのデザイン—— |
木村宣仁 | グラフィティをどこに描くのか?——仙台市中心部におけるグラフィティの研究—— |
滝田真弓 | 移動商店街「はこぶね」——「待つ」商店街から「行く」商店街へ—— |
田代慎一 | ドコンパクトシティ——複合都市型中央卸売市場—— |
玉谷里佳 | モノの『ものがたり』を伝えるカタチ——ものづくりショートフィルムとそのパッケージング—— |
辻村一義 | fluctuation/彷徨変異としての住宅群—— |
中嶋貴美江 | 学生便覧のリデザイン——情報を再構築する—— |
松下有為 | ななめならず——五感で体験する商店街—— |
水野里美 | おろしまち時のしがらみ——卸町会館改修計画—— |
現状では、どの食料がイスラム教に沿った処理をされているか確定するのは不可能だ。緊急措置として、被災者は当分の間、生きるために何を食べても構わないことにした
こうした宗教令が発せられるということは,非イスラム圏からの援助物資は疑わしいので食べない,という人がたくさんいるということなのだろう。本気で「死んでも食わない」人たちがいるのだ。
しかし,本当にひもじければ,やはり食べてしまうこともあるのではないか。そして強烈な罪悪感に苛まれるだろう。これは,ひもじさ故の破戒という切実な罪に救いを与えるための措置なのだな。やがて事態が落ち着いた頃「あの時はしかたがなかった」とはいえ,やはり罪に苛まれることもあるだろう。そのフォローも必要になるだろう。イスラム教にもカトリックのような「懺悔」ってあるんだろうか。人に対してするのではないんだろうけど。
このニュースのことを考えていて,大岡昇平の『野火』のことを思い出した。人肉嗜食とハラルを一緒にするなんて,と叱られるかもしれないけれど,どうも「切実にひもじい状態」ってのを十分に想像できないでいるのだ。
『野火』の中に,ジャングルを彷徨して消耗しきった主人公が海にでて,海水をむさぼり飲むシーンがある。私も暑い時期のインドで都市の調査をしていて,連日Tシャツが真っ白になるほど汗をかいて,それでなんだかフラフラになってた。ひさしぶりに中華料理を食べたら猛烈にしょっぱくて,それが感動的においしくて,ああ俺に必要だったのは塩だったのだあ,と得心したことがある。その時にも『野火』のそのシーンのことを思い出していた。私の「飢餓」体験なんてそんな程度だ。
「豚を食べてもかまわない,生きろ!」という声は,ひもじい彼らに,どんな風に響くのだろうか。
「ハラル」については下記に。
キャンディ:全てのグミ商品と、’ハイチュウ’(森永)などのソフトキャンディー、’ヨーグレット’(明治)などの打上菓子には、ゼラチン(牛骨より抽出したもの)が入っているので注意が必要。次の商品には、ゼラチンが入っていない。
Sony Global - Sony Design:
http://www.sony.net/Fun/SonyDesign/2003/index.html
「キーボード・インターフェイスに変わる実現可能な未来」と銘打つSony Designのサイト。
Touch, Roll, Throw, Bend, Buildの五つを提案。
IFTF's Future Now: Move your body経由。
近い方向性の試みとしては,慶応の安村研による「家展」がもうすぐ。これ行きたいけど都合がつかない。こういうのは触らないとわからないから。「Push&Pull: 「眺める」と「使う」をなめらかに移行するインタフェースの提案」なんて触ってみたいなあ。
ところで,どうしてみんなキーボードを仮想敵にするんだろう ?
既出レポートの提出確認は「施設設計計画E」のページにて行ってください。
本日の講義の内容は,こちらと関連しています。
青森県ファシリティマネジメント研修会
卒業設計日本一決定戦:
http://prj.smt.city.sendai.jp/~gakuseikaigi/
好評登録受付中!
締切は2月4日(一応ね)
よくぞ,東京国際フォーラムだと見抜いた(笑)
深夜、テレビ画面に舞い降りた神の話(1):
http://www.geocities.jp/mochisachi/museum/15_hiroryuron/019_kami/page.html
はじめてのテレビ生中継からさらにもう一皮むけた,情報空間とリアルな場所との交合体験と呼ぶことができるだろうw
経由。を読む。絵本。こどもにせがまれて読みきかせる。
声に出して読むとよくわかるが,訳がほんとうにすばらしい。
文 メアリー・リン レイ,絵 バーバラ クーニー『満月をまって』掛川恭子訳,あすなろ書房,2000
山奥でかごをつくって暮らす人たちがいた。満月の日ごとに,父はかごを町へ売りにいく。満月の日なら帰りの夜道も明るいからだ。少年はいつもかごづくりを見ている。よいトネリコの木を選び,削いでリボンにし,丁寧にかごを編む様子を見ている。少しは手伝いもする。父と一緒に町へ行きたいが,なかなか連れていってもらえぬまま,満月をまつ日がつづく。
9歳になった少年は,はじめて町へ連れていってもらう。はじめての町は色彩に満ちており,心が躍る。しかし,町は少し腐った匂いもしていた。かごを売り,母から頼まれた買い物を終えて帰ろうとするふたりに,町の男が罵声を浴びせる。山奥での生活をあざけり,かごを侮辱する。まわりの男たちもわらっている。父はしらんぷりしろという。なかなか連れてきてくれなかったのはこのためだった。
少年は傷つき,かごづくりへのプライドを失う。母は気にするなというが,そうはいかない。いらだちが募り,少年は納屋に積み上げられていたかごを蹴り倒して崩してしまう。だが,かごは壊れなかった。そこへかごづくりの仲間が入ってきて言う。
「風からまなんだことばを、音にしてうたいあげる人がいる。詩をつくる人もいる。風はおれたちには、かごをつくることをおしえてくれたんだ」オークの葉が1まい,風にのって,納屋にとびこんできた。
「風はみている」ビッグ・ジョーはいった。「だれを信用できるか、ちゃんとしっているんだ」
それを聞いて,少年は,自分も「風がえらんでくれた人になりたい」と思う。
月の下,かごを編みながら,少年はついに風の声を聞く。
ぼくにはもうわかっていた。いつまでたってもつかえるかご。ぼくのつくるかごは、そういうかごだ。
風が、ぼくのなまえをよんでくれたんだ。
やだね、どうも
以前「すべてのケータイにGPSを搭載せよ」であつかった話。フォローしていなかったのだが,結果がまとめられていたのを見つけた。
「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」についての報告書案に対する意見募集の結果
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040629_1.html
技術論に終始し,誰も位置情報を取られうることを不快だと言っていないので驚いてしまった。
(3-2(2)利用者の意思確認の方法(pp. 34-36)) ○ 今回の事例として上っている内容は、主として発信者が明確な意図をもって、緊急連絡を行うことを前提としているものの、発信者の位置情報を第三者たる警察や消防署等に知られたくない場合は、あらかじめ184の番号通知を行うことにより回避できることを技術として導入することが大きな課題として取り上げられているように思われますが、果たして、本人が緊急時にそのような冷静な判断が可能なのでしょうか。 むしろ、幼少児童や支援者無しでは移動が困難な障害者や高齢者が、非常時に自己救済の手段として扱うことができるものであるべきではないかと思います。したがって、仮に発信者位置の明示を回避するシステムが導入されていたとしても緊急時には、本人の意図にかかわらず、必ず発信者位置を明確するシステムとして機能するようにするべきではないかと思います。
そうかなぁ……
林檎実験室に。
MSN-Mainichi INTERACTIVE 行政:
「街なかや都市の中心部に住みたい」と思う人は29.6%で、約7割が理由に「日常の買い物の利便性が良い」を挙げた。ただ東京都区部に限ると、都心部に住みたい人は54.9%と郊外派の40.2%を14.7ポイント上回り、定住志向が強い。
地方都市だと都心の魅力がないんで郊外のほうがマシだってことでもあるだろうな。東京だったら都心がいいってんだから。
仙台ならまだ都心は魅力がある気がするが,たとえば福島だとダメかも(そうでもない?)。東京だけじゃなくて,他の都市圏のデータも公開されると面白い。どこに分水嶺があるんだろうか。
内閣府のホームページにはまだ出ていないみたいだ(エントリー時現在)。
内閣府 新着情報
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産経はちょっと切り口が違う。
Sankei Web 社会 持ち家派やや減少57% 内閣府、住宅に関する世論調査で(01/22 21:48)
デトロイトで発表された日産のコンセプトカー。豪華で大きなSUV。
3列シートにあわせてドア6枚。電車か。
DrivingFuture - デトロイトショー2005 インフィニティM45&クラーザ:
http://www.drivingfuture.com/car/nissan/sp050120_01/index.html
Firefoxを光速に至らしめ、さらばIE | Text Ocean:
http://textocean.com/article/18/blitzfox-courtesy
user.jsを編集する。それなりに効果ある感じ。
バランスのとれた良さげな端末だと思う。
しかし,「premini」としてキープコンセプトとはいえないだろ。
ただ「軽くて小さい」だけじゃなくて,カメラもiアプリもイラネという「割り切り」の先に見えてくるものってのが「premini」のコンセプトだったんじゃねえの。俺のかいかぶりか?
NTTドコモ、カメラやQVGA液晶搭載のpremini-II発表 / デジタルARENA
Sony Ericsson : 製品紹介 : NTT DoCoMo premini-II
大丈夫なのか?
西友から約1年前に全館を管轄したいとの申し出があった際、組合員に大きな反対はなかった。今月末までに13店が閉店し、残る16店は西友と賃貸契約を結び直す。改装後、西友は県内の他店舗と同様、現在午後8時までの営業時間を、24時間か午前零時までとすることを検討している。
けっこう注目されたモデルだったのにとうとう破綻したのかあ。
普通のものを普通に売るだけなら,個人商店には勝ち目はない。これは西友だけど,「ジャスコ文明(c)三浦展」の版図拡大はまだまだ続きそうだ。
プロジェクトを遂行すること。
近刊『プロジェクトブック』から。
他の穴をふさいでます。
裏のスイッチ,すべってスライドしにくい。
ITmedia エンタープライズ:Movable Typeに脆弱性、回避プラグインを緊急リリース:
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0501/26/news020.html
先ほど標記問題に対策した。
Color Fields Color Finder:
http://www.krazydad.com/colorfields/
同じ色の写真を集める。説明無用。見よ。
緑なら植物ばかりかといえばさにあらず。
紫色のものだって,こんなにある。
flickrのような公開写真アーカイブの使い方としては非常におもしろい。
KrazyDadことJim Bumgardnerの作品。他のプロジェクトもいいぞ。
1910年に作られたアニメーションの先駆け。
動画も提供されています。すばらしい。
グリフィスやエイゼンシュタインよりも早く,こうした映像作品が作られていたのですなあ。
たけくまメモ: 「リトルニモ」QuickTime版完成しました
たけくまメモ: W・マッケイ(2)これが95年前のアニメだ!
ついでに,アメリカ国会図書館のAmerican Memory プロジェクトのひとつ,
Origins of American Animation, 1900-1921
授業で書かせた学生の小論文をウェブで公開したら,その内容について名誉毀損で教授と大学が提訴されたというお話。不用意に学生のレポートをウェブにのせてはいけないぞと。
「Mayerが学生時代に法学を専攻したこと、商法の教授という立場にあること、さらに問題となっている講義で名誉毀損を教えていることを考慮すると」、Mayerが公開に先立って論文を慎重に読み返さなかったのは間違いなく深刻な過失だ
企業の vanity search 担当のみなさまはご苦労なことです。ほんとに。
ちょっと論点はずれるけど,学内限定で授業の情報を公開するというのも安全策としてはアリなんだろうけど,せっかくならみんなに見てもらえるほうがいいと思うんですよねえ。見る人はそりゃ少ないですよ。でも本当に時々ではあるけど,学外からのポジティブなコンタクトもありますから。
学費を払っていない人に大学の講義情報を提供するのはケシカランという批判が出ることもあるようです。私は直接聞いたことはないですが。たぶん,ハンドアウトと友達のノートのコピーが手に入れば,授業を受けたのと同じだと考えるような,そういう学生生活を送られたんでしょうねえ。
時間を割いても出席する甲斐のある授業をやりたいと思ってはいるんですが……
西氏は「全寮制にして1日18時間、原則全員6年(修士課程)勉強してもらう」などの改革案を掲げ、「現在4倍を割る入試倍率を8倍にしたい。10年でビル・ゲイツを1人育てたい」と意気込む。
ふうん。
隣県ということもあって,会津大学は気になる大学ではあります。
対抗馬が現職のほかに石田晴久氏だというのがまた……
一貫性がないことにおいて一貫していた。
モダニズムからポストモダニズムまでの長い移行期をずっと前線に生き続けた。
2005年1月25日。享年98歳。
Architectural Record News | Philip Johnson Dies:
CNN.com - Celebrated architect Philip Johnson dies at 98 - Jan 26, 2005
「一体形便器で香り機能・音楽機能をあわせもつ便器としては業界初」だ!
で,どこにスピーカーがあるのかというと……
TOTO、MP3再生に対応した便器を発売:
音楽は、壁掛け型のユニット、サウンドリモコンから再生される。SDカードスロットを備えており、(中略)フォーマットは通常のMP3のため、ユーザーが任意のファイルをSDカードに記録・再生することもできる。なお、サウンドリモコンはステレオスピーカーも内蔵しているほか、便座の操作パネルとしても利用できる。
SDカードにはプリセットされた曲が入っているが,これが豪華。なにしろ,
クラシックの曲は全て生演奏を録音しました。
ウォシュレットのリモコン操作方法を音声でご案内しますので、初めての方にも安心してウォシュレットをお使いいただけます。
SDメモリーカードに薄型のUSB端子を内蔵する。USB端子はSDメモリーカードの端子の反対側に内蔵されており、カバーを跳ね上げることでUSB端子をUSBポートに挿入できる
これはまた強烈なギミックで,非常に好ましい感じだ。
これさえあればカードリーダーなしでもTOTOのMP3便器にMacのiTunesからデータをガバッともっていけるし。
USBフラッシュメモリってのは,「ナマで直結」によって,電波経由とは違う意味で「ワイヤレス」を実現してる。iPod shuffleもナマで直なところが今までのiPodとは全然違う。「クレードル」なんてのはナマ直じゃありませんから。ICレコーダもナマ直できるのを使ってるが,ケーブルが必要なモデルが存在してることが信じられないくらい「こうでなくちゃ」と感じる。
ケータイとデジカメには,なぜナマ直なものがないんだろうか。SDカードに入るんだから,もう何にでもUSBのオス端子付けられるだろ。
DESIGN IT!:
http://www.designit.jp/
(株)ソシオメディア主催の情報デザイン系の大きな会議。2/28, 3/1, 2に東京青山のTEPIAなどで開催。
川崎和男,須永剛司,黒須正明,『ウェブログ・ハンドブック』のレベッカ・ブラッドなどが講演。
を読む。
ヒューバート・ドレイファスの『インターネットについて』の第4章で参照されていたので,読んでみのだが実に面白かった。キルケゴールってのは結婚できなかった婚約者のことをグズグズ思い悩み続けた軟弱な青白い哲学者だという偏見(それがいつどのように形成されたのかわからない)があったのだが,すっかりイメージが変わった。戦う実存主義者なのであった。
キルケゴール『死にいたる病・現代の批判』桝田啓三郎訳,中公クラシックスW31,中央公論新社,2003
以下はおおむねドレイファスの第4章の展開にそって,私の関心のあるところを増補しつつ書いてみたものだ。
キルケゴールは1846年にデンマークの「現代」社会を批判する「現代の批判」という論文を発表した。キルケゴールによれば,彼の時代は「無関心な反省と,身分と価値のあらゆる差異を水平化する好奇心」いわば「傍観的な反省」によって「すべての質的な区別を水平化」してしまう。あらゆるものは同等であり,そのために命を賭するような重要な意味を持つものは何もない(p.98,ドレイファス)。「束の間の感動に沸き立っても,やがて抜け目なく無感動の状態におさまってしまう」のだ(p.259,キルケゴール)。
を読む。
早坂隆『世界反米ジョーク集 』中公新書ラクレ,No. 164, 2004
シャレのめすというスタンスは悪くないが,すごく単純にブッシュがバカだというのが多かった。もちっとひねったらどうなんだってのも少なくない。
僕が好きなのは「各学会の結論」(p.88)と「あるアンケートの失敗」(p.27)だな。
今度会ったときに話します。