を読む。
三砂ちづる『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す 』光文社新書,No.166,2004
女性を解放するはずのいろいろなことが,実は女性を閉じ込めているのではないか,女性の身体性をとりもどして幸せになろう,という話。僕は男で,月経やセックスや出産のときの体感がいまいちピンと来ないけれども,共感できるところは多々あった。
たとえば,排卵が起きたことを自分で体感できれば,いつ妊娠するかはわかる。(私には驚くべきことなのかどうかもよくわからないのだが)それがわかる女性も少なくないのだという。
「避妊」ということを考えるとき,私たちの頭には「コンドーム」「ピル」など,外部から何かを使って避妊をする,いわゆる近代避妊法しか思い浮かばなくなっています。「オギノ式」という,基礎体温を付けることによって排卵を知る方法をありますが,これも「体温を測る」というからだの外からの測定方法に頼っています。[p.43]
われわれは自らの身体を,オブジェクトとして外部から操作しようとする。医療なんかその典型だけど,避妊もそうだ。人間と環境のセッティングの問題だと思う。