を読む。
松岡正剛監修,宮之原立久,山田仁,伊東雄三,倉田慎一,立岡茂,丸山玄『直伝!プランニング編集術 』東洋経済出版社,2003
松岡正剛が主宰する「ISIS編集学校」での教育プログラムをまとめたもの。類書との違いは独特の言葉づかい。「要素・機能・属性」「らしさ」「言い替え」「見立て」「発想習慣病」「ルル3条」「よもがせわほり」「モダリティ」「編集思考素」などなど。
序文だけ松岡正剛が書いているのだが,世に山とある企画術やプランニングの本がなぜ役に立たないかを書いている。「理由は簡単,多くがあまりに広告代理店的で,そこそこ商売が成り立っている大手プロダクションふうの用途様式になってばかりいるということです。(p.12)」こうしたところでは,営業力を総動員して仕事をとり,アウトソースをいっぱい使ってプレゼンをするわけで,「企画術の川上と川下ばかりがやたらに濃くて,いったいぜんたい「ぴったり企画のところ」とはどこなのか,どうもそこが曖昧になっているのです。(p.12)」そういう意味なら,本書は真ん中のところをちゃんと書いてある。テイストはずいぶん違うけど『考具』にも近いかな。
文脈にあわせて,「編集エクササイズ」と称する練習問題が頻繁にはさみこまれているので,それぞれ考えながら読む。どれもよくできた問題だと思った。今考えていることをよりよく理解してもらうための練習問題を考える,というのは非常に難しい。大学では課題を出す側になってしまったが,いつも課題を出すという課題を科せられているのである。