仙台の卸町流通団地,そこの卸商センターの地下,以前は食堂街だったのがつぶれて放置されていた空間を全面的に改修して,音楽練習スタジオが作られた。私もその準備段階では少々口を出したりした。そのMOXがオープンするというイベントに行ってきた。
MOX:::Music Box in OROSHIMACHI
運営はセンターの直営で,そう簡単に儲かりはしないだろうが,こうした事業によって,卸町の知名度とイメージを高め,街が変わろうとしていることをアピールしたいということなのだ。
「箱物行政」という言葉があるが,それは何もお役所だけのものではなくて,どんな民間団体にも起こりうる。子供部屋を与えれて事足れりとしたりすれば,それこそ家庭でも箱物問題は起こりうる。卸町のMOXがそういう「箱物」に終わるかどうかは,これからの運営にかかっている。
今回のオープニングパーティーは,その運営が問われる最初の舞台なのだった。
組合事務局の面々が自ら揃いの赤いTシャツを着込んでサービスし,理事長はじめ役員もエプロン姿でギャルソンをやっていた。屋外のステージでのライブや照明の演出などにも随所に工夫があり,型通りの開業記念式典には終わらせないぞ,という気概に満ちていたと思う。
「箱物」が現れることが,わかりやすい形で人々の気持ちをもり立て,何事かが起こりそうだという共感を起こしていくということもある。まずはそのような期待を十分に感じながら,MOXはスタートできたのではないか。