西山浩平さんのネタの続き。
西山浩平さんのトークライブの中で,OZONEの萩原修さんから質問があった。仙台デザインウォークの参加店をめぐってみたが,東京と同じだと感じた。はたして仙台ならではの椅子ってものがありうるのか,ということだった。この質問は西山さんから会場にフリ戻された。他の来場者からは,大都市の生活はどこも大差ないのだから仙台にしかない椅子というのはないのではないか,という回答があった。
西山さんの答えはこんなふうだった。
都市の生活が大差ないのは本当で,そういうものを都市と呼ぶのだといってもいい。東京も仙台もロンドンも大差ない。そりゃ同じ椅子をつかっているであろう。しかし,何を大切だと思い,何に敏感になるのか,といった感覚や,生活に対する考え方は,都市によってかなり違いがあるのではないか。つまり,仙台にいるからこそ他よりも敏感になっていること,先に気がついてしまうこと,無視できなくなってしまっていること,があるのではないか。
「仙台ならではの椅子」というのは,決して「仙台にしかない椅子」「仙台でしか使えない椅子」のことではない。そういうものはないと思われるし,あったとしても他で使えないのならあまり意味がない。むしろ,仙台だからこそ発案することのできた椅子,仙台オリジネイテッド(〜に起源をもつ)な椅子,というものがありうるのではないか。そういうものを探すことができたらよいなぁ,というようなことであった。
この「仙台」も「椅子」も他の言葉と置換できるだろう。