を読む。私はこういうノウハウ本が結構好きなのだ。
ポール・R・シーリィ『あなたもいままでの10倍速く本が読める 』神田昌典監訳, フォレスト社, 2001
『考具』で紹介されていたフォトリーディングの本である。
原題は"The PhotoReading Whole Mind System"とあって,フォトリーディングだけを取り上げるのは,妥当ではない。準備して,プレビューして,フォトリーディングして,(脳でねかせて,)アクティベーションして,高速リーディングする。これで一式だ。
最も重要なのは読書のパラダイムを変える,という点である。「一字一句ていねいに読む」ような小学生的読書をやめ,明瞭な目的意識をもって,本から情報を取り出すのだ,
そんな風にしか読んでもらえないのは,書き手としては少々寂しいけどな。
フォトリーディングは想像以上に過激だ。立体視の平行法の状態,つまり「遠目」の状態で見開きを一秒で見ていく。普通の意味では,文字は全然読まないのである。ただし,呼吸を整えて,肯定的な暗示をし,集中力を高めて一気に見ていく。これで,意識的には何も分からないようであっても,脳の中には納まるというのである。
えーそんなの無理だろ,意味あるのかよと思わないではないけれども,いけそうな気もするので,しばらく試してみることにしたい。『禁煙セラピー—読むだけで絶対やめられる 』を読んで,本当にそれだけでタバコをやめた私であるし(笑),自分にとって都合のいいことは鵜呑みにしてやってみるのだ。
フォトリーディングは,美崎薫さんの「記憶する住宅」におけるスライドショウによる記憶の広がりとつながるものがあるかもしれない。しばらく試して,手応えというか目応えがあったら,美崎さんにも知らせてみよう。