« 2004年09月 | メイン | 2004年11月 »
10月20日〜24日,仙台卸町音楽工房MOXにて,「卸町まちづくりプロジェクト展」が開催されます。
あわせて時空間ポエマーも利用した「バーチャル卸町フォトマップ」を制作します。
詳細は,卸商センターホームページより,「卸町まちづくりプロジェクト展」のページをご覧ください。
会場係,取材チーム等のボランティア・スタッフを募集しています。関心のある方は,本江までご連絡ください。
motoe@myu.ac.jp
今日はスケジュール等の説明だけ。
ハンドアウトはこちら。
来週10.11は体育の日のため休講。
10.18は「データの表象」です。
浅草の老舗ラブホテル「サンフラワー」と,ギャラリーでのインスタレーションと,Webとの三者で編み上げられる空想のラブホテル。ドイツのアーティスト,シュテフィ・ユングリングの作品。性行為に用途を特化しながら売春宿ではない「ラブホテル」というビルディングタイプは日本特有のものであるらしい。
ギャラリーでの展示は終わったが,オンラインでroom4love projectはまだ見られる。もちろん,浅草ホテルサンフラワーは今もある。
それぞれの部屋のパノラマ映像が圧巻。また,各部屋には,
ロラン・バルトの『恋愛のディスクール』からの引用を冠したテキストが添えられている。
バルトを引いていることからもわかるように,これは記号論的なプロジェクトであるだろう。ラブホテル,それもサンフラワーのような演出たっぷりのそれは,野卑であったり洗練されていたりの差はあるが,恋愛の記号過程の展開を環境のデザインを通じて推進しようとするものである。ユングリングの仕事は,まずはその記号過程の愛おしい部分をおもしろい形ですくいとって提示している。
サンフラワーのホームページに記された秘密の入り口の紹介や盗撮カメラは絶対ありませんという話に見られる「身も蓋もなさ」もまた,ラブホテル的な恋愛の記号過程の様式にかなうものであるなあと思う。
jirei2004_01.pdf
来週10.11は休講。次回は10.18。ライブラリ。
ATM拠点新設は「牛丼」に学べ りそなが吉野家と提携 - asahi.com : 経済
吉野家は駅前や繁華街に多くの出店実績があり、不動産情報も豊富に持っていることから、りそなは不動産情報の収集や無人ATM拠点の新規設置案の企画を委託し、委託料を払う。
りそなは,これまで自分で設置場所を企画してきたが,稼働率の低いところがめだってた。そこで,吉野家の立地戦略ですよ。
立地戦略データベースを持った企業としては,マクドナルドが有名。
それにしても,事業内容をチェックして融資可否の判断をおこなうべき銀行が,自分の店の立地も満足に決められないってのはどうなのよ。人に頼んだほうが安いってのもわかるけど。
15分考えて3分発表する。マインドマップ。
ソフトウェアのアジャイル開発手法のひとつ,スクラムのワークショップ体験記。結果,スクラムマスター(スクラムにおけるプロジェクトマネージャ)を授与された筆者ら自身のとまどいもふくめて率直な感想が書かれている。具体的なプログラムがタイムテーブルなどでもうすこし詳しくわかるといいのだけれど,それが商品そのものだからしょうがないか。
最初に,オーバーブッキングした参加者が部屋に入り切るようにしつらえを変更することから始まるエピソードや,「プロジェクトが遅延したときの葛藤(かっとう)を表現してください」といったボディーワークの課題など,空間と身体の作法に関わる要素が多く見られる点が興味ぶかい。
スクラムは「ソフトウェア開発手法」だが,「ソフトウェア」に注目してしまうと他のものを作っている人には関係ないように見えるかもしれないが,アクセントが置かれるべきは「開発手法」であって,その成果はすべてのデザイン行為に適応できる話なのだ。
NIKKEI NET:企業 ニュース:ノート型パソコンを1分で充電・蓄電器メーカーがシステム
CEATECネタがあちこちで紹介されているが,これもその一つ。
リチウム電池ではなく,瞬間的に電気を貯えられるキャパシタを使う。試作機では1分間の充電で,1時間20分,ノートPCを駆動させられるという。当初のコストはリチウム電池の3倍とか。
あっという間に充電できるなると,いろいろなものの使い方が変わりそうだ。カフェなどでは必須のサービスとなろう。
追記:こっちは写真入り。でかっ。
ITmediaニュース:充電1分でVAIO Uなら80分動く キャパシタが見えてきた
紙に印刷された書籍の内容をググれるようにするサービス。
出版社が本を提供し,Googleがスキャンして内容をデータベースに登録する。登録は無料。ユーザが読めるの一部だけなので権利は守られる,とある。
さしあたり英語のみ。他の言語もいずれ,とだけ。
3. Can I send non-English books?
No – we're currently only accepting titles in English. We hope to expand our program to include additional languages in the future.
日本の出版社もいまのうちにスタンバイして,すかさず対応してもらいたい。
スーパーユーザーの減少に見るキャンパス環境の変化 - CNET Japan
ネットワークのホストにログインしてコンピュータを使う時代ではなくなった。なんでも手元のノートパソコンでやる。これがインターネットと直結されている。
SFCの卒業生で慶應義塾大学環境情報学部の専任講師を務める南政樹氏はこのコンピューティング・スタイルの変化とSFCでの学生像について「スーパーユーザーが減少している」と表現した。「スーパーユーザーというのは、コンピュータやネットワークのサービスを提供することができる人のことで、ユーザーながら専門的な知識があり提供されているサービスに対する責任感を持った人たちのこと。UNIXベースのデジタルキャンパス環境において、そのコンピュータやネットワークが共有物であると考えて、構築にもサービス提供にも参加するというユーザー像だ」(南氏)
1994年ごろ,本江も,わけがわからないままに,イエローケーブルを引きまわして,SonyのNEWSというワークステーションのrootをまかされていた。完全な初心者が管理するマシンで,10数名の教官と50名ほどの学生のメールサーバを運用していたのだった。思えば牧歌的な時代であったが,積極的にネットワークを使おうとすれば,否応なくスーパーユーザーでなくてはならなかったのだ。おもわず遠い眼になるが,たった10年前じゃん。
「ネットワーク上でのクリエイティビティやキャンパスネットワークを通じた一体感をも支えていたスーパーユーザーの姿があったが、このスーパーユーザーが減ってきているのがSFCの現状だ」と南氏は言う。
「一方で性能が上がってきたノートパソコンを全員が持ち歩いているというパーソナルコンピューティングが進んだキャンパス内での状況は、コンピュータを管理しているという点においては全員がスーパーユーザーだ、という見方もある。しかし以前のスーパーユーザーのように、他のユーザーと共有のネットワーク環境を構築したりサービスを提供したりする、といった振る舞いはしない。このためネットワークそのもののレイヤーにおける知識やノウハウの共有やそこから生まれる創発は起きにくくなっているのではないか」(南氏)
とても重要な指摘だと思う。
技術があたりまえのものになるにつれて,その管理運営は専門化し,一般利用者からはブラックボックスになっていくのは,ある意味当然のことだ。
だが,上水道の供給システムや自動車のエンジンとは違って,コンピュータのネットワーク技術は,何ができるかまだ誰にもよくわかっていない。ポテンシャルはまだまだ非常に高いにもかかわらず,現状程度の内容で「これぐらいで十分だ」とブラックボックス化してしまうのは,もったいないことだ。
スーパーユーザーは,あくまで実際のユーザーであることが味噌だ。スーパーユーザーはコンピュータが使われる現場にいて,現場の様々な要請をシステムにフィードバックする回路となる。その回路が細ってきているというのは由々しきことだ。
これまでのスーパーユーザー像を育てていく必要がある一方で、それでは今後のキャンパスネットワークのサービスとして何が提供できるのか、知識の共有や創発などの付加価値をどのように作り出せるのか。展望について次回ご紹介したい。
期待してますよー。
2ミリ芯のシャープペン
普通の芯ホルダーと違って芯が落ちたりしない。
ノック式で,動作は完全にシャープペン式。
芯は一本しか入らない。消しゴムはない。キャップには芯研ぎ機能はない。
キャップに大きく「2.0」と書いてある。
Motoe Lab, MYU: leadholderでふれたカランダッシュよりはかなり重い。
総務省発表。
中心市街地の活性化に関する行政評価・監視結果に基づく勧告
以上のように、調査した121市町の中心市街地における人口、事業 所数、年間商品販売額等の統計指標の動向等から判断すると、中心 市街地の活性化が図られていると認められる市町は少ない状況とな っている。
みごとといってよい空振り。
メルボルン国際建築ワークショップ,参加者が確定し,東北大学にて本日初回のミーティング。
昨年は一名の参加にとどまった宮城大学生も,今年は8名が参加。結果合計人数はかなり多くなり,期日超過後に申し込みのあった数名は断らざるをえなかった。たぶん来年もあるので,ぜひ参加してください。
今日は初回ということで,課題のおさらい,エスキス日程の確定,ファーストスケッチの発表と講評など。
ファーストスケッチは,たぶんに一発芸的なものが多く,おもしろくもあるが,その先には必ずしも道はないような気もした。なにより気になったのは,人に注目する視点がなかったことだ。構築物を建造し,環境を強引にねじまげれば,もちろん行動は変化するに決まっている。だが,それが受け入れられるかどうかは全然別の話だ。
を読む。
松谷明彦『「人口減少経済」の新しい公式—「縮む世界」の発想とシステム 』日本経済新聞社,2004
著者は元大蔵官僚で,現在は政策研究大学院大学教授。
この30年ほどの間に,団塊の世代がどっといなくなることで,日本の人口が急激に減少することは受け入れざるをえない事実である。超長期的には少子化のほうが深刻かもしれないが,30年から50年のレベルでは,急激な高齢化とその直後におきる人口急減が問題である。
これを悲観するばかりでなく,経済規模の割には貧しい国民生活という問題を解消する好機と,ポジティブに,かなり楽観的に,考えるのが本書の立場だ。
「日本は「極大値」に達したのである。極大値後の世界においては,経済も社会も巨大な構造変化を強いられる(p.23)」と松谷はいう。そりゃそうだろうと思うが,改めて見せつけられると,かなり厳しい変化である。俺たちは本当にこの転換を受け入れて違う国になれるのだろうか,と心配になってしまった。私は今38歳なのだが,まさにちょうど,この大波を乗り切らねばならない世代にあたる。「第2図 主要先進国の年齢階級別人口構造(p.5)」の日本を見ると,フタコブラクダの人口のまさに谷間じゃん。荷が重いよママン。
熱狂的な省力化への投資,が日本の経済の特徴だという。だが,過剰な省力化投資はかえって資本の限界生産力低下をもたらし,成長率を低下させる。資本装備率の上昇につれて生産コストは直線的に上昇するが,生産量は徐々にその拡大幅が減少し頭打ちになっていく。資本装備率を二倍にしても生産量は二倍にならないのだ。だから,本当は,付加価値が最大化される時点で,省力化投資を打ち切り,そして生産を打ち切らねばならない。(p.69)
「鉄鋼,窯業,化学,重電・重機械産業,建設業など,日本の名だたる大企業は,その大部分が投資財産業である(p.76)」ことが,「投資主導の経済」という性格を強めることになっている。マッチポンプだってことだ。今日より明日のために投資して,さらに投資する。わかってないのかもしれないし,わかったとしてもやめられない。
ひたすら売り上げの拡大だけを経営目標としてきた俺たちに,効率が一番いいところであとは止めて,そこそこで生産を打ち切り,適切な賃金水準を維持する,なんてことができるんだろうか(p.73)。そんな投資主導の経済から,消費主導の経済へ変わるなんてことがおこりうるのか?
松谷は,そうなるしかないという。なぜなら,「人口の高齢化による国民貯蓄率の低下によって,必然的に投資に上限が画されるからである。それ以上の投資をしようにも,そのための資源が国内にはない(p.80)」からだ。
この,貯蓄余力の低下が,われわれ投資財産業たる建設業界にディープなインパクトをもたらす。結論を先にいえば,公共投資は半減される。
設備投資,公共投資,住宅投資および純輸出の合計である「総投資」が急速に減少する(p.142)。これまでは貯蓄余力の面から投資が制限されることはなかったのだが,もうそうはいかない。投資できる資源には上限が画されるのである。公共投資と設備投資はパイを奪い合う。これを「クラウディング・アウト」というのだそうだが,公共投資が増加すると,その分,設備投資が減る。設備投資は生産力を向上させるが,公共投資は基本的には生産力とは無関係だから,公共投資を増やしすぎて,設備投資が十分になされないことになれば,日本経済全体が縮小することになる。社会資本にだって生産力効果もないことはないけれども,現在の日本ほどのレベルであればそれもさほどではない。
そこで,公共事業の規模限度はいかほどか,という話になる。松谷は「公共事業許容量」を推定する。結論は「今後の30年間で公共事業を現在の約半分の水準にまで縮小しなければ」実質国民所得を維持できない,である。
さらに,既存の社会資本の維持・更新の費用がふくらんでくる。90年代では,全公共事業費の35%が更新・維持費である。これが,2010年には公共事業許容量の57.2%,2020年には90.7%になり,2023年には更新・維持費が公共事業許容量を上回るという。つまり,新規投資はできなくなり,既存の社会資本も維持できなくなるのである。(p.148)
公共事業にあたっては「既存社会資本への厳格な再点検(p.150)」と「人口の減少と高齢化を見据えた長期計画(p.152)」が必要である。それは国にはできない。地方自治体にファシリティマネジメントの思想がどうしても必要な理由がここにある。
公共投資の話のほかにも,低賃金単純労働力として外国人労働者に頼るのは,国債と同じで後世代に負担を強いることになること,人口減少と高齢化のインパクトは大都市圏にこそ激烈に作用すること,都市部と地方との格差はむしろ縮小すること,現金を支給する年金制度にはどうしたって無理があるので公共賃貸住宅やリバースモーゲージなど社会的ストックを供給することで高齢者の生活を支えるべきであること,どうせ返せないんだから国債は永久公債にすりゃいいんだってこと,スペシャリティ別の雇用体系下では上昇志向の人々と「働かない自由」を謳歌する人々が分かれていくであろうこと,などなど,へえーと思う話がいっぱい出てくる。
これはマクロ経済の話だから,具体的にどう行動すればいいかは各々考えよ,ってことになるわけだが,精度はともかくとして,なにするにしてもこのくらいのことは念頭においておかないといかんだろうなぁと思った。1900円だし,読むべし。
を読む。
小倉利丸編『路上に自由を—監視カメラ徹底批判 』インパクト出版会,2003
監視カメラを批判する議論を編んでいる。いずれも,監視カメラへのほとんど生理的な不快感から議論がスタートしているために,監視カメラの何が悪いのか全然ピンと来てない人には話がまるで伝わらないのではないかと感じた。あえて悪く言えば,煽り調の文章が多いから,引く人はますます引くんじゃないだろうか。
具体的なエピソードは豊富である。国会の請願窓口をおとずれる人を全部監視カメラで録画しているというのは知らなかった。
国交省情報企画課の担当者は九・一一以降,日本国内の空港で登場者の氏名の確認や荷物検査を厳しくしているが,「それもあまり効率的とはいえない」と言った。
「要するに,例えばですが三菱商事の社長さんとか,朝日新聞の記者さんとか,身元のはっきり分かっている人を厳重にチェックしても仕方ないですよね。そういう人には検査は迷惑だし,先を急いでいるかもしれないから早く通ってもらって,イラクとか北朝鮮の人を厳しく調べた方が有益ですよね。」(p.72)
なんという開けっぴろげの差別発言であろうか。まさしく「セキュリティの効率化とは,現にある偏見と格差をますます広げていく(p.72)」のだ。
問題は想像力である。次にこうやって差別されるのは私かもしれない,と想像することができるだろうか。
われわれの行うべきは,「プライバシー」「自由」といったような,「安全」以外の価値観を対置することによって監視カメラの存在を批判することでは必ずしもない。むしろ監視カメラは必ずしも「安全」を守ってくれはしないし,あなたの考えているような,監視の対象となる「悪いこと」の境界線はあなたが知らないうちに移動させられることがありますよ,あなたも知らないうちに「危険人物」の方に入れられていることがありますよ,という事実を指摘していくことではないか。人々はこういうことを知って初めて,実は自分にも守るべき「プライバシー」があった,行使すべき「自由」があった,ということに気づくであろう。(p.124)
の告知。
なかなかに興味深い企画。オレも行きたいなー。
主催の岩嵜さんは,CET04のワークショップでご一緒しました。
===============================
「地図Night」Presented by ULSE
■ことの発端
ULSE(http://ld.minken.net/)メンバーである岩嵜がたまたま美術館の都市散
歩の企画を担当することになり、ULSEと共通の問題意識のもと地図をテーマとし
たワークショップを企画したところ、思いの他地図好きな人にたくさん参加して
もらいました。
それもいわゆるマニアな人たちではなく、ライトな、でも自分なりの地図に対す
る思い入れを持った人たちだったのです。ULSEプロジェクトも、たまたま集まっ
た5人の地図好きがその思いを昇華させたものだったりするのですが、今回改め
て地図好きの層の厚さを感じたわけです。
というわけで、意外と多そうなそんな地図好きな人たちが一同に集まって、普段
は周囲の人たちになかなか切り出せない(?)地図の話で盛り上がれれば楽しい
んじゃないか、という軽い気持ちで今回の「地図Night」を企画しました。
まあ、別に地図の話だけしなきゃならないことはないんですが、せっかくの機会
なので地図を核にしたインスピレーション溢れる会にしたいなーと考えています
。
■日時
10月16日(土)
19:30〜終電くらいまで(?)
■場所
foo
〒106-0044 東京都港区東麻布2-28-6
http://foo-azabu.jp/
地図→http://foo-azabu.jp/archives/000008.html
■もちもの
飲み物/食べ物
基本的に持ち寄りパーティみたいな感じにします。
自分が食べたいもの、飲みたいものを自分の分より少し多めに
持ってきてもらえるとうれしいですね。
地図 <重要>
自分が好きな地図を持ってきてください
好きな地図だったら何でもOK。道路地図でもいいし、白地図だっていいし
航空写真とかでもいいですよ。GPSとかの地図器具も歓迎です。
別に東京の地図じゃなくったっていいです。フランスの地図でも
ニカラグアの地図でもどこの地図だってOKです。
当日はネットにつながったPCが用意される予定なので、
ネット上にあるものでもいいですよ。
■連絡先
不明な点等ありましたら、下記までご連絡ください
Urban Landscape Search Engine (ULSE)
LDWS03-WG-REDESIGN@yahoogroups.jp
岩嵜博論(いわさきひろのり)
===============================
インテリジェント・ナイトビジョンシステムは、夜間走行時に見えにくい前方の歩行者に対するドライバーの認知を支援します。インパネ上部のヘッドアップディスプレイに遠赤外線カメラの映像を映し、車両進路上の歩行者や横断中の歩行者を検知した場合に、喚起音と強調枠表示でドライバーに伝えます。
今秋発売のホンダのレジェンドにオプションで搭載される。ディスプレイは夜間だけメーター上部にポップアップされる。
これはよさそうだ。雨の夜なんか,本当に見えないからね。もちろんこれで安心して飛ばせる,などと考えてはならない。値段はまだわからない。
他にもHiDSやSH-AWDなどもあって,新型レジェンドはハイテク満載。ホンダは,道路のインフラに依存しないで,自動車自体で自律的に機能を向上させようとしている。だが,こうしたアシスト機能はあくまでドライバーの意志を尊重して行われるようにとの配慮もあり,決して無人自動運転を指向するものでもない。技術開発のコンセプトが鮮明でイイ!
が,スタイリングは魅力に乏しいと思う。
けっこう高いんだなー。
Honda|レジェンド|価格帯
を読む。といっても「第一部 物語と時間性の循環」だけ。特に「第三章 時間と物語 三重のミメーシス」に集中。
ポール・リクール『時間と物語〈1〉物語と時間性の循環/歴史と物語 』新装版,久米博訳,新曜社,2004
全三巻の大部と知り,いったんは萎えていたリクールだが,書店で新装版を見かけ,私が読むべきは第一部のみとわかったので着手。
荒っぽい読みだが,
さて,リクールの「解釈学」は,「テクストの記号論」と対立するものとして語られている。
テクストの記号論は「テクストの前過程や後続過程を顧慮せずに,文学作品の内的法則だけを考察することができる,とする」ものであり,「唯一の操作的概念は,文学テクストの操作的概念だけ」であるという。この時,テクストは閉じた静的な構造として了解されている (p101) 。
こうしたスタンスをもった「テクストの記号論」に対し,リクールの「解釈学」は,中心的な過程の前と後にある過程を加え,三つの段階,すなわちミメーシスI,ミメーシスII,ミメーシスIIIを導入する。テクストの記号論が扱うのは,ミメーシスIIだけだという。
FM1のおさらい
FM2_2004_02.pdf
建築と記号
keikaku2004_02.pdf
KDDI au: au design project > talby
いよいよ出ますね。
33万画素。QVGA。
画面や音もかなりつくってあるみたい。
メニューのアイコンとか。
追記
au、フラットデザインに高機能を搭載した「talby」
中身は鳥取三洋で,CDMA2000 1x。
鳥取三洋,ソフトがなー。
を読む。
ジョージ・マイアソン『ハイデガーとハバーマスと携帯電話 』武田ちあき訳,岩波書店,2004
こんなタイトルの本があるのかあ!とまずおどろいて手にとった。
ハードカバーだが,とても小さな本である。
内容は図式的といってよいほどクリアである。モバイル化はコミュニケーションを再定義しようとするが,それは二人の哲学者,ハイデガーとハバーマスが考えてきたコミュニケーションとはかけ離れたものであるという主張である。
解説で大沢真幸が整理しているとおり,マイアソンの議論は,ハバーマスの行為の二類型,すなわち「コミュニケーション的行為」と「戦略的行為」の二者の対比にもとづいている。
大沢によるマイアソンの議論の整理を一覧表にすれば次のとおりである。[pp.107-108]
若手芸人の一発ギャクから火が噴いた“資生堂事件”の舞台裏 - livedoor ニュース
波田陽区が資生堂がスポンサーの番組をからかうネタをやり,キレた資生堂がスポンサーを降りると言い出した,というお話。
波田陽区のネタは他愛もないもののようだし,資生堂も大人げないなあと思う。
今回はたまたま顕在化しただけであって,スポンサーによって成立しているメディアの空間には,常にこのような力関係が潜在しており,そこでのすべての言説は無言のうちに統制されていることを承知しておく必要がある。メディアリテラシーってやつだな。
を読む。
三砂ちづる『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す 』光文社新書,No.166,2004
女性を解放するはずのいろいろなことが,実は女性を閉じ込めているのではないか,女性の身体性をとりもどして幸せになろう,という話。僕は男で,月経やセックスや出産のときの体感がいまいちピンと来ないけれども,共感できるところは多々あった。
たとえば,排卵が起きたことを自分で体感できれば,いつ妊娠するかはわかる。(私には驚くべきことなのかどうかもよくわからないのだが)それがわかる女性も少なくないのだという。
「避妊」ということを考えるとき,私たちの頭には「コンドーム」「ピル」など,外部から何かを使って避妊をする,いわゆる近代避妊法しか思い浮かばなくなっています。「オギノ式」という,基礎体温を付けることによって排卵を知る方法をありますが,これも「体温を測る」というからだの外からの測定方法に頼っています。[p.43]
われわれは自らの身体を,オブジェクトとして外部から操作しようとする。医療なんかその典型だけど,避妊もそうだ。人間と環境のセッティングの問題だと思う。
私も愛用しているモールスキンのノートブック。これに世界中を旅させようというプロジェクト。
moleskinerie: The Wandering Moleskine Project
さっそく申し込む。楽しみ。何描こうかな。
Portable8に,Motoe Lab, MYU: The WebSEで紹介したWebSEと同じテイストのスクリーンセーバーがありました。Windows用もあり。
hellomoto.com - motorola V710 - homepage
モトローラが携帯電話で撮影させた携帯電話をめぐる短編映画5作。監督はEd Lachman。マイアソンよりもずっとケータイのコミュニケーションの実相をとらえているように思われる。くだらなくて笑えるし,おのろけにあてられもする。英語だけど,ひるまず見よう。
4歳になる息子が絵を描いている。
丸は簡単にかける。ぐるっと描く。
四角も描ける。辺はへろへろしてはいるが,くっきりと折れた角のある四角を描いている。
さて,三角が描きたいのだけれど,これが,なかなか思うように描けない。角を描くときに,どうしても直角になってしまい,三辺めが最初の辺と平行になってしまうのである。だからもう一度角を折って,最初の辺をつかまえにいく。むすばれた!と思うと,描けているのは四角形である。それで,彼は怒っている。さんかく,かけなーい。
みかねて手を添える。角の部分で,直角よりもさらにぐっと鋭角に方向を変えることを教える。彼にとっては,これが非常に不自然なことのようで,運筆が難しいらしい。指導の甲斐あって,ようやく一人でも三角が描けるようになったのだが,正三角形ではなくて,直角三角形を描いている。最初の角はリラックスして直角を描く,そして,二番目にして最後の角のところで,一気にググッと方向転換し,最初の辺をめざすのである。二度も鋭角を描く緊張を持続できないのであろう。三角ができると満足気である。丸や四角をリラックスして描いているときとは全然違う,してやったり,という顔をしている。
ずっと前,雑談中に学生から,建築ってどうして四角いのばっかりなんでしょうね,という質問があり,即興で,隙間なく空間を充填することが可能な立体のうち,いちばん簡単なのが直方体だから,とまず答え,なぜそれが「簡単」なのかと言えば,人間というか脊椎動物のシンメトリーな身体にとって,前後左右上下ってのは根源的な六方向であって,それぞれに面が対応する直方体はとても自然に認知できる形だからじゃないか,と答えたことがある。即興にしてはこれは我ながらうまい答えだなあと覚えていたのだが,三角に苦戦する息子をみて,このことを思い出した。
を読む。
日本IBM,山崎和彦,松田美奈子,吉武良治編著『使いやすさのためのデザイン—ユーザーセンタード・デザイン 』丸善,2004
日本IBMのUCD(User Centered Design)チームの活動のまとめ。ThnikPad s30や,ホームページビルダー2001の開発・設計プロセスを紹介しつつ,UCDってものについて解説する。
解説はよく整理されており,なるほどこういう手順でやったのか,へぇ〜と思わされる。
p.46の図2-2にあるように,「ユーザの声を聞く」部分と「イノベーションでリードする」の部分の間に,ユーザーシナリオとプロトタイプがあって,それを要にしてビジネス戦略と前二者がリンクしているという図式は,言われてみればその通りだが,うまくバランスさせるのが難しいところだろう。
私の場合は,イノベーション(本人はそのつもり)一本やりで,結果すっかり空回りするという経験が多いので(涙),デザインプロジェクトにかぎらず人生全般においてそうなので(号泣),なんだかしみじみ身に染みた。
でもね,全体としては,やっぱりこの本に紹介されているUCDは,結局のところ,ダメじゃないデザインをする=マイナスをなくす方法論なのだ。それはもちろん重要で価値がある。UCDは非常に大切な考え方だ。それすらできてないのが多すぎる。UCDにみんなが気を使えば,世界はずっとよくなるだろう。
でもさ,それだけじゃ,鳥肌が立つようなものは作れないんだよベイビー。
今度は西沢大良さん。
月末の恒例からちょっと日がずれてますのでご注意ください。
●
ハウスレクチャシリーズ in 卸町 2004
第4回 2004年11月2日[火]19:00~(会場18:30)
講師 西沢大良(西沢大良建築設計事務所主宰)
コーディネーター 堀口徹(東北大学大学院都市デザイン学講座)
会場 =阿部仁史アトリエ/house in 卸町
仙台市若林区卸町三丁目3-16
車で来場の方は卸町第61駐車場(共同配送センター東)をご利用ください.
定員 =80名(申込み先着順)
参加費=1,000円(ドリンクつき)
申込み=参加ご希望の方は,氏名,所属,メールアドレスを明記の上,
email : (堀口)
もしくは
fax : 022-782-1233(阿部仁史アトリエ/堀口)までお申込み下さい.
なお,準備の都合上10/25(月)までにお申込み頂けると助かります.
協力 =協同組合 仙台卸商センター
お問い合わせ=022-284-3411(阿部仁史アトリエ/堀口,後藤)
中身はパワーブック。大丈夫かな?
データの表象
si_2004_02.pdf
Motoe Lab, MYU: スーパーユーザーの減少で取り上げた記事の続編。
そんな創発が起きるインフラとはどんなインフラなのだろうか。「必要なのはネットワークの“自由度”だと思っている。つまり考え得る可能性や使い方に対応するインフラを用意しておくことだ」と南氏は指摘する。例えばメディアセンターや特別教室以外の場所でもコンピュータが使えるように無線LAN環境を用意した。これによりコンピュータやネット環境のパーソナル化が進んで、学生にもメッセンジャーなどのアプリケーションやツールが普及した。「これからは高品位な映像の配信に耐えうる大容量のインフラやRFIDのインフラも考えられる。とにかく、自由に使える状態で用意することだ」(南氏)
とにかく自由にしておくこと。
なんとシンプルで力強い言明ではないか。
インフラ管理者はこうでなくては。
逆に言えば,こういうインフラ管理者の思いをキッチリ受け止めて,どのほどの振幅で「自由」に振る舞うことができるかどうかが試されているともいえるな。
ライブラリ
jirei2004_02.pdf
割り切りは結構だが,「ま,こんなもんだろ」感アリアリで,志が低いと思う。もっと美しく作れよ。
ツーカー、ディスプレイのない携帯電話端末を発売 - CNET Japan
追記:
綿密なユーザ調査の結果だという記事が出ている。ユーザビリティのデザインについては,がんばっているのだなあと見直した。
ITmediaモバイル:開発者に聞く、液晶なしのツーカーSができるまで (1/3) 「しかしヒアリングの結果、液晶画面があると『漢字やらアルファベットやらがたくさん表示されて、不安になる』と感じるユーザーもいることが分かった」。ツーカーSがターゲットにしているのは主に高齢者だが、彼らの声に耳を傾けると意外なところでとまどっている現状が明らかになったという。 「たとえば、電源の“長押し”ができないユーザーもいる。長く押さなくてはと、30分ほど押し続けている人もいるようだ」
30分かあ。でもそれは機械のほうが「長押しされた:というフィードバックをちゃんと返してないからじゃないかなあ。
着信音は1種類のみ。「ほかの着信音に設定することはできない。そもそも、ツーカーSには“設定”という概念がない」
「設定なし」ってのはいいと思う。
だからといって,姿の悪さを挽回できたりはしないけどな。
Motoe Lab, MYU: Falcons Libraryで取り上げたサイトの姉妹サイト。
このページは、世界最大のディベート・サイトである「Debate Central」の内容を、著作権者の許可の下、日本人が利用しやすいよう一部を翻訳し、解説を加えるなどして、整理しなおしたものです。
素晴らしい仕事。
テキストだけでなく,ビデオもあって,たいへん勉強になります。
「私はディベーターです」から始まる「ディベーターの道」もまた感動的。
Translation Room @ Debate Free Port: THE CODE OF THE DEBATER
三機工業株式会社‖プレスリリース†OA床でなくとも最新のIPネットワークを構築可能に 省スペースラック「スリムラック」投入で情報通信事業拡大†
オフィスの隙間家具。
日本古来の対向島型配置の机の間に,何事もなかったかのように19インチラックを設置できる。
嗚呼ニッポンのオフィス。
まあ,本気でラック用のサーバーマシン置くとうるさいし暑いしたまらんだろうけど,電源やハブや小さいファイルサーバーくらいなら問題なく置けそう。
入口について
keikaku2004_03.pdf
サステイナブル
fm2_2004_03.pdf
でてるじゃん。
で,テスト。
iTunes風と言うか,エントリーリストとエディタ部分が一枚のウィンドウになった。リッチテキストモードとHTMLモードがあって,前者では一切タグを見ないで編集することもできるようになった。もちろんワンクリックでモードは切り替えられるので,ectoが挿入したタグを確かめることもできる。リッチテキストモードで,HTMLタグのついたソースを他からペーストすると,不等号が実体参照に書き換えられて無効になってしまうので注意。
話題の「HTMLエンティティでエンコード」は無効にしてみた。うちはUTF-8なので。
ファイルアップロードの仕組みがずいぶん変わった。メールの添付ファイルみたいになった。僕はPDFを頻繁にアップロードするのだが,今の仕様のほうが望ましい。
あと,複数の処理を並行してできるようになった。以前はひとつひとつ投稿が完了するまで,次のエントリーを書きはじめられなかった。
総じて有用なアップデートだ。
v.1のライセンスで継続使用できるのも嬉しいところ。
に参加します。明日。
誰かの話を聞く,というのではなくて,皆でその場でいろいろ考えるガチンコの会議です。
よく寝て体調を整えておかなくちゃ。
共有と連携のデザイン
10月21日のスタジオ・トークセッションは [10/16]
今月のスタジオ・トークセッションは、いつもと少し趣向を変えて“ミーティング”です。「せんだいメディアテークの通信簿」等から出てきた提案_アクセスガイドのカスタマイズする、メディアテークのまわりの情報を地図にする、など_「共有と連携のデザイン」を私たちの手でデザインするワークショップのためのアイディア・ミーティングです。
●日時 10月21日(木)18:30−21:00
●場所 せんだいメディアテーク7階スタジオb
追記:
行ってまいりました。20名弱ぐらいの集まり。渡辺保志さんも小川直人さんも風邪でガラガラ声。辛そう。
総論でミッションを確認したあと,アクセスガイドのリデザイン,達人への道ガイド,ご近所マップ,新しいコミュニケーションへの仕掛け,の4組に分かれてブレスト&プレゼン。
こういう形式の会議は最近けっこう増えてきた。気合いの入った人ばっかりなので,放っておいても盛り上がる。アイディア発散のあとの収斂のフェースへどうつなぐかが難しいところではあるが。
↓こちらにも報告がでています。
共有と連携のデザイン:スタジオ・トークセッション10/21アイディア・ミーティング
と,気づく。
iMac G4のころからそうだっけ?
アップル - iBook G4
オールインワン型のコンシューマ向けノート型コンピュータの中でも最軽量の一つに入る、2.23kg。14.1インチモデルもわずか2.7kgという軽さです。つまり、一日分の教科書よりも軽いということ。
つまり、二日分の教科書を持って通学することになるということ。
重いのは本当だけど,あれこれ削って世界最軽量という構成だけがノートパソコンの理想じゃない。一番安いエントリーモデルだからこそ,これ1台しか持ってない場合が多いわけで,その点,全部入りのiBookは安心ではある。
GPUが ATI Mobility Radeon 9200 だから, TigerのCoreImage完全対応じゃないのがちょっと残念。
を読む。
北田暁大『広告都市・東京—その誕生と死』廣済堂出版,廣済堂ライブラリー018,2002
一章が,映画『トゥルーマン・ショー』をネタにした広告論。
二章は,80年代渋谷の話。広告=都市。
三章が,広告=都市が失効したあとの現代の話。
三章が面白い。建築と都市のデザインに関わる人には重い問題提起がある。 答えは書かれていない。
アマゾンの書評で「著者との共通環境(世代、東京への距離感 etc.)が、内容理解および評価にあたってある程度必須になっているような気がしてならない」とあるけど,確かにそうかもしれない。私が東京にいた学生時代が,まさに二章の時期なので,オレ的な壷にピッタリはまるんだけどね。
ised@glocom : 情報社会の倫理と設計についての学際的研究
ised@glocom : 情報社会の倫理と設計についての学際的研究
ised@glocomプロジェクトは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊かな研究の蓄積と、情報社会の次の局面を切り拓く活動・研究を行っている新世代の起業家、研究者、技術者、ブロガーたちの知見を交差させ、新しい情報社会論のパラダイムを探ることを目的としています。具体的には、2004年10月から2006年1月まで、12回に亘って高密度の講演と共同討議を行い、その記録および関連資料をすべてインターネット上で公開いたします。資料の公開には、株式会社はてなの協力を得て、インタラクティブ性の高いシステムを利用し、ネットワークを思考の舞台とするあらゆる人々からのコメントや議論を受けつけます。
東浩紀がプロジェクトリーダー。他のメンツもゴージャスだ。北田暁大も入っている。肩書きに「ブロガー」とあって,何?と思うと,ARTIFACTの方であった。期待したい。
ただ,このページには,誰とどうやってやるかは書いてあるけど,何をやるかはちゃんと書いてないんだよ。
を読む。
木田元『ハイデガーの思想 』岩波新書, No.268, 1993
正直に告白するとハイデガーの著作はほとんど読んだことがない。取りつく島がないのである。何がわからないかというと,なぜ「存在とは何か」などという問いを立てるのかがわからない。問いに共感できない本など,付き合うのは無理というものだ。しかも文体が晦渋だし。
でも,私の今の関心空間のいたるところでハイデガーの名を聞くようになり,シラネではすまされないようなことになってきているぞと思うので,手に取った入門書である。で,幸せなことに嵌まってすっきり読めた。うれしい。
冒頭に,ハイデガーのナチス加担をめぐる論争の話が書かれている。木田は,この論争はうまく噛み合ないものだったという。「もともとハイデガーに関しては,信奉者と批判者とが実に截然と分かれていて,話のまったく通じないところがある(p.15)」からである。ハイデガー信奉者は,とにかくハイデガーをありがたがる「崇拝者ないし信者」なので,なんとか免責しようとするし,一方「ハイデガーの批判者は,ほとんどその著作を読んでいない。多少は読んだと言うかもしれないが,おそらくそれは,読まないですます理由を探すために多少は読むといった読み方であろう(p.15)」というのだ。
最近読んだ内田樹の日記の一節が思い出され,つい笑ってしまった。
内田樹の研究室: 神戸牛にはもってこいの日
学術論文のスタイルには「アングロサクソン型」と「大陸型」の二種類がある。 社会科学系の論文は(理科系の論文に準じて)アングロサクソン型で書かれるのが普通であるが、宗教や哲学や文学などについて論じる場合は、論文を書きつつある主体自身の思考や文体そのものの被投性を遡及的に問うという面倒な作業を伴うために「大陸型」(フーコーやデリダやレヴィナスやラカンのような書き方)で書かれるのが普通である、ということをご説明する。 「大陸型」の書き手は「アングロサクソン型」の書き物をすらすら読めるが(だってわかりやすいんだもん)、「アングロサクソン型」の書き手は「大陸型」の書き物を理解しようとする努力を惜しむ傾向にある。
内容はとても平明にすっきりと書かれているので,いくらか哲学的な文章に慣れてさえいればとても読みやすいものだ。
ITmediaニュース:椅子の背もたれがPCデスクに早変わり
イトーキの新しいオフィス家具。ものはふうんってところなんだだけど,名前がTacitだったのでピクっとしてエントリ。肘掛けはともかく,デスクにするのはなんか危なっかしいですけど。
「対面コミュニケーションで言葉にならない暗黙知(Tacit)を引き出すという意味を込めて『タ シット』と名付けた」(同社)
"tacit"だけだと「暗黙の」という形容詞であって,「知」の意味は含まないので学生諸君は間違えないように。
という警告メッセージがPCのスピーカーから流れる。
下記のダイアログと同時に出るので,プリンタのトナーが残り少ないという警告である。
音声でも警告を出すってこと自体はよい。しかし「ワーニングが発生しています」ってのはどうなのよ?そりゃプログラマからすりゃワーニングがハッセイしてるんだろうけども,普通の人の日常生活ではワーニングなんか発生しないだろ。せめて,警告です,とか,問題があります,とかだろうし,もっと日常的には,ちょっとすみません,とか,おそれいりますが,じゃないの。ていうか,ビープでいいじゃん。
以前,JR東日本の券売機に「ソウニュウキンガフソクシテイマス」と言われたのにもおどろいた。挿入金が不足しています,だってことに気づくのにしばらくかかった。ソウニュウキンってなんすか? お金が足りませんって言えっての。
#BLOG: MTでのATOMフィードの追加方法 を参考に,atomフィードを追加。 ここではMT2.65を使っているのだけど,古いバージョンからあげてきていたので,これまでatomのテンプレを作っていなかったのだ。
ケータイカメラを利用した色覚異常に関連するアプリケーションである。機能が三つある。
1. ケータイのカメラで撮影した写真の画面から選択した範囲の色の名前を文字で表示する。
2. 逆に,写真の中から「赤のみ」「緑のみ」「茶色のみ」など,特定の色の部分だけを表示する。
3. もうひとつ,色覚異常の場合,この写真がどんな色に見えているかを示す。
これはよいなあ。特に三つめのシミュレーション機能がいいと思う。色覚異常は,頭では理解はできても実感しにくいものだから,オレにはこんな風に見えてるんだよね,ああそうなの,というぐあいに話しはじめられるようになれば,料理の付け合わせの彩りを変えてみたり,案内図の色使いを整えたりといった,
日常のちょっとしたデザイン上の工夫にとりかかる切っ掛けをつくることができるのではないかと思う。
甘いかもしれない。
が,無理解を放置しておくよりはずっといいにちがいない。
青森県のファシリティマネジメント(FM)
のページで告知されているように,ファシリティマネジメント研修会 「消えてなくなるだけが運命じゃない〜FMによる施設再生・転換プロジェクト〜」で講師兼ファシリテータをやることになりました。東大の清家剛先生とご一緒させていただきます。
単なるレクチャだけでなく,ペア・ブレスト形式でのミニ・ワークショップをやりますので,お近くの方はぜひご参加ください。
日時: 平成16年11月16日(火) 午後2時から午後5時
場所: 青森県庁 西棟8階 大会議室
を読む。リーフレットだけど,アマゾンで買える。
太田浩史,伊藤香織著,東京ピクニッククラブ編『Picnic Papers 0 』新風舎,2003
14か条の「ピクニックの心得」がよい。
「ラグに上がりこむのではなく,ラグを囲んで座るべし。ラグは集まりの象徴であるから。」とあって,なるほどと思う。ラグは極めて低い「テーブル」なのだな。
ではピクニックではどこに座るのか。
靴を履いたまま地べたに座るのである。
これが日本人にはひっかかるのではないか。
靴を脱いで敷物に上がって座る。これが日本の作法である。
ラグはテーブルだが,ゴザは「御座」だから座る場所である。
座にはテーブルはない。人と料理と酒杯とは同一平面上に置かれる。座はテーブルを含み込んでいる。我々は自身がすでにテーブルの上にいるのである。
彼らが靴を脱ぐのはベッドに入るときである。
我々は床に寝る。床は地面ではない。そこでは靴を脱いでいる。我々は自身がすでにベッドの上にいるのである。
@IT情報マネジメント:ユーザビリティの時代──ペルソナ/シナリオ法 理論編 1/3
ペルソナはいわば「神」のような存在だからです。みんなが合意して、このペルソナのアプリケーションを作るといったなら、それが部長であろうが副社長であろうが社長であろうが、ペルソナには逆らえないのです。
うまくできたペルソナは一人歩きをはじめる。でも,ペルソナ法に慣れてくると,つい都合のいいペルソナをつくってしまう危険がある。このとき,ペルソナ法のもっていたエロスは失われる。わがままなペルソナに翻弄される日々を抱きしめよう。
を読む。
竹田青嗣,西研『よみがえれ、哲学 』日本放送出版協会,NHKブックス1003,2004
ポストモダン思想でダメを出されていたかにみえる近代哲学——デカルト,ルソー,カント,ヘーゲル,フッサールなんか——の再評価。ポストモダン思想は批判はしてきたけど,それじゃどうすればいいかってことについては何も提示できていない。社会のありようを変えることを原理的に考え始めるとすれば,近代哲学からいくしかないじゃないか,という話。
ハイデガーはあんまり出てこない。パースがプラグマティスト扱いでひとくくりにされてるので,ちょっと不満。ま,文脈からすればしかたないけど。
対談ってこともあって,共感するところは多々あるものの,なんとなく消化不良のところも多く,中間発表的な感じをうけた。
たとえダメダメだとしても,われわれにはこの世界しかないので,いくらかずつでもマシなものにしていくよりほかないもんな。
IT系のインタビューやプレゼンテーションなどを音声ファイルで提供する。英語。
邦訳が出て話題の,IT Conversations: Don Norman - Emotional Design なんてのもある。48分。あまりに想像した通りの声だったので,登場した瞬間に吹き出してしまった(笑)
Wired News - グーグル、デジタル地図会社を買収 - : Hotwired
KeyholeはもとSGIらしい
CNET Japan Blog - 梅田望夫・英語で読むITトレンド
Keyholeは、地球地図ベンチャーとでも言おうか。人工衛星や航空機から撮影した画像と、その意味情報をあわせたデータベースを持って、それをもとにサービス事業を構築しようとしていた。
「Keyhole says it has the world's largest commercial online database of three-dimensional imagery. Stitching together images from satellite and aerial photography, the company covers more than 80 major metropolitan areas and thousands of smaller cities. Its database also includes elevation data, street name information and business listings.」
しかし、Keyhole自身によるこの情報のスタンドアローンの事業化(いまはビジネス分野に集中)よりも、Googleの一部になったほうが長期的により大きな可能性が拓ける。そういう両者の判断であったのだろう。
航空写真でみえる景色だって景観の一種なんだから,これは公共財ってことで皆で利用できるとよいね。
あちこちの自治体などでこぞって導入されたGISが,更新されれぬまま「死亡GIS」になっているのだが,あんがいこうした一般サービスとして,相当に網羅的なGISができてしまうようになるのかもしれない。各ユーザが個別に盛り込みたい情報をアドオンするためのAPIが公開されれば,たいていのGISの用は足りてしまうのではないだろうか。定期的に地図を買わなきゃならない,独占されているのでそれがバカ高い,というのがGISの死因第一位だから,こうしたセミパブリックGISが登場する意味は大きい。ゼンリン住宅地図的な追求はまた別の話ではある。
Keyhole,トライアル版がダウンロードできるんだが,マシンへの要求がけっこう高いな。ていうかMac用はそもそもないのだ。booo
SECOMのニュースリリース:SECOM/ニュースリリース/2004/10/05
ちょっと時間がたってしまったけど,「GPSランドセル」。いったいどんなランドセルかと思えば,従前からあるココセコムとのセット販売なのだった。でも,「ランドセル」として売り出すことで,パッケージのねらいを鮮明にしているわけだ。
うちにも小学生がいる。これを持たせたい親の気持ちはわかる。特に都市部で長距離の電車通学をさせているような家庭は裕福な場合も多い=誘拐のリスクも高いわけで,費用も無理のないものだから,けっこう売れるのではないかな。高学年になればGPSケータイを持たせることになるだろうが。
でも,ちょっと想像してみると,親の不安はなんら解消されないようにも思う。計画的な誘拐犯はこのシステムのことを知っているだろうから,GPS端末を学校の近くに捨てていくことだろう。そのような冷静な?判断もできないような変質者に突発的に誘拐されたのだとすれば,もうどこにいるかなんか関係なく心配でたまらん。
徘徊老人を見つける実績や,盗難車発見の実績はすばらしいものだが,子どもも同じとはいかない気もするな。
とはいえ,ほんの少しでもリスクを縮減できるなら,このくらいの出費は厭わない親は少なくないだろうと思う。
もっとも,システムそのものにはどこにも新しさはありませんね(天唾)