« 2004年07月 | メイン | 2004年09月 »

2004年08月 アーカイブ

2004年08月01日

MOXオープン

仙台の卸町流通団地,そこの卸商センターの地下,以前は食堂街だったのがつぶれて放置されていた空間を全面的に改修して,音楽練習スタジオが作られた。私もその準備段階では少々口を出したりした。そのMOXがオープンするというイベントに行ってきた。

MOX:::Music Box in OROSHIMACHI

運営はセンターの直営で,そう簡単に儲かりはしないだろうが,こうした事業によって,卸町の知名度とイメージを高め,街が変わろうとしていることをアピールしたいということなのだ。

「箱物行政」という言葉があるが,それは何もお役所だけのものではなくて,どんな民間団体にも起こりうる。子供部屋を与えれて事足れりとしたりすれば,それこそ家庭でも箱物問題は起こりうる。卸町のMOXがそういう「箱物」に終わるかどうかは,これからの運営にかかっている。

今回のオープニングパーティーは,その運営が問われる最初の舞台なのだった。

組合事務局の面々が自ら揃いの赤いTシャツを着込んでサービスし,理事長はじめ役員もエプロン姿でギャルソンをやっていた。屋外のステージでのライブや照明の演出などにも随所に工夫があり,型通りの開業記念式典には終わらせないぞ,という気概に満ちていたと思う。

「箱物」が現れることが,わかりやすい形で人々の気持ちをもり立て,何事かが起こりそうだという共感を起こしていくということもある。まずはそのような期待を十分に感じながら,MOXはスタートできたのではないか。

2004年08月02日

新横浜ありな in アキハバラ


をオマケにつけたカタログがでるそうな。
ガードあたりの街並の様子がけっこううまく出てるのは,さすが。

ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館のサイトがオープン。
おたく:人格=空間=都市

ポスターはこうなる。どうでしょう,これは。
おたく:人格=空間=都市 --ポスター

2004年08月03日

yugop.com ver.4

yugop.com ver.4 ローンチ。
粘土のがいいな。

自粛条例

知事の多選自粛条例が成立、全国で初 埼玉県議会 - asahi.com : 政治

首長の多選制限はあってしかりと思うが,「自粛せよ」という「条例」って何?

地価下落

河北新報ニュース 宮城の路線化 8.8%下がる 下落率は縮小
「下落率は縮小」とはまたわかりにくい表現だな。

駅前のデパートの地価
1992年 988万円/平米
2004年 146万円/平米

デパ地価あやうし。

実忠の三つの不思議な花

レバノンのアーティスト,ナディム・カラムによる東大寺鏡池でのインスタレーション。
東大寺の境内で仏事ではなく,これだけの規模のアートワークが展開されるのは初めてとのこと。会期が2004年8月5日から20日までと短いので,奈良へ行かれる方は要チェック。
jitchu
東大寺アートプロジェクト「実忠の三つの不思議な花」 The Three Magic Flowers of JITCHU

2004年08月05日

ペアガーデン

040805_1103~001.jpg
場所

暑っ

スチームボーイ

を見る。
::STEAMBOY::

絵は凄い。鋳鉄とパイプの機械がブリブリしてる。でも退屈。

私にとっての大友克洋は『AKIRA』でも『童夢』でもなく『気分はもう戦争』なのだけれど,大友克洋は9年もこれを作ってたのかと思うと,もったいないような気がする。

以下ネタばれを含むので,これから映画を見る人は注意。

続きを読む "スチームボーイ" »

2004年08月06日

leadholder



leadholder.com: The Drafting Pencil Museum

手描きの製図(といちいち断る必要があるが)で使う「芯ホルダー」のコレクション。ロゴもいい。

私が使っているのは,Caran d'Ache Fixpencil 884の青なのだが,そこに"special features : lead pointer in removable pushbutton"という記述があり,驚いてみてみると確かに芯研ぎになっているのであった。知らなかった。感動。

『ゼムクリップから技術の世界が見える』

を読む。

ヘンリー・ペトロスキー『ゼムクリップから技術の世界が見える-アイデアが形になるまで 』朝日新聞社,朝日選書733,2003

ペトロスキーは,土木の専門家で技術史家。本書は,ゼムクリップから,鉛筆の芯,ジッパー,アルミ缶,ファクシミリ,航空機,水道,橋,高層建築などが,どのように設計され改良され製造されてきたかを蘊蓄たっぷりに語る。

『フォークの歯はなぜ四本になったか』(平凡社,1995)という本も書いている。こっちも同じように事例たっぷりの本であるが,より方法論的な構えになっており,「形は失敗にしたがう」とか「道具が道具をつくる」「つねに改良の余地がある」などといった箴言めいた章題をもつ。

さて,工学とは失敗の歴史である。

削りたての鉛筆の芯はよく先が折れる。その折れた芯先の大きさや形がどれもほとんど同じであることに気づいたエンジニアが,その破断のメカニズムをモデル化し,大きさと形が同じになる仕組みを説明した。しかし,彼のモデルでは,その破断面が芯の軸に対して垂直ではなく,常に一定の角度でわずかに傾くことを説明できなかった。約10年後,別のエンジニアが同じ問題に取り組み,より詳細なモデルをたてて,折れた芯先の微妙な形の違いを説明することに成功したが,やはり破断面が傾くことは説明できなかった。

彼らがともに失敗したのは,「「破断が起こるのは,最大引っぱり応力が,ある特定の平面全域の臨界値に達したときである」という前提のもとにすべての分析をし,その平面に平行にはたらいて亀裂の進路をそらすかもしれない剪断力をすっかり無視していたから(p.80)」だった。鉛筆はただ上から紙に押し付けられている(=曲げ応力を受ける)だけではなく,文字を書くために常に横滑りをしており,剪断力(せんだんりょく)を受けているのだ。

BOPP(引用者注:折れた芯先のこと。Broken-Off Pencil Point )の問題が例証しているのは,工学的な分析結果を吟味し解釈するさい,根本的な前提を忘れずにいて,そこに立ち戻ることがいかに重要かということである。基本的な前提の妥当性に疑問を抱いて,その制約を意識しないかぎり,自分がそれらに縛られて結果を解釈しているという事実を見落とす恐れがある。(p.83)

失敗を克服するためには,前提を疑わねばならない。
つねにラジカルに考えたい。

Bikes Against Bush


自転車に載せたワイヤレスプリンターで道路に抗議メッセージ

000STUDIO BBS経由。

自転車のロードレースには,ファンが路面に選手の名前や応援メッセージを大書するという習慣がある。平地ではあっという間に通り過ぎてしまうから,たいていは登り坂,しかもレースで一番厳しい坂にあるので,路面に書かれた文字は,そこが勝負の坂だということを示すマークになっている。

交差点にはたくさんの路面の表示があり,ドライバーに進むべき方向を知らせる。直進するのか,それとも曲がるために車線を変えるのか。

この自転車プリンタ,もちろんメカニズムも興味深いけれど,ブッシュ米大統領に抗議するメッセージをプリントするために作られたというのもおもしろい。

進むべき方向を語るメッセージだからこそ,路面に書かれるのがふさわしいのだ。

2004年08月07日

『直伝!プランニング編集術』

を読む。

松岡正剛監修,宮之原立久,山田仁,伊東雄三,倉田慎一,立岡茂,丸山玄『直伝!プランニング編集術 』東洋経済出版社,2003

松岡正剛が主宰する「ISIS編集学校」での教育プログラムをまとめたもの。類書との違いは独特の言葉づかい。「要素・機能・属性」「らしさ」「言い替え」「見立て」「発想習慣病」「ルル3条」「よもがせわほり」「モダリティ」「編集思考素」などなど。

序文だけ松岡正剛が書いているのだが,世に山とある企画術やプランニングの本がなぜ役に立たないかを書いている。「理由は簡単,多くがあまりに広告代理店的で,そこそこ商売が成り立っている大手プロダクションふうの用途様式になってばかりいるということです。(p.12)」こうしたところでは,営業力を総動員して仕事をとり,アウトソースをいっぱい使ってプレゼンをするわけで,「企画術の川上と川下ばかりがやたらに濃くて,いったいぜんたい「ぴったり企画のところ」とはどこなのか,どうもそこが曖昧になっているのです。(p.12)」そういう意味なら,本書は真ん中のところをちゃんと書いてある。テイストはずいぶん違うけど『考具』にも近いかな。

文脈にあわせて,「編集エクササイズ」と称する練習問題が頻繁にはさみこまれているので,それぞれ考えながら読む。どれもよくできた問題だと思った。今考えていることをよりよく理解してもらうための練習問題を考える,というのは非常に難しい。大学では課題を出す側になってしまったが,いつも課題を出すという課題を科せられているのである。

2004年08月10日

五箇山

2004-0810-1358.jpg
場所

2004年08月11日

『まなざしの誕生』

を読む。

下条信輔『まなざしの誕生—赤ちゃん学革命 』新曜社,1988

心理学者による「赤ちゃん学」の紹介。赤ちゃんの研究や,障害者の研究が,既存の人間像とせめぎあう新しい人間観を切り開いていく。

「モリヌークスの問題」が紹介されている(p.113)。

先天的な盲人がいた。経験によって,触覚だけの手掛かりから,立方体と球を区別して言えるようになっていた。この盲人が,肝がん手術を受けた結果,正常な視覚機能を得たとする。さて,この人は手術直後に,触らずに見ただけで,目の前の立方体と球とを正しく区別して言い当てることができるか?

これは「モリヌークスの問題」と呼ばれる問題で,空間認識の発生についての問題をよく示す例として知られる。

この問題は17世紀末の英国で作られた。出題したのが法律家兼哲学者のモリヌークス氏。回答を迫られたのが,当時の代表的な哲学者ジョン・ロックなのだそうだ。

経験論のジョン・ロックは当然「ノー」と答えた。しかしこれが先見論のカントなら「イエス」と答えるであろう。これは哲学的・理論的な回答である。

当然,盲人の開眼手術を通じて実験をしてみた人は少なからずいたようだ。しかし,結果は芳しくない。先天盲人が正常な視力を獲得することは不可能なようなのだ。したがって,モリヌークスの問題は前提に無理があることになる。つまり,モリヌークスの問題は,手術直後に見えるか,という問題と,物体を区別できるか,というふたつの問題に分けられるのだが,第一の問題がそもそも無理であって,したがって第二の問題については答えることができないというのである。

そこで,赤ちゃんの実験でモリヌークスの問題に取り組んだ人たちがいる。メルツォフらは,赤ちゃんに暗闇でツルツルのおしゃぶりあるいはイボイボのおしゃぶりを使わせてから,ふたつのおしゃぶりを見せて,どっちをよく見るか,を調べた。すると,なじみのあるほうをよく見るのだそうだ。その実験が伝えるのは,触ったときに感じられるものの形と,目で見たときのものの形とを関係づける能力は,赤ちゃんにもすでにあるということだ。実験結果はカントを支持する。

これって知覚システム論じゃん,と思っていたら,「ギブソン夫妻」もちゃんと出てきた。「ギブソン夫妻」という書き方はあまり見たことが無かったので,ちょっと新鮮。イームズ夫妻みたいだ。

視覚や触覚の感覚の区別を越えて結びつける能力をいかに説明するか,には大きく三つの仮説があるという(p.135)。第一は,ヘルムホルツらの「経験による連合」説。繰り返しているうちに「空間」として共通の意味を帯びてくるというもの。第二は,ピアジェら。赤ちゃんが積極的に行動し,刺激→反応を同化・調節するうちにシェマを獲得するというような話。第三が,ギブソン夫妻の知覚論。変化する世界の中から,不変項を探索する。不変項は特定の感覚に依存しないから,そもそも視覚と触覚を区別する必要がない。

こうした議論は,知覚に関する還元主義的な我々の常識をゆさぶるものであろう。

わたしたちおとなは,五官の区別を当たり前のこととして受け入れているし,また生理学を土台とする自然科学的な人間観からしても「はじめに視覚や聴覚,触覚などの区別ができるようになり,次にそれらの関係に注目し,組み合わせたり結びつけたりすることによってものごとの概念が成り立つ」という考え方は,いかにももっともらしい。
けれども,このような「生理学の積木」式の考え方は,いってみればおとなの観点,自然科学の観点からの議論のさかだちである。(p140)

これは15年以上前の本なので,赤ちゃん学はきっともっと進んでいることだろう。

『ユビキタスがわかる本』

を読む。

美崎薫『ユビキタスがわかる本 』オーム社,2004

記憶する住宅」の美崎薫さんの本である。今度札幌で開催される日本建築学会大会の研究協議会「 ユビキタス社会における建築と情報の新しいかたち−ユビキタス社会における建築と情報の新しいかたち」のパネルにお招きしている。あらためて,美崎さんのユビキタス観を確認しておこうというつもりだったが,それ以上におもしろく読めた。

「ユビキタスコンピューティング」という言葉の意味が立場と文脈によって,相当の振れ幅があり,混乱して用いられていることは皆承知のとおりである。美崎の説明を乱暴にまとめると,お前らまずはマーク・ワイザー読んどけよ,ってことだ。(美崎はこんな乱暴な言葉遣いではないが。)

特に,流通にみられるような実業としてのユビキタスコンピューティングにおいては,ワイザーの「森を散歩するようにリラックスしながら使用する」というような,ユーザにとってのメリットがほどんどなくなってしまっているという。(p.XIV)

オープンアーキテクチャーの説明あたりから,様々なユビキタス系技術を論じていくうちに話が拡散していくのであるが,美崎の視点は一貫して,それってユーザにメリットがあんのかよ?ってことだ。(こんな乱暴な言葉遣いではないが。)

ユビキタスな社会を考えることにリアリティが与えられるかどうかは,ユビキタス社会のおける自分自身をどれほど鮮明に想像することができるかにかかっている。ところが,実業システムの発想の多くが,システムにとってのメリットだけを追求して暴走しがちである。個々のユーザを原理的な危険にさらすにもかかわらず,システムの機能によって回避できると言ったりする。我々は当事者としてのユビキタスコンピューティング論を構想しなければならない。

2004年08月14日

『瞬間の君臨』

を読む。

ポール・ヴィリリオ『瞬間の君臨—リアルタイム世界の構造と人間社会の行方 』土屋進訳,新評論,2003

原題は L'inertie Polaire,直訳すると『極の不動』。

このタイトルからして撞着語法で,全編ヴィリリオ節爆発。相対性理論や不確定性原理後の技術と社会に内在する問題を扱う。土屋訳は丁寧な解説付きで理解を助ける。いちいち注でひっかかるのはヴィリリオっぽくないじゃんという向きは表面を滑走してもよろしい。

びゅんびゅん突っ走るヴィリリオのいうことも分からないではないのだが,本当にそうなのかなあ,ついていけねえぞおという気がしてしまうのもいつもの通り。突っ走る部分と動かないでいる部分との間で,強い剪断力を受けながら引き裂かれそうになっている部分にこそ,問題があるように思われる。

フッサールの現象学に大きな役割が与えられているのが,意外だったが興味深いところだ。

続きを読む "『瞬間の君臨』" »

『浪費するアメリカ人』

を読む。

ジュリエット B.ショア『浪費するアメリカ人—なぜ要らないものまで欲しがるか 』森岡孝二監訳,岩波書店,2000

たんなる快適さより富裕さを求める普遍的な願望を特徴とする「競争的消費」傾向をもった「新しい消費主義」について論ずる。

浪費のための競争的消費にのめり込むあまり,アメリカ人は,長時間働き,借金は増え,クレジットカードの残高は増え,貯蓄はなくなり,ストレスは多く,満足感は得られない。こうした働き過ぎと浪費の悪循環は,環境への負荷を増大させ,税負担忌避を通じて公共財を貧弱化させ,家族やコミュニティを危うくしている。

続きを読む "『浪費するアメリカ人』" »

2004年08月17日

『ネガティヴ・ホライズン』

を読む。

ポール・ヴィリリオ『ネガティヴ・ホライズン—速度と知覚の変容 』丸岡高弘訳,産業図書,2003

訳出は最近だが,原著は1984年の刊行。

丸岡が訳者あとがきで書いているとおり,最近あいついで訳書が刊行され再評価がなされているヴィリリオの魅力は「速度による世界の縮小・老化・貧弱化というかれの基本的テーマが情報科学技術の発達で現実味のある危機として実感されるようになった」ことと,「地政学的戦争から時政学的戦争への転換というヴィリリオの指摘が冷戦以降の政治状況と奇妙に符合していると感じられるため」だろう。(p.304)

たとえば,次のような指摘。書かれたのは20年前である。

核兵器・通常兵器一式が完璧にそろって以来,いかなる武器も,いかなる軍隊も,国家間紛争を解決する力をもたない。ただ,政治的不安定さの領域をひらくことができるだけである。それはおわることがない戦争に似ている。ただその戦争がおわらないのはなにかの権力への意志のためではなく,だれもおわらせることができないからである。(中略)あたらしい兵器の破壊力があまりにも絶大なために「全面戦争」でさえ空間的にひろがることができなくなったが,その退化形態である局地紛争なら無際限に時間のなかに展開することができる。こうして偉大なる平和の時代が到来した。しかしそれはひとびとが主張しているように「通常兵器による戦争」が実現する平和ではなく,非通常的超犯罪による平和である。つまり(国内的にも外交的にも)あらゆる政治的形態をこえた国家テロによって平和が実現される。国家テロは外国人も自国民も区別なく抑圧する。「現実の戦争」はブロックされ,ただ戦争的傾向のみが発展し,統計学的虐殺が日常化する。世界大戦は不可能になる,偶発的事故でもおこらないかぎりは。こうして,実際に戦争をおこすことはできないからひたすら包括的兵站術が準備され,それが本当の世界戦争のかわりになる。(pp.275-276)

ここでいうヴィリリオの「平和」は普通の意味での平和ではない。

徹底抗戦の名のもとに敵の民間人を犠牲にし,敵による自国の民間人の犠牲を容認することはやめる。そのかわり,徹底平和(国家の安全)の名のもとにますますおおくの自国民をみずから犠牲にすることを決定するのである。核抑止の現代,軍人はもう民間人にたいしてしか宣戦布告しない。軍人にとって,直接軍隊に関与していないものすべてが国家の内的安定のための潜在的脅威である。(p.240)

というような意味での「平和」である。戦争と平和は反対概念ではない。同じことなのだ。

続きを読む "『ネガティヴ・ホライズン』" »

HHKB

HHKeyboard Lite 2を AssistOn で衝動買い。JISかな無刻印モデル。黒。Macキットでいくつかのキートップを交換すると,見た目にもほとんど違和感なく使える。Exposéも使えますしね。

続きを読む "HHKB" »

メルボルン国際建築ワークショップ 参加者募集

 日仏豪三か国の建築デザインを専攻する大学が持ち回りで開催している国際建築ワークショップが今年も開催されます。第一回は宮城県亘理町,第二回はフランスのモンペリエ,三回目の今年は,オーストラリアのメルボルンが開催地となります。
 このワークショップでは,まず事前に三か国共通の設計課題にとりくみ,その作品をもって現地に乗り込んで,他大学の参加者と一緒に現地での調査やディスカッションの結果を加えて作品をブラッシュアップしていきます。成果は三か国語版のブックレットとして出版されます。
 いつもとは違う国際的な環境で,デザインについて深く考える貴重な機会です。ぜひご参加ください。

説明会
2004年9月17日に予定。詳細は決まり次第お知らせします。 ホスト校であるメルボルン工科大学の建築家 Paul Minifie氏が来仙して課題等を説明します。

期間
2004年11月27日から12月13日まで

主催
メルボルン工科大学,東北大学,宮城大学,東北工業大学,ラングドック=ロッシヨン建築大学

対象
基本的にはデザイン情報学科空間デザインコースの学生。
他大学は大学院生が多いが,学部生でもOK。
昨年は本学の3年生が参加。きっちり存在感を示していました。

費用
自費。航空券が約10万円。宿泊は現地でホームステイなので無料。

使用言語
基本的に英語。でも,オーストラリア人はブロークン・イングリッシュにも寛容だし,フランス人も決して英語に堪能なわけではないので,なんとかなるでしょう。

他の授業との関係(宮城大学の学生のみ)
このワークショップは学期中に行われますが,デザイン情報学科の公式教育プログラムなので,出席数等,他の授業との関係も最大限配慮されます。

問合せ
宮城大学事業構想学部デザイン情報学科 本江正茂まで。
motoe@myu.ac.jp
宮城大学本部棟4階 427研究室
電話 022-377-8367

ワークショップのホームページ
ArchiTecture - Leisure Landz

今年のテーマ(仮)

Eureka!

Ballarat is a small city of approximately 300,000 people approximately an hour train journey from Melbourne. It grew up during the 1880s boom period period of the goldrush. Since then is has struggled to survive as a regional centre. A proposed upgrading of the railway link will bring it into range as a possible dormitory suburb for the greater Melbourne metropolis. There are a variety of other potential programmatic possibilities for the city of Ballarrat that could be explored during the workshop. We would see work commencing from a broad urban analysis, then focusing on one particular site.


以上

続きを読む "メルボルン国際建築ワークショップ 参加者募集" »

2004年08月18日

『共有のデザインを考える/スタジオ・トークセッション記録』

を読む。

西村佳哲,杉浦裕樹,前田邦宏,森川千鶴,辻信一,渡辺保史+せんだいメディアテーク編『共有のデザインを考える/スタジオ・トークセッション記録』, メディアアシスト編集局,2003

ISBNはついているが,普通の書籍流通とは違う経路で頒布される。せんだいメディアテークアーカイブからダウンロードできるPDFで読むか,オンデマンド印刷で入手するか,だ。PDFは無料である。

私はてっとりばやくPDFで読んだ。170ページからの本をまるまるPDFで画面上で読んだのははじめてだったが,けっこういけるもんだな。PDFでもフォトリーディングはできるとわかった。

これは2002年から2003年にかけて,せんだいメディアテークでおこなわれた連続トークセッションの記録書だ。このイベントのコーディネータは渡辺保史。ゲストは,著者の面々である。

なんだかんだと都合がつかなくて,気にはかけながらも,この一連のイベントに一度も出かけることがなかったのだが,それがとっても悔やまれてしまった。トークセッションを原稿に起こしてあるのだが,とても臨場感があるのだ。それだけに,その場に居あわせることができなかったのが残念。

読んで印象的なのは,会場との質疑応答がすばらしいことである。うまくまとめて書きおこしたということもあろうけれど,たとえば「自分たち事」のようなたくさんの新しい言葉が,質疑の場から生まれてきている。そういうことって滅多にないのだけれど,「共有のデザインを考える」ってやつを地でやろうとするとこうなるぜ,というような,主催者だけでない参加者全部の矜持みたいなものを感じた。

追記:
…と書いたら,smtから書籍版をお送りいただいた。本書の企画を継続して,来る9月16日に行われるスタジオ・トークセッションに出ることになったからである。
DSC0151

期せずして,オンライン版とPDF版の両方と向き合うことになったが,企画の成果を「本にしておく」ことの意味を考えるよいサンプルだと思われた。

BLconverter

BLconverterアプリケーション

国土交通省国土地理院から配付されているWindows用の「TKY2JGD」と同じ機能を提供するアプリケーションです。 「TKY2JGD」の全機能の他に、幾つかの機能を加えてあります。

参考:TKY2JGDとは

英国,テロ有事対応マニュアルを全戸に配布


Preparing for Emergencies - Homepage

PDFでダウンロードできる。

marble「未来のためのお話」: PREPARING FOR EMERGENCIESに,卓抜なデザイン評あり。このシンプルなアイコンだけのデザインには背景がある。

インターネットを利用しない,63.7%

内閣府の平成16年度特別世論調査:知的財産に関する特別世論調査によれば,「まず、あなたは、日常、仕事・私的利用を問わずどのくらいの頻度でホームページ ( Web ウェブ )の閲覧や電子メール送受信など、インターネットを利用しますか。 」という問いに対して,全国20歳以上の63.7%が「まったく利用していない 」と答えている。
多い?少ない?

『街場の現代思想』

を読む。

内田樹『街場の現代思想 』NTT出版, 2004

原稿の半分くらいはwebの「内田樹の研究室」にあるものなので,すでに読んでいたが,独特の節回しをまとめて読むとまた違う味わいがある。

冒頭の文化資本論は,『浪費するアメリカ人』の話とぴったり繋がる。ショアはダウンシフターを引き合いに出したが,社会の階層化を回避しようとする内田の戦略は甚だ屈折しており逆説的だ。

文化が「資本」になると聞くと,目端の利いたガキは「おっとこれからは教養で勝負だぜ」と算盤をはじく。「これからは読書量が出世のカギらしい」と聞かされれば,『世界文学全集』の読破を企て,ぐいぐい読み進む。ぐいぐい読み進むうちに,うっかりサドとかニーチェとかバタイユとかを読み出し,気がついたら出世なんかどうでもよくなってしまった……というような逆説は文化資本主義ならではの味わいである。 文化資本へのアクセスは「文化を資本として利用しようとする発想そのもの」を懐疑させる。 必ずそうなる。 そうでなければ,それはそもそも「文化」と呼ぶに値しない代物である。(p.47)

内田は大学のセンセイでもあるので,教育論というか大学論も多く書いている。たとえば新都立大学が検討しているという語学の授業の英会話学校へのアウトソーシングは,「「英会話のスキルの習得」という短期的な教育目標に限って言えば合理的な判断かもしれない。だが,「知的センターとしての大学」の幻想性を取り返しのつかない仕方で毀損するという点で,きわめて不利な経営判断である(p194)」と批判していう。

高等教育においていちばんたいせつなのは,学生が「すでに知っている知識」を量的に拡大することではなく,学生に「そんなものがこの世に存在することさえ知らなかったような学術的知見やスキル」に不意に出くわす場を保障するということなのである。
(中略)
いま行われているあちこちの大学の教育改革のほとんどは「受験生がそれをほしがっていることがすでに自明であるところの,実定的な資格や能力」の提供を前面に押し出している。しかし私はほんとうの教育改革は「受験生たちがその名を知らず,その漠然たる『オーラ』だけを感知し欲望しているような知見やスキル」に焦点しなければ奏功しないであろうと思っている。(p.197-199)

これにはまったく同感だ。

受験生が暗黙のうちに「漠然たる『オーラ』を感知し欲望している」かどうかを入試判定の基準とすることできればよいのだが。大学に限らず,学ぶ場ってのはみな知への欲望によって駆動する空間であるから,その原動力を持っていないと来ても意味がないのだ。技術的にどうやるかが難しいのだけれど。

仮装大賞の「ピンポン」,ペプシのCMへ

すげー(笑)
airoplane.net ( エアロプレイン ドット ネット ): 仮装大賞のピンポンの人協力のCM
マトリックス・ピンポンなペプシCM欧州編: ABC(アメリカン・バカコメディ)振興会にも。

2004年08月19日

「都市・建築におけるリノベーションの現在」

という題で,東北大学の公開講座が開かれます。渋めながら豪華な講師陣で,リノベーションを考えはじめるには非常によい機会と思われます。ぜひ。

まだ席に余裕があるとのことなので再掲。
当日飛び込み参加でも大丈夫みたいです。


東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻 平成16年度リカレント講座
「都市・建築におけるリノベーションの現在」のご案内

 拝啓 新春の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。さて、本専攻では例年、東北大学大学院先端工学セミナー(博士後期課程集中講義)の一環として、社会人を対象とするリカレント教育講座(公開講座)を実施いたしております。本年度は、都市デザイン学特論の一環として「都市・建築におけるリノベーションの現在」というタイトルで講座を開催し、都市・建築デザインにおける企画・設計・施工というそれぞれの局面において新たな職能の可能性を切り開いている方々を講師として招き、議論する機会を設けたいと考えております。講義は、スライドレクチャ形式で3講座(それぞれ一時間半程度)を予定しております。
 つきましては、ご多忙中のところとは思いますが、是非ご参加いただきたくご案内申し上げます。


日時
平成16年8月21日(土)13:00〜14:30,14:40〜16:10,16:20〜17:50
場所
東北大学工学部人間環境系1階・大会議室
所在地:仙台市青葉区荒巻字青葉 東北大学工学部構内
受講料
4,000円(当日受付にてお支払いください。)
募集人員
70名(申込み順)受講者にはご希望があれば修了書を授与します。
講師
「リノベーションを加速させるプログラミング」
梶原文生(都市デザインシステム代表)第37回生
「リファイン建築の発想」
青木茂(青木茂建築工房,リファイン研究会)
「建築のライフサイクルから見たリノベーション - 解体とリサイクルの視点から - 」
清家剛(東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻助教授)
主催
東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻
担当:都市デザイン学講座教授 阿部仁史
申込み方法
氏名(年齢)、住所、電話番号、FAX番号、最終学歴、勤務先、住所、電話番号を明記の上、下記まで電話、FAX、Eメールあるいは郵送にてお申込み下さい。FAXにてお申込みの方は添付された申込み用紙をお使い下さい。
問合せ
東北大学工学部教務課大学院教務係(担当:乳井)
電話: 022-217-5820/FAX:022-217-5824
Eメール: eng-in@bureau.tohoku.ac.jp
ホームページ: http://www.archi.tohoku.ac.jp

エロウサギ

PLAYNOTE: Individual Entry; "ウサギの驚くべき生殖の実態"

さすがPLAYBOYのロゴになるだけのことはあるな。

2004年08月22日

ムンクの「叫び」強奪さる

ムンクの「叫び」盗まれる 白昼、オスロの美術館から - asahi.com : 国際
ムンクの「叫び」、強奪される: Yahoo!ニュース - 写真 - 時事通信

白昼展示会場で強盗にあうとは…
『叫び』は以前にも盗難にあったが,それは別バージョンのほうらしい。

それにしても有名すぎて売れないんじゃないか?
……と思っていたら,テレビのワイドショーでコメンテーターが,こういうのは「盗ってこい」というスポンサーの依頼をうけてプロがやるのだと言っておりました。

それほどのリスクをおって,誰にも見せられない形で,『叫び』を所有したいという欲望がオレにはわからん。美術史的な価値は理解できるけどさ,欲しいかっていわれるとなぁ。

被害にあったのは,Munch-museet

ムンクの『叫び』については「美の巨人たち」など,

2004年08月23日

『文房具を楽しく使う---ノート・手帳篇』

を読む。

和田哲哉『文房具を楽しく使う 〈ノート・手帳編〉 』早川書房, 2004

生産性向上のためのバリバリ本とも,蘊蓄満載のマニア本とも違う,微妙な間合い。元ネタは著者のホームページ「ステーショナリープログラム」に掲載されているものである。

これに紹介されているクオバディスとモールスキンはまさに私が使っているのと同じなので,ちょっと悔しい(笑)紫のグリッドが色が濃すぎると思うので,ロディアには手を出さずにいるけど。

2004年08月24日

GDP2004

040824_1645~001.jpg
場所
搬入中
GDP2004[Good Design Presentation2004]

2004年08月26日

がちゃがちゃエントリ for MT

締め切りが差し迫っているので、逃避がてら、ブログに新機能を追加してみました。過去のエントリをランダムに表示します。下記にあったスクリプトをそのまま使わせていただいております。

がちゃがちゃエントリ for MT

ハウスレクチャ 貝島桃代さん

のお知らせです。
※会期が近づいたので日付を変えて上に上げました。

ハウスレクチャシリーズin 卸町 2004
第3回 2004年8月27日[金]19:00〜(会場18:30)

講師
貝島桃代(筑波大学講師/アトリエ・ワン共同主宰)
コーディネーター
堀口徹(東北大学大学院都市デザイン学講座)
会場 
阿部仁史アトリエ/house in 卸町
仙台市若林区卸町三丁目3-16
車で来場の方は卸町第61駐車場(共同配送センター東)をご利用ください。
開催日
2004年8月27日[金]19:00〜(会場18:30)
定員
80名(申込み先着順)。
参加費
1,000円(ドリンクつき)。
申込み
参加ご希望の方は、氏名、所属、メールアドレスを明記の上、
email: tohru@hjogi.pln.archi.tohoku.ac.jp(堀口) もしくは
fax: 022-782-1233(阿部仁史アトリエ/堀口)までお申込み下さい。
なお,準備の都合上8/23(月)までにお申込み頂けると助かります。
協力
協同組合 仙台卸商センター
お問合せ
022-284-3411(阿部仁史アトリエ/堀口、後藤)

今回のハウスレクチャは貝島桃代氏を講師に迎え、水戸芸術館および水戸中心市街地で8月8日から10月3日まで開催中の「カフェ・イン・水戸2004」における二つのプロジェクトを中心に話を伺います。筑波大学貝島研究室+アトリエ・ワンは、「メイドイントーキョー」のようなカタログ化の手法を用いながら水戸市街地における建物および土地を観察、さらには個々の物件の活動の主体やそれらの履歴から6つの活動サーモグラフィーに塗り分けた空間診断図を『dead or alive』という一冊の本にまとめています。そして空間診断を踏まえて、水戸芸術館にほど近い空き家を新たな領有主体のために再生させたリノベーションプロジェクト「植物の家」。活動が高密な大都市において確立された貝島氏らのフィールドサーベイの方法論が地方都市においてどのように展開されうるのかについて議論します。

共有と連携のデザイン


『共有のデザインを考える/スタジオ・トークセッション記録』のところでもちょっと書きましたが,2004年9月16日にsmtでおこなわれるスタジオ・トークセッションに出ることになりました。先日,山本育男さんの手引きでつくられたsmtの「文化施設の通信簿」を題材に,公共空間を共有していくためのデザインについて考えていきます。

詳しくは「共有と連携のデザイン」をご覧ください。

ふつうの人にインタビュー

@nifty:デイリーポータルZ:ふつうの人にインタビュー

みょうに面白い。

「ふつうの人にインタビュー」という企画です、と説明すると「私は普通じゃないから」と言う人が多かった。たしかに、みなそれぞれ独自の不幸とめんどくささを抱えていた。話を聞けば「ふつう」じゃない。

でも、それぞれ事情を抱えている点はいっしょなので、それをひっくるめて「ふつう」じゃん、とも言えるし…。

最近の映画で儲かったのは……

eto.com/dのまとめによれば,最近公開された映画,サンダーバード,スチームボーイ,キャシャーン,アップルシード,イノセンスのうち,もっとも利益を得たのは……

続きを読む "最近の映画で儲かったのは……" »

2004年08月28日

「どころぐ」

ニュース記事。
Japan.internet.com ワイヤレス - Blog サービス「Doblog」に GPS 対応機能が追加

Doblogのユーザむけ告知。
Doblog - Doblogの使い方 -

リンクしている地図は,its-mo Guide | ゼンリンデータコム

2004年08月29日

時計台

040829_2302~001.jpg
場所

2004年08月30日

巡礼

2004-0830-1614.jpg
場所

続きを読む "巡礼" »

About 2004年08月

2004年08月にブログ「Motoe Lab, TU」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2004年07月です。

次のアーカイブは2004年09月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。