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『プロダクトデザインの思想』

を読む。
ポール・ヘニングセンのPHランプや大橋晃朗のハンナン・チェア,山中俊治のオリンパスO-productなど,主に日本のプロダクトデザインの名作を集める。デザイナーの解説,同業者の批評などはよく見られるが,制作に関わった人たちの意見が多く掲載されており,興味深く読める。図版は全部シロクロだけど,その分価格が安い。以前OZONEで開催された展覧会のカタログを増補したもの。

三原昌平編『プロダクトデザインの思想 vol.1』ラトルズ,2003

率直にいって,建築家の文章に比べると議論が独断的なものが多いように思われる。おれはこう直感して作ったぜ!みたいな感じで説明されてる。それが面白くもあるのだが。

結果,よく売れた,よく認められた,だからこれでいいのだ,といった勢いがある。市場の選別をくぐり抜けてきたという自信がプロダクトデザイナーの言葉を支えているのだろうか。

その点,建築家が新作を説明するときの「弁明」はちょっと違うように思われる。建築は基本的に一回性の注文受注設計で,顧客にとっては唯一無比の物件であるから,試してみたとはいいづらいし,失敗したとは決して言えない。うまくいきました,とすら言いにくいところがある。

簡単に言えば,プロダクトデザイナーは「こうしました」と言うのに対し,建築家は「こうなりました」と言う。
社会に対する構え方が違うのだろうか。

んなこたねぇよ,というコメントを希望しております。

コメント (2)

んなこたねぇよ!^^;)
掲載、ご批評ありがとうございました。
、、プロダクトデザイナーは「こうしました」と言うのに対し,建築家は「こうなりました」と言う。
という箇所、興味深く拝読しました。
しかし、普段は「売れた、売れなかった」「かっこイイ、かっこ悪い」とかばかりです。
第二巻準備中です。今後ともよろしくお願いします。

もとえ:

編者直々にコメントいただきありがとうございます。
普段の会話は建築もプロダクトも変わらないってこともわかりました(笑)
続巻,楽しみにしております。

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2003年12月16日 20:19に投稿されたエントリーのページです。

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